関西国際空港の国際線ラウンジ集約について
本日9月4日で開港30周年を迎えた関西国際空港の第1ターミナルでは、現在1994年の開港以来最大規模のリニューアル工事が進捗中ですが、去る8月26日(金)、新しい国際線保安検査場の供用開始(9月3日(火)~)を前に発表されたプレスリリースに気になる内容が記されていました。
関西エアポート㈱のプレスリリース(2024年8月26日)
https://www.kansai-airports.co.jp/news/2024/3259/J_20240826_PresRelease_4FSecurutyCheck.pdf
TRAICY編集部の記事(2024年8月26日)
詳細は上記リンクのとおりですが、関西国際空港では第1ターミナル大規模リニューアルの一環として、2025年春をめどに現在第1ターミナル各所にある国際線ラウンジを集約、新たに3階出国審査場の出口近くにビジネスラウンジとプレミアムラウンジを開設するとのことです。
上のリリースにもありますが、新しく開設する2つのラウンジは第1ターミナル発着の航空会社のマイレージ上級会員・上級クラス利用者向けの共用ラウンジという位置づけになります。
このうち、ビジネスラウンジの面積は約2,970㎡、ファーストクラスやビジネスクラスといった最上級クラスの利用者向けのプレミアムラウンジは約800㎡とのこと。
「TRAICY」編集部の記事によると、ラウンジ内には個室やシャワールームも設置される見通しとのことで、夜行便に搭乗する旅行者、トランジットでまとまった時間滞在する旅行者には大いに喜ばれそうです。
そして、プレスリリースによるとビジネスラウンジは「古都と都市」をキーワードとしているそうで、イメージパースを見る限り和のテイストを生かした空間に仕上げられる様子です。
最上級クラス向けのプレミアムラウンジも、イメージパースでは和の要素を取り入れたデザインになっており、実際にどのような出で立ちで開業するのか気になるところです。
新しい2つのラウンジのインテリアやフード、ドリンク、その他サービスに期待が高まる一方で、利用者としては一つ気がかりなことがあります。
第1ターミナルの国際線ラウンジが新設されるビジネスラウンジとプレミアムラウンジに集約されるということは、現在国際線の制限エリア内に設けられている7つの航空会社ラウンジ、3つのカード会社会員向けラウンジの扱いがどのようになるのかということを危惧する声があちこちで上がっています。
現在第1ターミナルにある航空会社ラウンジは以下の7箇所です。
KIXエアサイドラウンジ、KIXノースラウンジ、飛鳥、JALサクララウンジ、ANAラウンジ、KAL(大韓航空)ラウンジ、ラウンジパシフィック(休業中)
このうち、日系大手航空会社の直営であるJALサクララウンジは、ビーフカレーやたこ焼き、犬鳴豚のカツサンド、梅酒など地域色豊かなメニューを提供。関西地区からの海外旅行客から厚く支持されています。
ANAラウンジもJALサクララウンジと比べメニューの数こそ減りますが、特製のチキンカレーは人気が高く、また時間帯限定ではありますがプライオリティパスでの利用も認められているため、多くの利用者から重宝されています。
さらにいうと、出国審査場近くに作られる新しいビジネスラウンジ・プレミアムラウンジより、現在のJALサクララウンジ・ANAラウンジの方が搭乗口に近いため、搭乗開始時刻近くまで滞在できるという意味では一日の長があります。
それゆえ、仮にこの2つのラウンジがビジネスラウンジ・プレミアムラウンジに集約される形で閉鎖されるようなことがあれば、顧客満足度の低下につながりかねないのではということが言えます。
ただし、現時点ではJAL・ANA・大韓航空からラウンジ閉鎖に関するアナウンスは一切出ておらず、ひょっとしたら上に挙げたラウンジの一部はビジネスラウンジ・プレミアムラウンジの開業後も存続するのではという希望的観測もあります。
仮に、関西国際空港から大手航空会社直営のラウンジがなくなることがあれば寂しい限りですが、その場合でもビジネスラウンジやプレミアムラウンジが大手航空会社のラウンジを超える地域色豊かな美味しい料理やお酒を提供してくれることに期待したいものです。
長くなりましたが、関西国際空港開港30周年おめでとうございます。
この30年間は大震災、平成不況、SARSの流行、リーマンショック、コロナ禍など数多くの試練に見舞われた激動の時代でしたが、今後のさらなる発展に期待します。
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