幻(まぼろし)のプレミアカード!!
1970年代、カード収集が流行っていた。
私は仮面ライダースナックについているカードとプロ野球スナックについている選手カードを集めていた。
今日はプロ野球カードの思い出について書こうと思う。
そのころのプロ野球界といえば、王、長嶋の時代で私が好きな阪神タイガースでは、江夏、田渕、藤田平などで,人気選手は当たりやすく、何枚も同じ選手が重なった。阪神の選手が当たる確立はなかなか高いのだが、地味な選手はなかなか当たらない。#4 川藤、#24遠井吾郎は当たらないというより、
そもそも無いのではないか?と思っていた。助っ人外国人のカードは非常に珍しく、阪神では#31カークランドが当たる確立は0%に近いんじゃないかという感じだった。しかし、広島の外国人選手?が当たった。
一人でもしゃべってしまうと噂は一挙に広がった。明くる日学校に行くと2年生だった私の前に大きな身体の5,6年生が立ちふさがった。「この子や!外国人カード当たった子や!」と一人の少年に指さされた。
別の少年が「悪いけど、明日持ってきてくれへんかなぁ、」気に入ったカードがあったら、かえっこしようや、なぁ」と、私は、小さくうなづいた。ちょっぴり怖かった。
明くる日、高学年の少年達は教室の前で待っていた。私に気付くと、廊下を走り(廊下は走ったらダメ!!)私は囲まれた。ギラついた目で少年が「持ってきてくれた?」と、うなづいた後、ポケットからカードを出した。その瞬間、大きな声で『なーんや!キヌガサやんけ。』何を言っているのかよくわからない。『確かに小さい子には外人に見えてもしゃあないか。』外国人ではないと、教えてくれ、ありがとうと言いながら#4川藤幸三のカードをくれた。キヌガサのカードはいらないらしい。なんてイイ人や!
高学年達が走っていた廊下をゆっくりと歩いて去って行く。最初に私に接触してきた上級生は後頭部をぺしぺし叩かれていた。(軽く)。
後にキヌガサが偉大な鉄人カープの衣笠祥雄だと、知る。