ANAのB787-10国内線仕様機が凄い
はじめに
去る8月21日(水)、群馬県と東京都を訪問した復路に東京国際空港(羽田空港)から大阪国際空港(伊丹空港)行きの全日空(ANA)NH39便を利用する予定でしたが、この便は東京国際空港付近の雷雲発生の影響で欠航となりました。
振替先として案内されたフライトは、同日の関西国際空港行きNH97便。
この便は、何とANAが誇る最新鋭機ボーイングB787-10での運航でした。
B787シリーズでは最長(全長68.3m)の胴体がトレードマークのB787-10ですが、ANAは2019年4月26日から国際線仕様機を、2024年3月27日から国内線仕様機を順次導入中で、多くの利用者から好評を得ています。
そんなこんなで今回は、意外な形で初搭乗を果たしたANAのB787-10国内線仕様機に関するレポートをまとめてみました。
2024年8月21日、NH97便(東京国際空港→関西国際空港)
19時発大阪国際空港行きNH39便が欠航となったため、振替便として20時35分発関西国際空港行きNH97便に搭乗することになった私たち。
しかし、このフライトも雷雲による使用機材の到着遅れに加え、運航乗員の手配に時間を要したことで2時間以上遅延、たびたび搭乗口が変更された末、最終的に出発時刻は22時30分となりました。
所定時刻より2時間以上出発が遅れることが決まり、急遽搭乗を取りやめ翌日のフライトに振替を希望する人も少なからずいました。
また、翌日便への振替を希望せずNH97便への搭乗を決めた乗客たちも、関西国際空港からの鉄道やバスの最終便に間に合わなくなることが確定したわけですが、搭乗口前で待機していた乗客たちに特に大きな混乱はなかったです。
22時15分頃、搭乗口63より優先搭乗のグループ2で搭乗。
事前指定していた右主翼の横、窓のない32J・32K席に着席します。
写真は1列前・31K席の窓から撮影した右主翼。
ちなみに、夜間だったこと、なおかつ疲れきっていたこともあり、搭乗前に搭乗機の登録番号は確認せずじまいで、搭乗機がB787-10であることに気づいたのは恥ずかしながら機内に入ってからでした。
安全のしおりは先行して導入されたB787-8(2011年~)、B787-9(2014年~)と共通した仕様でした。
足元には充電用の汎用型コンセントが設置されており、離着陸時を除いて使用することができます。
コンフィギュレーションはプレミアムクラスが28席、エコノミークラスが401席の計429席、国内幹線の主力として1998年から活躍しているB777-300(プレミアムクラス28席・エコノミークラス486席 計514席)の後継機という位置づけです。
【参考】ANA・B787-10国内線仕様機の座席表
https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/prepare/seatmap/domestic/78k/
私たちが搭乗したエコノミークラスは、通路を挟んで横に3+3+3の座席配置。座席は軽量化された最新型のものが搭載されていましたが、座り心地は見かけ以上に良かったです。
この座席のセールスポイントは、先ほどご紹介した充電用汎用型コンセントと13.3インチのタッチパネル式個人用モニター。
エコノミークラスのものとして世界最大級の個人用モニターは操作もしやすく、プログラムも充実しており、短いフライトではありましたが存分に活用させていただきました。
個人用モニターの画面下にはUSBジャック、イヤホンジャックも設けられており、私物のイヤホンを携帯していない乗客が機内エンターテイメントを楽しみたい場合は、CAさんに申し出てイヤホンをいただく形になります。
写真はANA・B787-10国内線仕様機エコノミークラスの個人用モニター。
ずらりと並んだ個人用モニターの画面が、夜の機窓に反射する情景は何とも美しく、まさにSNS映えするのではと思います。
個人用モニターの画面。
日本語・簡体中国語・韓国語・英語・繁体中国語の5言語に対応しています。
国内線仕様の機体ではありますが、今後のリニューアルでもう少し対応言語を増やしてみても良いのではと思いました。
個人用モニターのメニュー画面。
機内エンターテイメントやナビゲーションマップ(マイフライト)のほか、読書灯やCAさん呼び出しボタンも個人用モニターの画面から操作する形になっています。
機内エンターテイメントとしては、映画、機内オーディオ、機内ビデオ、テレビ(SKY LIVE TV)、電子書籍(e-books)が用意されており、長編の映画については東京~那覇線のような長時間のフライトでは暇つぶしにうってつけかもしれません。
マイフライト機能からは、ナビゲーションマップのほか機外カメラからの映像を楽しむことができます。
機外カメラですが、機体前方からの映像と胴体下部からの映像の2つを楽しむことができます。
ナビゲーションマップも高解像度のものが搭載されており、操縦席や左機窓、右機窓、俯瞰などアングルを変えて閲覧することができました。
最新鋭機B787-10が、緻密なグラフィックで再現されています。
機内Wi-fiでアプリ「flightradar24」に接続し、搭乗機の機種と登録番号を確認。本日の搭乗機はB787-10(機体番号JA982A)でした。
なお、この日の飛行経路は東京国際空港→伊豆半島→渥美半島→志摩半島→串本→神戸沖→関西国際空港というルートでした。
深夜で空域もさほど混雑していないはずなのに、志摩半島上空から関西国際空港に直行せず、和歌山県南部まで迂回するルートを取ったのは少々意外でした。
NH97便は日付が変わる直前に関西国際空港に到着。
ホテルに向かうタクシーを確保すべく、足早に降機しました。
写真はブレてしまいましたが、機内前方に28席設置されたプレミアムクラス。
通路を挟んで横2+2+2列の座席配置となっており、タッチパネル式パーソナルモニターのサイズは15.6インチ。座席幅は127cmとなっています。
天候不良に伴う欠航による振替という、思ってもいなかった形で初搭乗を果たしてしまう格好になったANAのB787-10国内線仕様機。
欠航、振替、大幅な出発遅延、搭乗口の変更と振り回されて疲れきったなかではありましたが、自慢のパーソナルモニターや充電用コンセントをフルに活用し、満足することしきりの1時間半のフライトになりました。
B787-10国内線仕様機ですが、今後さらに増機される予定ということで、そう遠くないうちに東京(羽田)~大阪(伊丹)線で搭乗し、落ち着いてレポートする機会があればと思うばかりです。
結びに
2024年8月21日(水)、東京国際空港の雷雲発生に伴う大規模運航障害のなかで冷静かつ丁寧に対応してくださった航空各社・空港・タクシー会社のスタッフの皆様に、この場を借りて深く感謝の意を表します。