エンドロールのつづき(2021)
パン・ナリン監督「エンドロールのつづき」を観た。
9歳の少年サマイはインドの田舎町で、学校に通いながら父のチャイ店を手伝っている。厳格な父は映画を低劣なものだと考えているが、ある日、「カーリー女神の映画は特別だ」と、家族そろって映画館に行くことに。
初めての映画に心を奪われたサマイは学校を抜け出し、映画館に忍び込んだものの、館主に見つかってつまみ出されてしまう。それを見た映写技師のファザルが、サマイの弁当と引換えに映写室から映画をみせてくれるという話になり…
映写窓から数々の映画を観る中で、いつしかサマイは「映画を作りたい」という夢を抱きはじめる。
監督の実体験を踏まえた物語だということだが、もう映画のアタマから最後まで、監督の映画愛や数々の映画監督へのリスペクトが溢れすぎている作品。
と同時に、子供の頃に体験した"フィルム"による上映への愛が半端ない。後半の、映写方法が変わって…の展開は映画のフィルム上映を愛する人にとっては"ホラー"的な展開で、ビックリする。
でも、（どこまでが実話かわかりませんが）子供の頃、監督が実際に映写室にいたのなら、それはまさにトラウマ級な体験だったのだろうなぁとも思いました。
サマイが初めて映画を観たとき、スクリーンではなく、後方の映写窓から放たれる光に魅了されるシーンがあるのですが、本作では、映画を"光を捕まえる"ように描いているのが印象に残ります。
あと、主役の少年を演じたバビン・ラバリくんは新人！ その愛らしさ含めて、見事な主役っぷりでした。
もひとつ、お母さんの作るご飯がめちゃめちゃ美味しそう!!!