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マンディ 地獄のロード・ウォリアー(2017)

パノス・コスマトス監督の2017年作品「マンディ 地獄のロード・ウォリアー」を見た。めちゃめちゃ独特のテイストで興味深い作品!

人里離れた自然あふれる森の中の一軒家で静かに暮らすレッドとマンディ。どうやら過去に何かあったような2人だが、今は穏やかに日々を過ごしている。そんな静謐かつ美しい風景と幸福感が満ち満ちている最初の30分。ここ、ホントに綺麗。

マンディが近くのショップに働きに出る際にバンとすれ違う。そのバンの中にはカルト集団のボスと手下たちが乗っていて、ボスがマンディに目を付けて… というところから、ほとんど真っ赤な映像で(アルジェントの「サスペリア」を髣髴とさせる)展開する30分は地獄への入り口。宗教、薬物、幻覚… 強烈な色彩とスローモーションの映像に異様な登場人物(ちょっと「ヘルレイザー」っぽい造形)、加えてヨハン・ヨハンソンによる音楽も相まって、一気に物々しく異様な雰囲気に。

そして、後半は怒り狂うレッド(=ニコラス・ケイジ)VS異様なバイク集団+カルト教団という血まみれの展開へ。物語の出来はさておき、得も言われぬ雰囲気が凄いカルト風な作品でした。やや"浅い"気がしなくもないけど、独特のテンポや映像は楽しかったです。

同じくニコラス・ケイジ主演の「ピッグ」もそうだったけど、宣伝は"復讐に燃えるニコケイがブチギレ"的なトーンになっていて、ちょっと作品の趣きと異なる印象。まぁ、「ピッグ」よりは本作の方が宣伝内容に近いけど、この独自な魅力は予告では感じられず、宣伝より本編の方が断然良かった。

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