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フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(2024)

グレッグ・バーランティ監督の「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」を観た。予告編を見て"月面着陸のフェイク映像を撮影する"ことがメインの「カプリコン・1」的な映画かな?と思っていたら、全然違ってて、とても良質な"古き良きスクリューボールコメディ"テイストな大人のラブストーリーでした。

1969年、アメリカ。「人類初の月面着陸をアメリカが成功させる」とケネディ大統領が宣言してから8年。失敗続きのNASAに対し、国民の関心は薄れ、予算は膨らむ一方。この状況を打破するため、NASAはニューヨークで働くPRマーケティングのプロを雇い、アポロ計画を派手なイメージ戦略で全世界にアピールしようと動く。

そのために雇われたケリーの虚実織り交ぜたPR戦略に対し、実直で真面目なNASAの発射責任者コールは反発するが、ケリーのPR作戦は功を奏して月面着陸は全世界注目のトレンドとなり、アポロ計画は前進する。

しかし、失敗が許されないアメリカは、月面着陸が"必ず成功する"ための準備を始めるようケリーに指示をして…

実は本作、そんなケリーとコールの関係性を、ときにシリアスに、ときにコミカルに描くラブストーリーになっているのだが、この"月面着陸のフェイク映像を撮影する"というネタを使って物語を無駄なく見事に転がしていく。

あまりにも楽しく、語り口が上手く、とても心地良く観ることが出来る、実に映画らしい映画です。

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