ふるさと納税

誰が考えたのか知らないけれどもすごくインチキ臭い言葉だ。

まぁたしかに「狭義のふるさと」に「納税」するのならばある程度すばらしいシステムと言えなくもない。

しかし現状はタチの悪い通販だ。

大抵の人は何らかの形で「納税」を行なっている。

もちろん憲法にも明記された「義務」なので「返礼」なんて概念は存在しない。

しかし「ふるさと納税」にはどういう訳だか「返礼」に重きを置かれている。

挙げ句の果てには「返礼代行業者」なるものまで存在する様だ。

実際問題「ふるさと納税」を募集する側は大手の通販業者が担っているケースが多い。

繰り返しになるが「狭義のふるさと」すなわち産まれ育った地域を離れて都会で働く人が産まれ育った自治体を応援したいという気持ちはある程度理解出来る。

この場合に限っては「納税」してもいいと思う。

いやむしろ「ふるさと納税」は出生地の自治体というか出生届の出された自治体というかそのあたりに限定するべきと思っている。

なによりも「ふるさと納税」と謳っておきながら制度上は「自治体への寄付」である。

そう考えるとやはり「返礼」があるのはおかしい。

災害が起こると当該自治体あての「ふるさと納税」が増えるという現象があるらしいが「ふるさと納税」してしまうと「返礼」しなきゃならないうえに業者の取り分があるので当然ながら災害が起こった自治体の手取りは少なくなる。

そこは普通に赤十字あたりに寄付するのが妥当だと思うし少なくとも税法上は「ふるさと納税」を行なったのと同じ扱いを受けることになる。

もちろん「返礼品」はないのでそちらが目当ての人はもうそうしてもらうしかないのだけれどもどうか「ふるさと納税」の根幹とも言える「国及び地方自治体」に対して行う「寄付」は特定寄付金として税額控除が受けられるのでしっかり領収証を貰っておいてほしいし特定寄付金には日本赤十字社など個別に指定されており当該領収証にはその旨がしっかりと記載されているはずだ。

この場合には会社などの法人が寄付する場合もほぼ同等の措置が受けられるしちなみにその場合には特定寄付金を指定寄付金と読み替える必要があるけどもつまりは災害があろうがなかろうが国や地方自治体や日本赤十字社なんかは常時寄付を受け付けているので寄付をする場合にはそこらへんのよくわからない募金箱に小銭を入れるのではなく然る組織の然るべき窓口を通じて一万円を超える金額を寄付した方がよりお互いに有用だということだ。

少し角度を変えて「行政サービス」って基本的に誰もが公平に受けることが出来るものである。

ゴミの収集だとか公共施設の整備あたりが代表例だろうか。

ゴミの収集あたりは一部有料だったりするのでややこしいところではあるけどもこれらの財源は「納税」である。

考えてみて欲しい。

あなたはAという自治体に住みAという自治体の行政サービスを受けている。

ところが「ふるさと納税」によりBという自治体へ寄付をすることでBという自治体から「返礼品」を受け取る一方でA自治体から「税額控除」を受けている。

つまりA自治体には直接納税することなくA自治体の住民としての「行政サービス」を享受しているということだ。

そこらあたりも充分に考えたうえで「ふるさと納税」を楽しむ人は楽しんで代行業者を喜ばせてあげて下さいね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?