ウルリケ・オッティンガー ベルリン三部作
2023年8月に渋谷ユーロスペースで公開されたときに、予告編に興味を持ちながらも見逃した、ドイツの映画作家ウルリケ・オッティンガー監督のベルリン三部作「アル中女の肖像」(1979年作品)、「フリーク・オルランド」(1981年作品)、「タブロイド紙が映したドリアン・グレイ」(1984年作品)を目黒シネマで一気に観てきました。
前衛芸術的な、奇抜なパフォーマンスの舞台を観ているような時間が流れる映画体験。衣装も舞台もとにかくカラフルで、画面にあるものの構図とか含めてとにかく美しくすぎて、どこまでも果てしなくアート。
一応ストーリーらしきものはあれど、シーンごとに遠慮なくブツ切れになっていて、それぞれのシーンがそれぞれにアーティスティックで面白いものの、前のシーンとつながっていなかったりするから、まるで展開が読めない。2時間の映画が2時間以上にたっぷりと異世界を旅しているよう。
効果音含めて、音の付け方がなんだか奇妙で不思議で、いちいち耳に残る。また、どの映画でも、耳をつんざく絶叫があるし、突然映画の中で歌や舞台が始まるのだが、これがいちいち奇妙で良く出来ていて面白い。役者も個性的で生き生きしている。
「アル中女の肖像」のベルリンの歌、「フリーク・オルランド」で磔にされた髭の生えた女性の歌劇、「タブロイド紙が映したドリアン・グレイ」の中で展開されるさまざまな舞台やパフォーマンス。どれも強烈なインパクトで、忘れ難い。
三部作全てをシーン毎にチャプター分けして、シャッフル再生して、BGVとしてずっと流しておきたいタイプの映画でした。ウルリケ・オッティンガー監督、初体験でしたが、とても魅力的でした。観て良かった(^^)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?