生きづらさを感じる人が身につけておきたい『生きる技法』。
「何事も、自分でなんとかしないといけない。」
「自分が苦しいのを、誰かに打ち明けることができない。」
「常に、なにものかにならないといけないと思ってしまう。」
このnoteは、そんな方に「ここちよく、生きる」ためのヒントになるような書籍を紹介していきいます。題して「ここちよく、生きる選書」。
【僕のプロフィール】
1987年生まれ、長野県出身。パーソナルトレーナー。二児の父。
ベンチャー企業での社員時代にうつ病を経験。その後、独立。うつ病になった経験から、働くひとが幸せな人生を送るためのお手伝いをしたいと思い、健康経営顧問など法人向けのコンディショングサービスを提供している。
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第一回目は安冨歩さんの『生きる技法』と『あなたが生きづらいのは自己嫌悪のせいである』の二冊です。この二冊を読むことで、自分らしく生きるための具体的な態度と、自分らしく生きることを阻害する要因を知ることができます。
「良薬は口に苦し」という言葉の通り、この本が必要な人は、読むと拒絶反応が起きる可能性があります。ですが、読み進めて、実践してみると、ここちよく生きやすくなること間違いなし。
では、はじめていきましょう。
「助けてください」と言えたとき、人は自立している。
この本のコンセプトとなる、この一文。この言葉を読んで、「うん、うん、そうだよね」と、すぐに受け入れることができる人は少ないのではないでしょうか。多くの場合、「誰にも頼らなくて生きれるようになったとき、人は自立している。」と思うはずです。
ですが、本書には、依存先を少なくすればするほど人は従属し、依存先が増えるほど自立すると言っています。
それはなぜかというと、人は誰かに頼らないで生きていくことは不可能だからです。いくら経済的に一人で生きていけるお金を持っているとしても、食材を買うにはスーパーに依存しなければならず、どこかに住むということでも家を貸してくれる人や、建ててくれる人に依存をしなければ、生活ができないからです。
もし、山奥で自給自足の生活をすれば、誰にも依存することなく生きれるのではないかというと、そうでもなく、果実を育てる木や、動物に依存しなければ生きていくことはむずかしいのです。
この「依存先が増えることで、人は自立する」という原理を理解することがここちよく生きるための、第一歩になるでしょう。
とはいえ、「はい、わかりました。じゃあ依存先を増やしますね。」と、すぐに行動にできる話ではありません。
依存先を増やせないのにも、ワケがあるのです。
「自己嫌悪」が自立を遠ざけている。
多くの人が考える自立像である「誰にも頼らなくて生きれるようになったとき、人は自立している。」というものは、あなた自身が自発的に身につけた態度ではなく、親や社会から刷り込まれた態度であると言えます。
例えば、「お兄ちゃんなんだから、一人でおしっこにいきなさい」とか、「社会人になったら、親の頼りなく生活できるようにならないとだめだ」とか、このようなことは当たり前のように話されていると思います。
もちろん、何でもかんでも人に依存をして、与えられるのを待つばかりの態度は褒められたものではませんが、自立とは困ったときに一人で解決できるようになる大人になる、というイメージがついてくるのではないでしょうか。
そのような態度が身につくと、その自立像から外れる行為をした時に、自己嫌悪を起こすことになります。困って頼りたいと思っても、頼らない人が自立している人だという思いこみから、頼りたいと思った自分が悪いと思い、自己嫌悪を起こす。
このような悪循環が、人に依存する自立から遠ざけていきます。つまり、自己嫌悪という態度をしている限り、自立ができないことになります。
では、自己嫌悪という態度から離れるためには、どうすればよいのでしょうか。
「自愛」というコンセプト。
自己嫌悪とは、自分の感覚を否定する態度です。先ほど書いたように、「頼りたい」と感じたとしても、「頼る自分は自立していない」という自己嫌悪の態度が否定すると言った具合です。
この自己嫌悪という態度から脱却することはむずかしいと、著者の安冨さんは言っています。脱却ではなく、自己嫌悪から遠ざける態度をとるといいそうです。
その態度とは、「自愛」です。
自愛とは、鏡をみてうっとりするような自己愛(ナルシシズム)ではなく、自分のことを大切にする態度のことをいいます。
つまり、自分が感じたことをありのまま受け入れるということです。とはいえ、自己嫌悪は強力なので、頭でそうしようと思ってもなかなかできません。
では、どのようにすれば自愛に近づけるかというと、「身体に目を向ける」ことでそれが可能になります。
ストレッチをしてみる、マッサージをしてみる、呼吸を整えてみるなどして、身体がここちよい感覚を感じてみる。そこで得られた感覚を手掛かりに、自愛の態度を身につけていく。
このプロセスが自己嫌悪を遠ざけ、自愛を近づけていくそうです。そして、自愛の態度でいることで、依存先を増やす自立ができるようになってくるそうです。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
「助けてください」と言えたとき、人は自立している。
この原則が理解できると、「自分でなんとかしないといけない。」とか、「自分が苦しいのを、誰かに打ち明けることができない。」と言ったあなたの問題が解決するかもしれません。
その鍵となるのが、「自己嫌悪」と「自愛」の二つの態度です。自己嫌悪を遠ざけて、自愛の時間を増やしていく、それが自分らしく生きていくために必要なことだと教えてくれます。
今回紹介した『生きる技法』では、自分らしく生きるための「自立」「友だち」「愛」「貨幣」「自由」「夢の実現」「自己嫌悪」「成長」と言ったテーマについて知ることができます。
また、『あなたが生きづらいのは「自己嫌悪」のせいである。』では、生きる技法の自己嫌悪の部分をよりわかりやすく解説されています。
今、生きづらさを感じている方、ぜひ読んでみてください。
■ 書籍情報
生きる技法
安冨歩
青灯社 2012.11
あなたが生きづらいのは「自己嫌悪」のせいである。
安冨歩
PHP研究所 2016.8
編集後記
ここから先は、僕がこの本と、どのような状態のときにこの本と出会い、読んでどう感じたのか、そして、今の生活にどう生かされているのかと言った、リアルな部分を綴っていきたいと思います。
よりリアルに書きたいと思いますので、僕自身の心理的安全性を保つために有料にさせてください。カフェで「実はですね・・」と話をさせていただくイメージで、読んでいただけるとうれしいです。
実用的な話ではなく、リアルな体験を知りたい方はぜひお読みください。
この二冊を読んで得たこと
・自分の自己嫌悪の癖に気づくことができた。
・無駄に頑張らなくても、成果がでるようになった。
・人との関係性が深くなった。(合う人、合わない人が明確になった)
どん底の状態だった、『生きる技法』と出会ったときの僕。
『生きる技法』と出会ったのは、2017年の秋、うつ病の真っ只中でした。
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