カリガリ博士(1920)
1920年に公開されたロベルト・ヴィーネ監督「カリガリ博士」を、最近発売になった欧州版4K UHDで再見。
本作は、当時としては表現的にも内容的にも革新的なサイレント映画で、ドイツ表現主義(客観的表現を排して内面の主観的な表現に主眼をおく芸術運動)の影響下にある「歪んだセット背景」が全編を覆い、どの画面を切り取っても現代アート作品のような画作りがなされています。
物語は、カリガリ博士と25年眠り続けている夢遊病者チェザーレの怪しい行動と、連続殺人事件の謎を追うサスペンスで、ラストに驚きの展開が!
とはいえ、今となっては、こういうパターンの作品はたくさん見たよって思ってしまうところですが、100年以上前に作られた、その手の映画の元祖的存在だというところがポイントです。
でも、今でも、この画作りは一見の価値ありだと思います。
今回の4K UHDには、音楽が2014年スコアと2019年スコアの2パターン入っていましたが、個人的には2014年の方が映画の雰囲気に合っていて好みでした。画質は物凄く綺麗で、見事なレストアです。