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台湾でも人気の「アオのハコ」と「鹿野郷」・「鹿野駅」

◆漫画原作のテレビアニメ「アオのハコ」は近隣諸国でも人気

三浦糀さんの「アオのハコ」は2021年から「週刊少年ジャンプ」で好評連載中の漫画作品で、2024年秋からはテレビアニメ版がTBS系列で放映されています。
この作品は、家庭の事情で同居生活することになったバドミントン部員の男子高校生・猪股大喜と、女子バスケットボール部員の鹿野千夏の恋模様を中心にした青春群像劇ですが、諸外国でも人気が高く、台湾では「青春之箱」、大陸中国では「青之箱」の表記で多くの読者に愛されています。
本稿では、台湾東部にある「アオのハコ」の登場人物を連想させる地名について紹介させていただきます。

◆ヒロイン・鹿野千夏を連想する「鹿野郷」・「鹿野駅」

台湾東部の台東県には「鹿野(ルーイェー)郷」という自治体があり、郷内には台湾鉄路公司(台鉄)台東線の鹿野駅があります。
「アオのハコ」のヒロインの名前は鹿野千夏(かの ちなつ)
ということで、鹿野郷や鹿野駅が同名の誼で台湾の「アオのハコ」ファンの聖地になっても良いのではとふと思いました。

鹿野千夏

鹿野の地名の起こりは日本統治時代初期のこと。
もともとこの地域の地名は「鹿寮」だったそうですが、官営移民村を設置するにあたり、1911年に「鹿」の字を用いた日本風地名「鹿野村」に改称されたといいます。
現在、かつての官営移民村は行政区分上では台東県鹿野郷龍田村となっており、日本統治時代の学校や託児所の遺構が残っているほか、2015年になり神社(鹿野神社)も再建されました。

【参考】官営移民村については、こちらの記事もご参照ください。

また、近年には熱気球の発射場(鹿野高台熱気球区)子ども向けの可愛らしい公園(鹿野親子公園)もオープンし、観光による地域の活性化が図られています。

鹿野の町の玄関口になっているのが、台湾鉄路公司台東線の鹿野駅。
自強号(特急列車)の多くが停車し、台北や高雄といった大都市からのアクセスは至極便利です。

自強号(普悠瑪(プユマ)号)
自強号(普悠瑪(プユマ)号)鹿野駅停車時の車内案内表示

日本統治時代の官営移民村という歴史遺産が残り、熱気球や児童公園でも有名な鹿野の町。
この町が、「アオのハコ」や鹿野千夏のファンたちの目に留まり、同作のグッズを携えた若者たちで賑わうというのは、あながちあり得ない話ではないように思います。台鉄の列車に「アオのハコ」のラッピングを施すのも一興かもしれません。

◆まとめ

鹿野郷・鹿野駅に限らず、台湾の各地には日本統治時代に名付けられた地名が多く残っています。
日本と台湾両国に同名の地名ないしは駅名があるという事例は他にも多々あり、これがきっかけとなり鉄道会社同士の提携協定が結ばれるなど、両国間の友好関係強化に大きく寄与するケースもあるといいます。
今回取り上げた、日本の人気漫画作品のキャラクターの苗字が台湾の地名と同じ表記であるという事例も、何らかのきっかけで台湾の地域振興や日台間の交流促進にプラスの効果をもたらすのではと思いました。

最後になりましたが、日本と台湾に共通する地名については、今後も折に触れて記事にまとめようと思いますので、しばしお待ちのほどよろしくお願いします。

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