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コンテンツが飽和したBtoBマーケティングの世界では、何が重要になるのか

株式会社LANY代表の竹内(@take_404)です。

2024年も、BtoBマーケティングにどっぷり浸かってきました。LANYの2024年のBtoBマーケティングの施策のいくつかをまとめると次のとおりです。

・ウェビナー:30回
・メルマガ:301通
・YouTube:72本
・ブログ:72本
・ホワイトペーパー:26本
・書籍出版:1回
・展示会:2回

2024年1月には社員が7名しかいなかった会社にしては、それなりの量をこなせた気はします。

本noteでは、2024年を通して自社および多くのBtoBマーケティング施策を見ながら感じた点を、主観でまとめます。

BtoBのコンテンツが飽和した

BtoBマーケティングにおけるコンテンツは飽和しました。

イノベーター理論で言うところのキャズムを超え、ほとんどの企業がコンテンツマーケティングへの投資を行っています。

ブログやホワイトペーパーといった鉄板のコンテンツに加え、ウェビナーやオンラインカンファレンスといったアフターコロナで大流行したコンテンツも増えてきました。

また、BtoB企業のYouTube参入も2024年でもいまだに増え続けています。

コンテンツが飽和している世界では、誰にでも作れるようなコンテンツの価値が極めて下がっています。

これまでは、それなりのホワイトペーパーを作成すれば、多くの方がありがたく受け取ってくれていたかもしれません。

しかし、今では無料で素晴らしいコンテンツがもらえるのは当たり前の世界になっているため、逆にイマイチなホワイトペーパーを展開したらマイナスに働く可能性すらもあるでしょう。

コンテンツが飽和してきているBtoBマーケティングの市場において、いわゆる「教科書的なコンテンツ」で「気合いの入っていないもの」は、これ以上必要ない時代です。

その状況の中でBtoBマーケティングは何に投資をしていくべきなのか、まだ自分の中で明確な答え合わせはできていないですが、現時点の予想を書きます。

BtoBマーケティングで何が次に重要になるのか

コンテンツが飽和した状態で重要になるのが「ブランドコンテンツ」だと予想しています。企業や人の "スタンス" や "思想" が反映されたコンテンツを指し、いわゆる note で発信されるようなコンテンツです。

たとえば、LANYで言えば次のようなnoteです。

生成AIに思想やスタンスはなく、本領域は人間ならではの犯されることのない一つの領域だと信じています。ストーリーテリングとも呼べるかもしれません。

ブランドコンテンツが重要になると思う理由の一つに、BtoBの購買プロセスにおける「非合理な意思決定」があります。

BtoBの購買プロセスでは、顧客は想像の何倍も非合理な意思決定を行います。価格や性能といった機能的価値だけでなく、企業のスタンスや担当者の人間性といった情緒的価値も重視した意思決定が非常に多いです。

自分自身の意思決定を振り返ってみても、その企業が好きか、その担当者が信頼できるか、といった定量的かつ言語化できない "雰囲気" を重視していことがわかります。

BtoBの商材にもよりますが、表面上の機能的価値は、コモディティ化してきています。逆にコモディティ化していない本当の意味での "ベネフィット(差別化ポイント)" は、契約前の顧客には高尚すぎて伝わらないものです。

そのようなジレンマを抱えるBtoBの非合理な購買プロセスにおいては、ものすごく抽象度を上げると "ブランド" が極めて重要だと捉えています。

いわゆる想起集合(よく知っていて、好きな選択肢)に入っているか否かが選ばれるブランドになれるかどうかの明暗を分けます。

参考:https://note.com/ikedanoriyuki/n/n36cf5cb14fc3

上の図のように、想起集合に入るには、知名集合(知っている)に入り、処理集合(よく知っている)に入った上で、想起集合(好意を持っている)ことが重要になります。

逆に言えば、知られていない、かつ、好意を持たれていない場合には、非合理なBtoBの購買プロセスにおける勝率はグンと下がります。

よって、想起集合に入っていくことが重要だと捉えていますが、そのために有用なのが「ブランドコンテンツ」です。

情報過多の現代では、人々は「読むべき理由」「見るべき理由」のないコンテンツに時間をかけません。コンテンツに強い思想があり、その人やその企業にしか伝えられないコトが得られなければ、人々に届きません。

その人や企業のスタンスや思想をきちんと言語化し、受け取り手に合わせた編集を加えた上での発信を行った上でターゲットに届けることによって、認知され、そしてその思想に共感した方々から好意を持たれて、想起集合に入る確率が高まります。

その結果として、非合理な意思決定が行われるBtoBの世界で勝つことのできる会社になっていくように思います。

実際に、LANYでも「noteでのコンサルタントのスタンスを見て御社にお願いしたいと思って連絡しました」と言ってくださった方もいました。これがブランドコンテンツへの投資をしたいと思った一つの原体験となっています。

ブランドコンテンツを創り、適切に発信をすることで、好意を持ってくださるいわゆる "ファン" を増やしていくことが、コンテンツが飽和した現代社会のBtoBマーケティングでは重要になるのではないでしょうか。

LANYでも、2025年はブランドコンテンツへの投資を強化する予定です。

会社としてのスタンスや思想を言語化し、きちんとした編集も行った上で世の中に発信をしていくことで、多くの見込み客の想起集合および第一想起を目指します。

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