ステロイド長期服用の「効果」と「反動」
ステロイドについて、 僕自身の体験を振り返ってみたいと思います。
2017年7月に肺がんが全身に転移し、脳に3cm大の腫瘍ができました。
その治療のため、 放射線を複数回照射し、腫瘍は真っ黒な塊となり、活動を停止しました。
しかし 2年後の2019年の6月頃から、放射線治療をした脳の周辺が原因不明で腫れ始めたので、腫れを抑えるべくステロイド剤の「デカドロン」の服用が始まりました。
最終的にステロイドでは脳の腫れは収まらず、2023年3月に開頭手術をして原因となっていた一部の脳を切除しました。
それを機にステロイドを止めることになりました。
しかし、ステロイド剤を4年以上使い続けたことで「俺、働かなくていいもん」と完全にお休み状態になっていた副腎が、すぐには動き始めることはできません。
ステロイドを急激にやめると、心臓系に負担がかかり、 心筋梗塞になる可能性もあります。
したがってステロイドを止める時は、その量を徐々に減らしていく、「減薬」という方法をとります。
僕はステロイドを服用していた期間も長く(4年半)、飲んでいた量もそれなり(ドクターからは入院レベルと言われていた)にあったので、 時間をかけて減らしていく必要がありました。
そして減薬が進み、今年の1月からステロイド剤が「デカドロン」 から「コートリル」に変更になりました。
「コートリル」 は「デカドロン」よりも弱い薬で、持続時間も短いため、減薬する際に使う薬のようです。
僕は「コートリル」 に変えた途端に強烈な減薬リバウンドが始まり、 3月末までは体が常にだるく、 体を起こしていることすらできず「やっと、生きている」という状態になってしまいました。
そして徐々に回復し、コートリルの量も減り始め、 少しずつ動けるようになったところで、9月に脳への再発が見つかり、放射線治療(ガンマーナイフ)を 行ったのですが、脳に放射線を当てるということで、久しぶりに「デカドロン」を2週間ほど飲むことになりました。
久々に「デカドロン」を飲んで感じたこと。
「身体が動く! サクサク動く! ぜんぜん疲れない!」
それまで感じていた「だるさ、 体の重さ」 これが一気に消えて、超スーパー元気になりました。
それはまるでドラゴンボールに出てくる「仙頭」でした。
ということで、 元気だった時に比べ、信じられないほど少ない回数ですぐにヘロヘロになっていた僕は、筋トレの回数を増やすことにしました。
今までは10回でヘロヘロになっていた腕立て伏せ(ひざ着き)が、あっという間に30回スイスイとこなせました。
デカドロン、恐るべし!
今はまたコートリルに戻していますが、 デカドロンの時に筋トレを頑張って少し回復した筋肉のおかげで、その後の毎日の「立つ」「座る」「歩く」が、とても楽になりました。
「クスリ」はその効果効能をきちんと理解し、 それに依存せずにきちんと利用することで、自分の人生の「クオリティー・オブ・ライフ」を上げ、 維持することに利用できると思います。
「クスリ」は人体にとって「異物」で「害」 だからと、一元的に拒否をするのではなく、 それを上手に「使って」いくことが大事だと思いました。
「使う」のは、あくまで「主体」である「私」であれば、 それでいんだと思います。
身体が自己回復力や自己治癒能力で元に戻ることのできる状態であれば、「クスリ」は使う必要はないと思いますが、自分の力で回復することが難しい状態までダメージを負ってしまった時は、「クスリ」や「医療」の力を利用して、「回復」に努めていけばいいのではないでしょうか。
そんなことを、この体調不良とその回復から体験しました。
やっぱり全ては「体験という学び」なんだなー、とつくづく思う次第です(^-^)
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