Matterに対応したTapo H110ハブは、”コスパ最強のジェネリックSwitchBot”?【#SmartHomePicks】
TP-Linkのスマートホームブランド”Tapo”から、新たなスマートハブ”H110”が発売されました。
赤外線での家電操作への対応や、TapoデバイスのMatterへのブリッジ機能の搭載など、SwitchBot ハブ2のような製品です。
それなのに、SwitchBot ハブ2の定価 9,980¥を大きく下回る、3,980¥。スマートリモコン業界としても、かなり安価な部類です。
”ジェネリックSwitchBot”ともなりうる、H110。
今回はMatterの使用感のレビューなどを主に、スピードの比較などをしていきます。
開封
まず、パッケージはこんな感じ。
Matter Certifiedなので、もちろん、パッケージにMatterロゴが印刷されています。
壁に取り付ける際の両面テープと、USB-A to Cの電源ケーブルが付属します。
電源アダプターは付属しないので、自分で用意する必要があります。
5V 2A、(=10W以上)が必須となるため、持っていない場合は用意する必要があります。
こちらが本体。
上部は黒い光沢プラスチックで覆われており、静電気でほこりや付きやすいのがちょっとマイナスポイント。
左側面にはSyncボタンがついており、手動でアクセサリをペアリングする際に使用します。
前面にはスピーカー。詳しくは後述しますが、遠隔でチャイムを鳴らすことができます。
背面には、ネジで壁に取り付けるための穴が空いています。
電源はUSB Type-Cから給電します。
接続してみる
では、実際に接続をしていきます。
H110の本体にはMatterペアリング用のQRコードが印字されていないので、まず、Tapoアプリでセットアップをする必要があります。
H110の電源を入れてから、Tapoアプリを開くと自動的にセットアップ画面が表示されるので、指示に従って続行していきます。
設定ウィザードの流れはこの手のデバイスとおおむね変わらず、名前や設置場所を設定したらおしまいです。
H110のメニュー右上の設定画面内、”Matterに紐付け”から、Matterの設定コードを表示できます。
HomeKitへの追加も、従来のハブと同様に進めればOK。設定の流れはおおむねわかりやすいイメージです。
試しに赤外線リモコンを追加してみると、自動的にHomeKitに反映されました。
ほかのMatter対応ハブとは異なり、Matter連携の設定をしなくても反映されるので、手間が1つ省けます。
また、Matterの接続台数の制限については表記が見られず、もしかするとH110に接続できる上限(最大で64台)までMatterに連携できるかもしれません。
センサーデバイスを一緒に買ってフル活用しよう
Tapo H110は、単体では赤外線リモコン機能以外の活用法があまりありません。
Tapoシリーズのセンサーデバイスと一緒に使うことで、H110のMatterをフル活用することができます。
今回は、スマート温湿度計”T310”と、開閉センサー”T110”をあわせて購入したので、実際にH110に接続してみました。
ペアリング自体は簡単で、H110のセットアップと同じ要領で、接続ウィザードにしたがってハブと接続するだけ。
自動的にMatterへ認識され、他のデバイスと遜色なく使うことができます。
また、TapoシリーズのアクセサリはBLEなどの既存の通信プロトコルでなく、Sub-1Ghzのワイヤレス無線が使われているので、長距離通信が安定しやすいのも特徴です。
実際の使用感
H110は、発売時よりMatterに対応。
実は、前モデルのH100も、ひっそりとMatter対応予定というアナウンスが流れていましたが、TP-Linkにとっても、H110が本命のMatter対応ハブなのかもしれません。
何年も開発中の機能を、あたかも発売時から対応しているかのように謳う企業もあるなかで、発売当初から対応しているあたりは、さすがTP-Linkといったところでしょうか。
Matterの速度はかなりスピーディー
簡易的ながら、SwitchBot Hub2とH110の、赤外線リモコンの応答速度を測定してみました(測定方法はこの項の下記参照)。
SwitchBot ハブ2とは大きく差をつけ、1秒に満たない0.2秒台という結果となりました。
ここまで応答速度が速いと、まるで元からHomeKit対応のデバイスを操作しているような感覚になります。
ただ、開閉センサーの応答速度ではSwitchBotとの大きな差は見られませんでした。
もしかすると、センサーデバイス系は速度が頭打ちになっているのかもしれません。いずれにしても、SwitchBotと遜色ない速度であることは確かです。
センサーを何台も接続した際に、パフォーマンスが低下する可能性がありますが、もしもこのスピードを維持できるのなら、本当にスマートセンサー系ハブをぜんぶH110にまとめることができるかもしれません。
赤外線リモコン機能はアップデートに期待
ひとつ気になったのは、赤外線リモコンが、エアコンを除いてすべてMatter上では照明デバイスとして認識されるところ。
Matterの仕様上、テレビやファンには元から対応しているので、今後対応してほしいところです。
また、リモコンを手動で登録した場合に、ボタン配置を自由に決めることができない点や、Matterに反映されるものの、電源ボタンの割り当てが設定されていないために、実際には操作が反映されない点もマイナスポイント。
いずれも、アップデートにて解決ができそうなポイントなので、今後のアップデートに期待ですね。
チャイム機能は使い道が微妙?
Tapoのハブシリーズには、アプリやTapoのスマートボタンから、遠隔でチャイムを再生できるスピーカーが搭載されています。
広い家で人を呼び出したいときや、介護時のナースコール的な使い方が思い浮かびますが、そのような使い方をしないのであればあまり活用法はありません。
チャイムの選択肢にはサイレン音などがあるので、防犯チャイムとして使える程度でしょうか…。
チャイムの選択肢も決して多くはないので、あまり活用法が浮かばない機能です。
まとめ
TP-Linkから新登場したスマートハブ”H110”を試してみました。
前モデルのH100から、新たに赤外線リモコン機能を搭載し、順当な進化を遂げたH110。
個人的には、ようやくMatterのスマートリモコンがベーシックになってきたという感覚でしょうか。
今回は、HomeKitに接続する前提で紹介しましたが、もちろん、AlexaやGoogle Homeに接続することも可能です(従来の連携方法を使うこともできます)。
SwitchBot ハブのどのモデルよりも安く、欠点や不具合も特にみられないため、はじめてのスマートリモコンとしても一番おすすめできるモデルです。
センサーアクセサリのラインナップは、まだまだ不足感はあるものの、徐々に拡充されてきています。
またMatterの接続台数に特に制限もないため、拡張的なスマートホームを構築している人にもオススメできます。
2024年のAmazonブラックフライデーでも、3,380¥という破格で販売された実績があります。
Tapoシリーズのスマートセンサーなどを活用するのに必須なハブとなるので、1つは買ってみてもいいかもしれません。