FALL/フォール(2022)
スコット・マン監督「FALL/フォール」を観た。
小さい頃から"高いところに登って下りられなくなる"という夢を繰り返し見て、そのたびに恐怖のあまり「ひっ」となって目が覚めたものだけど、まさか、そんなネタひとつで映画を1本作ってしまうとは!?
YouTuber的なノリで、今は使われていない600mの高さがある鉄塔に登ってみようと女性クライマー2人が挑むが、案の定下りられなくなってしまって、さぁどうする? というワン・シチュエーション・サバイバルものなんだけど、それでもちゃんと107分保たせてしまうから立派。
それなりに工夫している"そこで何が起こるか"よりも、圧倒的に"高さ"の恐怖が勝っているし、見せ場はほぼ"遥か高い場所から見下ろす景色"である。でも、この"高さ"はホラー映画の殺人鬼よりも生理的に怖い。
舞台設定と物語は、サメのいる沖合いにボードでポツンと残されてしまったみたいな「孤立無援の危機的状況からいかに脱出するか」ってパターンだし、そこで起きる出来事も過去の類似作品で見てきたようなものばかり。だけど、それが地上600mの狭い場所ってことだけで、ここまで違うんだなと!
高所恐怖症とまで行かなくても高いところから下を見下ろすのが苦手という人は、きっと耐えられない作品だし、この作品は劇場の大きなスクリーンで観てこそ価値があるものだと間違いなく言える。
あまりの緊張感に身体が硬くなり、手のひらが汗びっしょりになる、かつてない恐怖の体験。ぜひお試しを!!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?