星が見たい。
「3.11」の日。
NHKで、「あの日の星空」と題された番組が流れていた。
久々に、テレビを観ていて泣いた気がする。
ぼくは、3.11のときは中学3年生。まだ福井にいた。
だから、地震の揺れを身をもって体験したわけではない。
親族や大切な友人を失ったわけではない。
だから、そんな辛い体験をした方々の気持ちを、わかったように語る資格はない。
それでも、番組を観ていろいろ思うことがあったから、ちょっと書いてみる。
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星空って残酷だなあって思った。
誰の下にも、平等に光を放つから。
悲しみの下にも、喜びの下にも。
1年前のブログに書いた通り(http://minocchi06.hatenablog.com/entry/2018/03/11/173642)、ぼくはあの日、高校の合格発表に臨んでいた。
無事、希望の高校に合格できた。
そんなとき、遠く離れた東北では、数えきれないほどの、誰かにとっての大事なものが失われていた。
何年たっても、あの日のことを忘れることはできない。
そんな中でも、星は、僕らの上でも被災地の上でも、同じように輝いていた。
番組の中に出てきた被災者の方々ひとりひとり、その星空に対する意味付けは少しづつ違っていた。
でも、忘れかけていたもの、心の中で今まで大切にしてきたものを思い出させてくれるような、
そんな空だったのではないかと僕は思う。
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「亡くなった人が、迷わずに天国に行けるように導いてくれる光みたいだった」
番組の中で、誰かが言っていた。
震災の3年後にあたる2014年の10月に、僕は大事な祖父を亡くしている。
突然のお別れだったから、僕自身言葉にならなかった。
お通夜が終わり、次の日の告別式のために、家族で斎場に泊まることになった。
さみしくなって、親友に電話をかけながらひとり斎場の外に出たとき、
その時に見上げた星空の色と外の空気がとても気持ちよかった。
そんなことを、番組を見ていて思い出した。
「死んだ人はお星さまになって、見守ってくれてるよ」って、両親は亡くなった祖父のことを言う時によく口にする。
きっとあの時も、僕のことを見守ってくれていたんだろうか。
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東京に出てもう6年目。
地元にいるとき毎晩のように見ていた星空も、最近めっきり見なくなっている。
でもこの番組を見て、強く思った。
「星、見たいなあ。」