消えたAB
私には、50年来の友人が、今でも飲みに行ってばか騒ぎをしている友人が3人いる。彼らとは小学校から高校迄ずっと同じで、中学時代はバスケット部の補欠組で共に汗を流す・・程練習はしていないが、それぞれ趣味も仕事もバラバラだが、何故か気が合う、一緒にいて安心できる楽しい仲間である。
いつも飲みに行くと同じ話で盛り上がり、なかでも「奇跡の四人!」というタイトルの話は四人のなかの一人のお気に入りの持ちネタになっており、スナックのお姉さんや、ゲスト参加している別の友人に嬉しそうに、そして満足そうに毎回話している。
どういう話か簡単に説明すると、私たち四人はたまたま血液型がバラバラでA.B.O.ABがそれぞれのいい個性を出しているという話でそれをちょっと自慢気に話すB型を見ているのがA型の私には心地よい時間であった。が、しかしAB型の発言にA.B.O.はあっ気にとられた!中でもB型はショックを隠しきれない様子だった。もうその話がB型の持ちネタになってかなりの年月がたっているので、何で今さらとういう告白だった。
いつものようにB型が「奇跡の四人!」の話を仕掛けた時、AB型が「つい、こないだ知ったんやけど、俺AB型やなくて、A型やったわいやぁー!」50過ぎたおっさんが自分の血液型を把握していない、いや、思い込んでたって、こんなことってあるだろうか?
AB型だと思っていたA型の漢(おとこ)曰く、両親も妹もAB型で母親から、あんたもAB型と聞かされ50年以上そうだと疑いもしなかったが、先日、肩の手術を病院で受けるにあたって、問診票にAB型と記入したのだが、看護師さんからA型の間違いだ。と指摘され初めてA型だということをビックリしながら理解したらしい。
B型が何でやねんという表情で、「お前、頼むからAB型のままにしといてくれ!」と真実をねじ曲げるムチャなお願いをしていた。
この時からもう10年近くたっているが「ムチャなお願いをしていた。」というオチを付け足し、B型の新たな持ちネタ「新、奇跡の四人!消えたAB」が生まれた瞬間だった。
相変わらず、今でも飲みに行くとB型の口から流暢に奏でられるこの「消えたAB」はしっかりと定着している。