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アニメ映画「がんばっていきまっしょい」についての雑感
◆はじめに
2024年10月25日より公開されている櫻木優平監督のアニメ映画「がんばっていきまっしょい」。
愛媛県松山市出身の小説家・敷村良子さんが、母校である県立松山東高校の女子ボート部を舞台に著した同名の小説が原作となった作品で、これまでにも田中麗奈さん主演の実写映画、鈴木杏さん主演のフジテレビ系連続ドラマなどが制作されて話題になっていました。
中学生の頃から松山の街に魅せられ、たびたび旅行で訪れた私も、どうにか上映終了前に同作を観賞できたところですが、本稿では原作からの設定変更や見どころを中心に観賞後の雑感を綴ってみることにします。
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◆原作・実写作品からの設定変更
今回公開されたアニメ映画版についてですが、時代設定は原作や実写映画の1970年代とは異なり、2020年代(現代)となっています。
実際、登場人物はスマートフォンを使用しており、また描かれている人物のファッションも2020年代のものでした。
また、登場する女子部員の役名も「悦ネエ」、「ヒメ」、「リー」、「ダッコ」、「イモッチ」という愛称こそ原作から引き継がれていますが、以下のとおり大きく改変されています。
【愛称】 【役名(原作・実写映画・ドラマ)】 【役名(アニメ映画)】
悦ネエ 篠村悦子 → 村上悦子
ヒメ 中崎敦子 → 佐伯姫
リー 矢野利絵 → 高橋梨衣奈
ダッコ 菊池多恵子 → 兵頭妙子
イモッチ 中浦真由美 → 井本真優美
役名についてですが、アニメ映画版の登場人物の「村上」・「佐伯」・「兵頭」姓は、実際に愛媛県に多い苗字です。
また、「リー」の本名が「高橋梨衣奈」とされたのは、演じる声優の高橋李依(りえ)さんの氏名に由来するのではと思われます。高橋梨衣奈は埼玉県の女子高からの転校生という設定ですが、高橋李依さんご本人も埼玉県出身とのこと。
このほか、女子部員の実家の家業や家族構成、家庭環境の設定も、原作や実写映画版、テレビドラマ版から変更されています。
◆作中での松山市の風景描写と民謡のBGMについて
諸々の設定が原作から大きく変更されたことについては賛否両論があるかもしれませんが、それはさておき、作中で舞台となる四国最大の都市・松山市の風景描写が完璧だった点は特筆すべき事柄のように思います。
予告映像に出てきたものだけを紹介しますが、いよてつ高島屋と観覧車、伊予鉄道高浜線の3000系電車、三津浜付近の伊予灘など、乗り鉄旅行や遍路旅で通い慣れた場所がたくさん登場しており、そのいずれもが緻密に再現されていたのは嬉しい限りです。
また、ネタバレになりますが、優れた風景描写と合わせて、BGMとして愛媛県の民謡「野球拳」(インストルメンタル)、「伊予の酒造り唄」が効果的に使用されている点にも好感を覚えました。
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古くは「坊っちゃん」、そして「坂の上の雲」、「東京ラブストーリー」、「がんばっていきまっしょい」と数々の文学作品やテレビドラマの舞台になってきた愛媛県松山市。
アニメ映画版の「がんばっていきまっしょい」は、そんな聖地巡礼の文化が根付きやすい土地を舞台にした最新のアニメ作品です。
上映期間が思いのほか短いようですが、人気声優を集めた豪華なキャスティングや美しい風景の描写など見どころ盛り沢山なので、まだご覧になられていない方は上映館を探して是非一度観に行かれてください。