ヨーロッパ珍道中(前編)
約30年前、20代後半のころ、洋菓子職人だった私は、勤めていた会社から、同じく40代の課長と2人、チョコレートの研修のため、ヨーロッパに2週間の旅行に参加した。
全てを書くと長くなるので、課長と2人でスイスへ行った時の話は後編で!
この度の研修旅行は、10日間がベルギーの世界トップクラスの有名なチョコレートメーカのアカデミーでの研修で、4日間がフランス探索の予定であったが、15人位参加していたメンバーは、有名店のオーナシェフがを中心に
そうそうたる顔ぶれで、当然私はその中で1番の若造で、ちょっと浮いてたように思う。
私と課長はフランス4日間の予定のうち、2泊3日は2人っきりで、社長の命令でスイスに行くことに。最後の1泊だけフランスという感じであった。
まずはベルギー、ここでは毎日、アンティークな手動式のエレベーターのあるホテルと膨大な敷地の中にあるチョコレート工場を毎日決まった時刻に送迎バスでの往復、工場見学とアカデミーのカリキュラムをこなすという観光目的のツアーではないのは承知していたが、ヨーロッパ旅行というわくわく感など全くない実に・・・・な、ベルギー滞在期間であった。
アカデミーの内容は私でさえ、なんで今更と思ったほどなので、他のベテラン職人は、なおさら感じていたに違いなない。
昼食は社食で、晩御飯はホテルのシェフが腕を振るってくれたのだが、私の口には合わない、ウサギやカエルやハトといったジビエが中心のしかも肉にフランボワーズジャムがかかっているといった具合で、完食するのに必死だった。今、食べるとおいしいと感じるかもしれないが。
食事を終えた後は、毎晩近くの決まったバーに出かけて酒を飲むという、
しかも私は毎回チェリービールを頼むので、短い期間ではあったが、田舎街のちっさなバーの常連客として四日目くらいからオーダーしなくてもでてくるようになっていた。同伴の課長は酒が飲めないので、コーヒーを頼むのだが、初日に関西の喫茶店ではお馴染みの「ホット」といって、皆にからかわれていたがいたが、ヨーロッパ慣れしているツアー参加者に、うそかほんとか、指を顔の横でパッチと鳴らして「カヒィ」って言うんですよ。課長は照れながら言っていたが、確かに通じていた。コーヒーが大好きな課長は飛行機内でもレストランでもとにかくカヒィを頼むので、すっかり指パッチンと「カヒィ」がいたについてきた。
この10日間ずっと同じ場所にいたので、ヨーロッパ感は全くなかったが、ベルギー最終日はブリュッセルの観光で、小便小僧やワッフル、Godiva本店などをまわりようやくベルギーにいると実感した。後編へ続く・・・・・・