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中嶋聡監督今までありがとうございました。

昨日は久々のJリーグ現地観戦で贔屓チームが勝利。
帰宅後、勝利の余韻に浸っていたところに、オリックス・バファローズの中嶋聡監督が楽天モバイルパーク宮城での東北楽天ゴールデンイーグルスとの最終戦後に、今季限りでの勇退を表明したというショッキングなニュースが飛び込んできました。

2020年8月21日、前任の西村徳文監督が成績不振で休養した後を受け、急遽二軍監督から監督代行に昇格、以来4年2ヶ月に亘りバファローズを率いてきた中嶋監督。

選手にとことん目を配り、心を掴むのが上手く、「ナカジマジック」と称されるその巧みな采配は随所で光っていました。

2021年シーズン、若き紅林弘太郎選手を正遊撃手に起用し、エラーがあっても起用し続けたこと。
2021年のクライマックスシリーズファイナルステージ第3戦、引き分ければ日本シリーズ出場が決まるという場面で、小田裕也選手にバスターを命じて成功させたこと。
磐石な投手王国を築き上げ、2022年のクライマックスシリーズと日本シリーズを的確な継投リレーで勝ち抜いたこと。

ここに挙げたエピソードはほんの一部に過ぎませんが、名伯楽・中嶋監督は2005年に大阪近鉄バファローズとオリックス・ブルーウェーブの合併で誕生して以降長年Bクラスが続いたバファローズを、2021年シーズンからの3年間でパ・リーグ3連覇、日本一1回という常勝球団として復活させました。
その人柄ゆえ、選手、スタッフはもとより多くのファンからも慕われていました。

リーグ4連覇を目指して迎えた2024年シーズン。バファローズは打撃陣の不振に泣き、最終的に5位に終わりましたが、先月の本拠地最終戦時のセレモニーの際には勇退を匂わせる言動は何一つなく、2025年シーズンもペナント奪回を目指して指揮してくれるものと信じていただけに、ファンの間ではショックと動揺が広がっています。

退任にあたり中嶋監督は、リーグ3連覇を達成した後、バファローズの一部の選手の中に「慣れ」の気持ちが出てしまったことを指摘しました。

監督が審判の判定に抗議しているなかでも、ベンチの雰囲気が弛れた状態だったこと、打った後に1塁まで全力疾走しない選手がいたこと、攻守交替が緩慢だったこと。

この4年2ヶ月、常勝軍団として復活したバファローズですが、勝つことを知る一方で、選手の間に悪い意味での「慣れ」や気持ちの緩みが生まれてしまったことは、新たな課題となり、ひいては2024年シーズン5位という結果になって返ってきたように思います。

SNS上では、選手の気持ちの乱れやチームの雰囲気の変化を糺すために今季限りでの退陣を表明した中嶋監督の姿は、「うつけ者」だった若き日の織田信長を諌めるため自害を選んだ傅役(教育係)の平手政秀のようだという声も散見しました。
残る選手やスタッフたちには、選手たちを諌める思いもあって苦渋のなかで退陣を決断した中嶋監督の気持ちを真摯に受け止め、来季のペナント奪回に向けて気持ちを入れ替えて望んで欲しいと思います。

中嶋監督のほか、長年チームを支えてきた田口壮外野守備走塁コーチ、梵英心内野守備走塁コーチ、辻竜太郎打撃コーチの退団も発表されました。
代わって、今季限りでの現役引退を表明した安達了一選手兼内野守備走塁コーチがコーチに専任すること、比嘉幹貴選手、小田裕也選手がコーチに就任することが発表されました。
低迷期からリーグ3連覇に至るまでの流れを知る安達コーチや小田コーチ、比嘉コーチのもとで、2021~2023年シーズンのように打線が繋がり、さらにはたくさん盗塁もできるチームが出来上がることを期待して、結びとさせていただきます。

最後になりましたが、中嶋聡監督、4年2ヶ月間ありがとうございました。
今はじっくり休んでいただき、またそう遠くないうちにバファローズの現場に戻ってくるのを待っています。


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