魔鬼雨(1975)
ロバート・フュースト監督「魔鬼雨」を観た。
昔、テレビ放送をVHSで録画して、さらにエスピーオーから発売されたDVDも買って、今回新たに是空から発売されたBlu-rayで久しぶりに見たわけですが…
雨で人が溶けるシーンしか覚えてなかった! 何故ストーリーをちゃんと覚えていないのか!? 今回改めて本作を見て、それは多分… ほとんどストーリーがないからじゃないかと思ったんだけど…σ(^_^;)
古い作品なので、いきなりネタバレ気味に書いてしまいますが、「旦那と息子が帰って来ない。大変、どうしましょっ!?」「あ、息子が帰ってきた。お父さんは?」「おや、誰か玄関に来ましたよ!」「お父さ…」どろどろどろ〜
「きっとコービスの仕業だ。僕が行ってくる!」と、ほんの一瞬外に出てすぐ家に引き返すと、家の中はめちゃくちゃに荒らされ、お母さんは攫われ、お手伝いさんは逆さ吊りにされてる。なんという早技!!
「おのれ、コービス許さん! 母を取り戻す!!」と出かける息子(←すでにおっさんの年齢です)。あっけなく捕まる。
次に何の前振りもなく弟が出てきて、「家族みんなが行方不明!? 俺が探しに行く!」と、これまたコービスの元へ。
コービスというのが、荒廃した砂漠の街で邪教集団を率いている奴で、最初から出てきている一家とは300年前からの因縁があるらしい。ちなみに、このコービス役を演じるアーネスト・ボーグナインの暑苦しい顔のインパクトは凄い。
そして、弟がコービスと戦うクライマックスへ!
でも、実際のところ、公開当時に「恐怖の雨が人間を溶かす!」と宣伝された、雨に打たれた邪教の信者たちがどろどろどろ〜っと溶ける様子が延々と続く… まさに、これだけを見せたい映画だったんだ!というオチに。徹底した一点豪華主義!!!
脚本の酷さに関しては出演したみなさんも、テクニカル・アドバイザーを務めたチャーチ・オブ・サタンの創立者アントン・ザンダー・ラヴェイ師も当時から語っていたらしいことが特典のインタビューからわかるのだが、それでも一気に見せ切ってしまう本作のパワーはなかなかたいしたもの。
何でもない場面でも音楽でテンション上げちゃうし、狙ったのか狙ってないのかわかんないけどギャグとしか思えない場面も(シャツに大きく名前が書いてあって持ち主がわかるとか、お父さんが溶けちゃったのを放ったらかして何事もなかったかのようにご家族そろって家に戻っちゃうとか)、雑すぎる展開も、説明不足すぎる点も多々あるが、まぁ、いちいち突っ込んでも仕方ないので、心を広く楽しめば良いか…ってね。
ジョン・トラボルタのデビュー作だという話もあるが、のっぺらお面で登場して一瞬でやられるので、本人だとわかりません。逆にわからなくて良かった感じ。
それにしても、「魔鬼雨(まきう)」ってネーミングセンスはいつ見ても凄いなぁ。言語の「Devil's Rain」が何を指しているのかも実はよくわからないのだけど…
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