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ヴェノム:ジ・ラスト・ダンス(2024)

ケリー・マーセル監督「ヴェノム:ジ・ラスト・ダンス」を観た。

さて、本作のド頭から登場するのが「ヌル」。白い長髪を前に垂らした姿は、さながら90年代ビジュアル系ロックバンドのよう。ヌルとは、宇宙の創造以前から存在する神の如き凄いヤツで、ヴェノムを始めとするシンビオートの創造者でもある。しかし、シンビオートたちはヌルに反逆し、ヌルをある惑星に幽閉してしまったのだ。

ヌルがこの幽閉状態から脱するためには“鍵=コーデックス”というものが必要で、これはエディとヴェノムが完全に一体化したときに現れる物質なんだってー!

とゆーわけで、自分じゃ動けないヌルは、ゼノファージというシンビオートを捕食する生物をエディとヴェノムの元へ送り込み、コーデックスを手に入れようとするわけ。

これが今回の「ヴェノム:ジ・ラスト・ダンス」の基本構造なんだけど、冒頭でヌルが初登場するや、この説明が足早にされ、そのすぐ後に、「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」のミッドクレジットで描かれた、エディとヴェノムがバーで飲んでいる"別のマルチバース"から元の世界に戻ってくるくだりになるため、展開がよくわからないまま映画が始まってしまう。

この冒頭のバタバタした流れは、導入としてイマイチだと思うぞ。ま、片付けなきゃならないことが多すぎるってことなんだろうけど…

その後は、すっかり仲良くなったエディとヴェノムのコンビが異世界からやってきたゼノファージと戦う流れになるのだが、ヌルの幽閉を維持するためにはコーデックスをこの世から消してしまわねばならず、そのためには… ってお話に。

普通に楽しめる映画ではあるが、前2作のようなヴェノムのダークヒーローっぽさは消え、仲良しバディものになっちゃってるところは、ちょっと魅力減退な気がしなくもない。

【以下、少しネタバレです】

ヌルの世界にはたくさんのゼノファージがいるのに、最初は1匹だけ送り込んで、後半のクライマックスでも5匹くらい?しか送り込んでこないのがよくわからん。コーデックスを手に入れるためなら、最初から惜しみなく攻撃してくればいいんじゃないのか??

あと、なんといってもヌルの登場の仕方が…。冒頭に90年代ビジュアル系ロックバンドのような姿で顔を伏せたまま登場し、最後にコーデックスを入手し損ねたところで顔をあげて「わーっはっはっ」と高笑いされてもなぁ…

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