LANYのコンテンツマーケティングを成功させた7つの施策
こんにちは。デジタルマーケティング支援会社LANYの代表の竹内(@take_404)です。
LANYは、コンテンツマーケティングによって事業成長をさせてきました。
社員3名かつ広告宣伝費を1円もかけずに下記のようなリード数を獲得しています。
オウンドメディアやYouTube、SNSなど多種多様なコンテンツマーケティング施策を実行しながら、いろいろな工夫をしてきました。
本noteでは、社員3名の会社が広告宣伝費を使わずにコンテンツマーケティングの力だけでどのように大量のリード件数を獲得しているのかの秘密についてご紹介します。
1. コンテンツ量産体制の構築
LANYは、多種多様なコンテンツマーケティング施策を実行しています。
直近1ヶ月で制作したコンテンツをまとめてみると次の通りです。
上記はコンテンツ数が多い月というわけではなく、大体どの月もこれくらいのコンテンツを制作しています。
しかしながら、コンテンツ制作はメイン業務がコンサルタントの社員2名が行っているため、決して潤沢なリソースがあるわけではありません。
そのリソース状況で定常的に多くのコンテンツが作れている理由は「コンテンツ量産体制」を整えてきたからです。
具体的には、次の2点を実行してきました。
制作フローは、次のような体制と役割分担で実施しています。
企画と制作以外の部分を切り出して任せることができるため、社員2名はコンテンツ制作だけに向き合うことができる状態です。
リソースがない場合には、自分たちにしかやれない業務を見極めて、それ以外を適切に任せるのが重要であり、コンテンツ制作でも同じことが言えます。
コンテンツディレクションしてくれてる優秀なインターン生の前田くんの下記のnoteもコンテンツマーケティングに携わる人であれば確実に参考になると思うので、ぜひ合わせてお読みください。
制作フローに加えて、コンテンツ量産の仕組みも整えました。
LANYでは、一つの情報を複数のプラットフォームに発信できる仕組みと運用を構築しています。
前提として、発信するプラットフォームごとに異なる方々がいるため、一つのコンテンツを一つのプラットフォームでしか発信しないのは機会損失であり、非常にもったいないです。
しかしながら、複数のプラットフォームにコンテンツの形を変換していくのは骨の折れる作業。
その作業をコンテンツ制作者が実行してしまうと新しいコンテンツ制作のリソースが奪われてしまい、結果的作成できるコンテンツの総量は減ります。
そこでLANYでは、下記のように役割分担をしました。
たとえば、次のような形でコンテンツを量産しています。
ブログ記事を作成(被リンクとは?17つの具体的な増やす方法)
YouTube動画に変換(【SEO対策】被リンク獲得の11の手法)
ホワイトペーパーに変換(被リンク獲得の17の手法)
メルマガのネタに変換
Tweetのネタに変換
その際に、ホワイトペーパーのスライド作成なども切り出して運用できると更に効率的です。
LANYもまだ最適な体制については模索中ですが、少しずつスムーズに良質なコンテンツを複数プラットフォームに発信できる状態が整ってきました。
限られたリソースをコンテンツのエッセンス部分の作成だけに使って、付随する業務をチームでサポートする体制が作れるとコンテンツマーケティングがうまく推進できると思います。
2. 認知用コンテンツと教育用コンテンツを混ぜて発信する
LANYでは、認知用コンテンツと教育用コンテンツを戦略的に発信し分けることを意識しています。
認知用コンテンツとは、LANYを知ってもらうために広い層に届けるコンテンツ。教育用コンテンツとは、既にLANYを知ってくれている層に、LANYを信頼してもらい、好きになってもらうために届けるコンテンツです。
たとえば、「SEOとは?」など広い層に向けて認知目的でコンテンツを作りつつ、「データベース型サイトのSEO戦略」のようなニッチではあるが特定な層には思いっきり刺さる記事を教育目的で発信するイメージです。
オウンドメディアのKPIを「セッション数」や「リード獲得数」に置いてしまうと自然と認知用コンテンツ(検索ボリュームが大きいもの)の優先度が高くなり、本当に刺さる教育系コンテンツが発信できなくなります。
同様にYouTubeでもチャンネル登録者数や再生回数を追いかけてしまうと見た目上の数字が取れるコンテンツばかりになってしまうでしょう。
コンテンツマーケティングの最終目的が「売上」であれば、認知用コンテンツだけを発信していても達成はされません。
発信するコンテンツに戦略を持たせて、認知用と教育用を良い塩梅で届けていくことが重要です。
実際にLANYでは、特定の層から狙った認知を取るために戦略的に発信をすることで成果に繋がった事例もあります。
ぜひコンテンツの発信に戦略を持たせ、認知と教育を織り交ぜて発信していくことをおすすめします。
3. 顧客の声からコンテンツを企画する
コンテンツの企画には、顧客の声が非常に参考になります。
どうしても検索需要や競合の保有コンテンツを参考に企画案を出しがちですが、「顧客の声」ほど参考になるアイデアの種はないです。
LANYでは、顧客の声をもとにコンテンツの企画を実行しています。
具体的には次のような箇所に顧客の声が落ちています。
たとえば、次のような形でコンテンツ制作に生かしています。
①商談にて「SEOの社内稟議が通しづらい」と相談された
→ オウンドメディアにて「SEOの社内稟議の取り方」を発信。
②お問い合わせにて「そもそもSEOに取り組むべきかどうかから悩んでいる」とお伝えいただいた
→ オウンドメディアにて「企業がSEOをやるべきなのかの判断基準と考え方」を発信
③ウェビナーのアンケートにて「サイトリニューアル時のチェックリストが欲しい」と言われた
→ リニューアル時のSEOチェックリストの作成検討
下記のように日々、こまめに顧客の声を拾って、コンテンツ制作のアイデアとしています。
特にBtoB領域では、顧客の真のニーズが検索行動などに現れていないことが多いため、実際の生の声からニーズを汲み取ることが重要です。
実際、顧客の声を元に作成したコンテンツは、一定の反響をいただけている肌感覚もあるので、コンテンツマーケティングにおいても顧客の声を拾い続けるのは重要であると信じています。
4. GIVEだけを考えた定期的なメルマガ配信
LANYでは、週2回のWeekly SEO(SEO情報の発信)とお知らせ関連のメルマガを実施しています。
メールは送る回数が増えすぎると購読解除が増えていく定説がありますが、LANYの数字感は次の通りです。
BtoBのメルマガの平均開封率が10〜20%と言われているので、個人的には高い数字を叩き出せていると考えています。
開封率を高めるためにテクニカル面で実施していることは「メルマガ配信後のTwitterでの告知」くらいです。メルマガの件名や配信時間などは全く科学しておりません。
それ以外は「良質なコンテンツをとにかく発信する」というGIVEの精神を持ち続けることを意識しています。
LANYのコンテンツマーケティングの全体方針(仮説)は、「良いコンテンツを発信し続ければ、将来的なソリューションの第一想起となれる」です。
メールマガジンでは最新情報をわかりやすくまとめたり、購読者の方が気になる内容を吸い上げて発信できるように工夫しています。
何か購読者から搾取をしようとは一切考えず、とにかく有益な情報を発信し続けている結果、単純接触効果的にもLANYへの信頼感が少しずつ上がってきました。
特にナショナルクライアントなど大きめの企業の担当者の方から商談時にメルマガについて言及していただくことが多いのも特徴的です。
彼らのようにたくさんの企業とつながっていて無数のメルマガが届いている方こそ他のメルマガと比較されて、我々のGIVEしかないメルマガを評価していただけていると感じています。
コンテンツマーケティングでは、直接的にコンバージョンを獲得しようとはせず、長い目で本当に有益な情報を見込み顧客の方々に届け続けるのが戦略的にもおすすめです。
5. 導入事例コンテンツの制作
最後に見込み顧客の背中を押すのが「導入事例」です。
LANYはこれまでコツコツと導入事例を作成してきましたが、やはり効果は相当大きいのではないかと感じています。
商談やお問い合わせ時に見込み顧客の方と類似の事例をお送りできることで、「LANYにコンサルティングを依頼すれば成果が出る」というイメージを持っていただけているはずです。
導入事例を作るために意識してきたことは、以下の2点です。
そもそも成果が出ていなければ事例にはなりませんし、お客様と真摯に向き合い続けて良い関係性が構築できていなければ、事例を作成させていただくことはできないでしょう。
事例記事はその会社の「成績表」に近いです。
LANYでは、より多くのお客様がLANYの実力を判断できるようにサイトタイプ×サイトモデルに切り分けて、事例コンテンツの制作にもある程度目指す方向を作っています。
また、信頼性を高めるために従来は「成果ベース」の事例記事を作成してきましたが、現在は「取り組みベース」の顔出しインタビュー形式の記事も作成しています。
実際に、事例コンテンツを見て「同じ課題感があるから、LANYなら解決できるんじゃないかと思って。」とお問い合わせくださった方もいたので、確実に効果的なコンテンツマーケティング施策でした。
6. サービス概要資料を細かく磨き込む
サービス概要資料の磨き込みも頻繁に行ってきました。
デザインにはあまり拘れていないのですが、コンテンツ内容は、お客様が知りたい情報が網羅されているか?わかりやすいか?という点を意識して頻度高く資料をブラッシュアップしています。
LANYでは、何か問題が起きたら「仕組み」を改善しようという話になるため、お客様からのご質問やご要望がきたら「サービス概要資料」や「サービスLP」の大元の仕組みを改善する動きをしています。
たとえば、プランがサポート期間とサイトタイプで提供するコンサルティングが異なることが伝わりづらいと感じたら、下記のようにパッと見てわかるように工夫をしたり、
オウンドメディア運営代行プランの具体的な施策内容や工数感が見えないとお客様からご質問をもらったら、次のようなイメージスライドを用意したり、
クローズドプランですが、SEOアドバイザリープランのサポート範囲で何が可能で何が不可能かが分かりづらいとなれば、次のような○×イメージを作ったりをしてきました。
社員3名で専任の営業担当がいない我々だからこそ、自分たちの代わりに営業をしてくれるサービス概要資料はこれからも丁寧に磨き込んでいきます。
7. あえて数字を追いかけすぎない
LANYのコンテンツマーケティングでは、あえて数字を追いかけすぎないようにしたのも振り返ると良い一手だったと感じます。
デジタルマーケティングは、細かい数値データが取れるため、丁寧にモニタリングをしたり分析に時間を割きがちです。
しかし、我々のようなリソースが少ない会社であれば、細かい分析のような「仕事のための仕事」をしていたら肝心のコンテンツ制作のリソースが削られます。
だからこそ、LANYでやっているのはモニタリングや分析ではなくN=1の顧客の声から仮説を出すことですし、振り返りについても月次や四半期単位での「自分たちがやってきたことが正しかったかどうか」を考える程度です。
また、コンテンツマーケティングは精緻なアトリビューション分析ができない限り、安直な定量分析をしてデータを出す方が間違った方向に進む可能性が高くなるとも考えています。
なぜなら、とあるコンテンツに接触したことが将来的なお問い合わせに寄与していることをデータから出すのは非常に難しく、単純なデータ分析をしただけでは本当は重要な役割を果たしているコンテンツも不要であるとみなされてしまうでしょう。
だからこそ、データに頼るのではなく顧客の声や事業の最前線で戦っている自分たちの感覚を大事にしてコンテンツを企画する方がよっぽど筋が良くなるはずです。
数字を追いかけるのはもちろん大事なことですが、数字を追いかけることが目的になってしまったり、間違ったデータで正しくない意思決定をしない工夫はしたいものです。
まとめ
LANYがコンテンツマーケティングで実施してきてよかった7つの点をご紹介してきました。
コンテンツ量産体制の構築
認知用コンテンツと教育用コンテンツを混ぜて発信する
顧客の声からコンテンツを企画する
GIVEだけを考えた定期的なメルマガ配信
導入事例コンテンツの制作
サービス概要資料を細かく磨き込む
あえて数字を追いかけすぎない
LANYはコンテンツマーケティングの力を信じていますし、今の時代では強力な武器になることは間違い無いと思っています。
ぜひ少しでも参考になっていれば幸いです。