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オリックス・バファローズの比嘉幹貴選手・小田裕也選手が現役引退

長年の功労者であるT-岡田外野手と安達了一内野手兼内野守備走塁コーチに続き、オリックス・バファローズではさらに2人の選手が今季限りでの現役引退を表明しました。


比嘉幹貴投手の引退表明

まず、9月15日にチーム最年長・41歳の比嘉幹貴投手が引退を表明。
引退試合や引退セレモニーの実施は辞退したものの、同日付で一軍登録され、翌16日の京セラドーム大阪での福岡ソフトバンクホークス戦でリリーフ登板しました。

比嘉投手の出身は沖縄県沖縄市。
沖縄県立コザ高校から国際武道大学、日立製作所を経て2009年ドラフト2位でバファローズに入団、以来15年にわたりリリーフ一筋でバファローズの投手陣を支えてきました。
比嘉投手の登板で、もっとも個人的に印象に残っているのが2021年11月20日の東京ヤクルトスワローズとの日本シリーズ第1戦。
1-3のビハインドで迎えた9回表に登板したのが比嘉投手で、2三振を奪うなどスワローズ打線を三者凡退に抑え、その裏の宗佑磨選手・吉田正尚選手(現ボストン・レッドソックス)らによるサヨナラ劇に向かう流れを呼び込み、見事オリックス・バファローズとしては初の日本シリーズ勝利投手に輝きました。
なお、比嘉投手は2022年の日本シリーズでも7試合中の5試合にリリーフ登板し好投、オリックス・ブルーウェーブ時代の1996年以来26年ぶりの日本一の立役者となっています。

2021年日本シリーズ第1戦の勝利の瞬間
比嘉幹貴投手のアクリルスタンド

小田裕也外野手の引退表明

比嘉投手の引退表明の衝撃冷めやらぬ9月16日、またしてもバファローズファンを激震が襲うことになります。
T-岡田選手、安達選手、比嘉投手に続く形で、俊足巧打でチームを支えてくれた小田裕也外野手も今季限りでの現役引退を表明しました。
熊本県八代市出身。九州学院高校から東洋大学、日本生命を経て2014年ドラフト8位でバファローズに入団した小田選手。
バファローズには「ドラフト下位指名の社会人野手は活躍する」というジンクス(注)がありますが、小田選手もその類稀な脚力と勝負強さでチームをたびたび救ってくれました。
チームがBクラス常連で長い低迷期に入っていた時代も、小田選手のサヨナラ打で勝った試合が何度もあったように記憶しています。
(注)他の例は川端崇義選手(引退・2011年ドラフト8位)、杉本裕太郎選手(2015年ドラフト10位)

そして、忘れてはいけないのが2021年の千葉ロッテマリーンズとのクライマックスシリーズファイナルステージ第3戦。
バファローズはこの試合に勝つか引き分けるかすれば日本シリーズ出場が決まるという状況でしたが、9回裏の時点でスコアは2-3、マリーンズに1点のリードを許していました。
それでもバファローズ打線はマリーンズの守護神・益田直也選手を追い込み、ノーアウト1・2塁、一打同点のチャンスを作りました。
ここで、守備固めで途中から出場していた小田選手に打順が回り、中嶋聡監督の指示で見事なバスターを決めスコアは3‐3。この一打でバファローズは前身のオリックス・ブルーウェーブ時代以来25年ぶりとなる日本シリーズ進出を決めました。

小田選手は今年35歳、まだまだ現役を続けられたのではとファンの間では惜しむ声も多いですが、引退はあくまで本人が決めたこと。潔い引き際というのもまたプロアスリートとして美しい生き様なのではと思います。
引退表明にあたって「Instagram」の公式アカウントに投稿した、同期入団で同世代(34歳)の西野真弘選手、東洋大学野球部時代の同級生だった東北楽天ゴールデンイーグルスの鈴木大地選手に寄せたメッセージにも、多くのファンが感動しました。

9月24日の本拠地最終戦となる埼玉西武ライオンズ戦は、現時点ではT-岡田外野手と安達了一内野手兼内野守備走塁兼任コーチの引退試合として行われますが、T-岡田選手、安達選手、先日久々の一軍登板を果した比嘉投手だけでなく、小田選手についても何らかの形で餞の場が設けられればというところです。

小田選手のアクリルスタンド
2021年日本シリーズ進出の立役者となり、歓喜の表情の小田選手(NHKテレビより)





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