「5年後も、僕は生きています ⑪人生トラブルを乗り越える、3つの道」
⑪人生トラブルを乗り越える、3つの道
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⑪人生トラブルを乗り越える、3つの道
会社に行って「11月末に退職です」といわれた夜(2017年10月)、布団ので頭の中にはいろんな言葉が駆け巡ってました。
おそらく僕は11月末で会社を辞めることになるだろう。
そのあとの生活を、自分で作っていかなければならない。
もう、会社には頼れない。
これからはひとりで稼いでいかなくてはならない。
少なくとも次男が大学を卒業するまでのあと2年、なんとかしていかなくては…。
しかし…
肺癌ステージ4の次は、会社クビかよ…
そういえば、脳転移が見つかって緊急入院が決まった翌日、会ったフジコさんが言っていたっけ。
「刀根くん、これはマスターレベルのことなのよ…いきなりステージ4とか、いきなり脳転移とか…」
うむむ…
確かに肺癌ステージ4からの生還はマスターレベルの試練だったな…
でも、それからたった3か月で、生活の基盤を全て失うような今回の出来事も、相当なレベルの試練だな。
僕の魂の計画はなんて過酷なんだろう。
我ながら、嫌になる。
ひとつの人生に、試練を詰め込みすぎだよ!
せめて、1回ずつにしてくれよ!
あるいは、もうちょっと間を空けてくれよ!
いやいや、悩んでいても仕方がない…
何とかしなくちゃ。
ガンになる前の僕なら、必死で出来ることを探し、計画し、行動を始めたでしょう。
一般的に、不安を解消する手立てはいくつかあります。
ひとつ目は、不安を感じる項目を列挙して、それに対して徹底的な対策を取ることです。
つまり、不安を対策でつぶしていくという道です。
Plan(計画)、Do(行動)、Check(検証)、Action(修正)。
主にビジネスではこのPDCAのサイクルをまわすことが良い仕事をすることだと言われているし、僕もそう思っていました。
問題点を探し、対策を計画し、日程を考えて、対処する。
考えろ、考えろ、考えろ!
思考を止めたら、死んでしまうぞ!
僕はそうやって「ガン」と闘い、そして完全なるKO負けをしました。
だから、今回は最初からこの選択は「なし」でした。
だって苦しいだけで、うまくいかないことが最初から分かっているからです。
ふたつ目は「楽観的」に物事を捉えることです。
人は物事を「ネガティブ」に捉える癖があります。
これは人類が石器時代から生き残る上で得てきた「特性」です。
物事を「楽観的」に捉えて準備を怠る人よりも、「悲観的」に捉えて警戒し、きっちり準備する人の方が「生き残る」可能性が高いからです。
だからそういう「悲観的」な遺伝子(DNA)を持った人たちが生き残り、僕たちのご先祖様になったわけです。
ゆえに僕たちはみんな「悲観的」な人たちの子孫で、そういうパターンを生まれながらに持っているのです。
僕たちの思考のおおよそ8~9割はネガティブな思考だと言われているほどです。
でもこの思考習慣を続けるということは、ご先祖様たちが生きていた石器時代や縄文時代と違い、現代社会ではとても疲れます。
現代社会は石器時代と違い、いつも常に仕事やストレスで「不安」「恐れ」あるいは「怒り」などのネガティブな感情を感じさせる出来事がたくさんあるからです。
ですからこの思考習慣は、僕たち現代社会に生きている人間にとってストレスフルになってしまうのです。
ガンは生活習慣病です。
遺伝性のガンは5%くらいしかないと言われています。
その生活習慣を作り出すのが「思考習慣」です。
「不安」「恐れ」怒り」などを感じやすければ感じやすいほど、心の中に摩擦を作り出し、ストレスという摩擦熱に自分自身が苦しむことになるのです。
まあ、それはい置ておき…
それに対抗するために生み出されたのが「ポジティブ・シンキング」です。
「たまたま運が悪かった」「次は大丈夫」「私のせいじゃない」この三つが「楽観的ものの見方」、いわゆる「ポジティブ・シンキング」の特徴です。
まずは「普遍性」
つまり「いつも」じゃない、「たまたま、運が悪かったんだよ」と自分に納得させる。
だから「次は大丈夫」。
次は「時間軸」
今回は失敗したけど、それは今回だけ。
未来は決まっていない、いや、未来を創るのは自分自身だ。
だから「次は大丈夫」。
最後は「他責」
こんなことになったのは「私の責任」じゃない。
運が悪かった、いや、状況が悪かった、いやいやそもそもあいつのせいだ(笑)、など、自分以外の誰かや何かの責任にして、背負ったものを下すこと。
僕もそのときやってみましたが…
「たまたま運が悪かった?」
いや、運が悪いどころじゃないでしょ。
「次はうまくいく?」
“次”が思い浮かばない…
「私のせいじゃない」
まあ、たしかに僕のせいじゃないけど…
だから何なんだよ!
「ポジティブ・シンキング」じゃ僕の悩みに答えは出ませんでした(笑)。
実は「ポジティブ・シンキングは「ネガティブ・シンキング」とエネルギーの両端なのです。
どこからポジティブで、どこからネガティブなのか、そこは杭切りや境界線ががるわけではありません。
グラデェーション(色合い)なのです。
そして、人はいつも「ポジティブ」だけに意識を集中していることは難しいのです。なぜなら、僕たちは「悲観的遺伝子を色濃く持っているからです。
いつのまにか「ネガティブ」に取り込まれえれてしまう…
「あ!」
と気づいて
ダメダメ、ポジティブに考えなきゃ、ダメなんだ!
と、無理やりポジティブに持っていく…
これは、エゴでエゴを押さえつけ、コントロールしようという行為です。
これは、疲れます。
ポジティブ・シンキングは疲れるのです。
仕事や日常のこと、あまりストレスフルでないことなら、ポジティブ・シンキングでも充分に対処することが出来るでしょう。
ある程度の範囲であればポジティブ・シンキングは有効な対応手段です。
でも、僕のガン体験のように「「生きる・死ぬ」という瀬戸際にまで追い詰められたら、ポジティブ・シンキングはあまり役に立たないのではないかと、体験的に思います。
僕は、ガンからの生還体験でで学んだことがありました。
「PDCA」や「ポジティブシンキング」ではどうにもならないことがある、ということを。
「PDCA」や「ポジティブ・シンキング」じゃほんとうのピンチは乗り越えられないのです。(まあ、ほとんどの場合は乗り越えられるかもしれんが、この2つの道は結構疲れます)
ではでは…それを乗り越えるもうひとつの道…
それは、「明け渡し」「サレンダー」だ~!
自分の希望や判断や執着、そういったものも全て明け渡し、自分を超えた「大いなるもの」、「全体」「宇宙」に“降参”し、“お任せ”する、という道。
サレンダーすると、自分の思惑を超えたところで何かが動き出し、予想外のことが起こってくる。
それがどこにつながって、その結果、自分がどうなるかは分からない。
でも、その“流れ”を信頼する。信じるんじゃなくて、信頼する。
それが、「明け渡し」であり「サレンダー」です。
そういう道があることを、僕は体験的に知っていました。
そのとき(2017年10月末)、僕の魂は
「もう一度、サレンダーを別の事柄で体験しなさい」
と目の前に連れて来たのです。
何度も書きますが、そのときの(2017年11月)僕の自我(エゴ)は、この出来事は「不安」「恐れ」「犠牲者意識」などに巻き込まれて、まったく歓迎できない「出来事」だったんですけれどね(笑)。
いまだから、笑って振り返ることが出来ます、
すべては「自分が決めて、自分で創り出している」ということなんです。
そこには責める相手も環境も文句を言う対象もないのです。
なー~んだ、
ははは~っ(笑)。
⑬へつづく
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★新刊です。
自分の魂の声が聞こえずに、何をどう生きたらいいのか分からない人は、ぜひ読んでみて下さい。
このような方におすすめします。
①いまの自分が「ほんとうの自分」を生きていないような気がする
②不安や恐れがあたまから離れないときがある
③「ねばならない」で苦しくなる時がある
④自己否定感の渦に落ちしまうことがある
⑤評価や持ち物などに執着して苦しくなる時がある
⑥「心の平安」や「ほんとうの自分」は何か知りたい