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「5年後も、僕は生きています ㊶「魂の計画」を生きる、ということ。」
㊶「魂の計画」を生きる、ということ。
2019年5月の下旬、総合格闘技の征矢選手から連絡が入りました。
征矢選手は総合格闘技のプロ選手ですが、僕がボクシングのトレーナー時代にボクシングの技術を教えたことがありました。
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その1年半ほど前の2017年10月に、彼は奥さんを白血病で亡くし、そのあと彼自身もクローン病という難病指定されている難しい病気に罹患し、試合はおろか、練習さえままならない状態になってしまいました。
そのとき(2018年2月)僕と会い、僕の体験を話したことが彼の中で何かを変えたらしく、その日の夜、彼は自分がクローン病であることを初めて公表しました。
また、僕の信頼するヒーラーの舟橋さんの施術を定期的に受けたこともあり(もちろんそれだけではなく、他もいろいろやっていて)かなり復調していることを舟橋さんから聞いていました。
2019年5月、その彼から連絡が入ったのです。
「6月2日にRIZIN(ライジン)で試合が決まりました。今までの想いをすべてリングにぶつけます」
征矢選手とは半年以上会っていませんでした。
やった!…試合が出来るほど治ったんだ…しかもRIZIN(ライジン)なんだ、すごいな。
RIZIN(ライジン)とは、日本の総合格闘家たちが目指す頂点の大会で、トップクラスの選手達がしのぎを削り合う、熾烈な大会として有名です。
毎年大晦日にテレビ中継もされています。
最近では那須川天心選手が主戦場にしていますが、フジテレビの放送関係でニュースになっていましたね。(頑張っている選手たちに罪はないので、放送してくれることを願っていますが)
で、征矢選手に話を戻しますが、病気で余儀なくされた彼のブランクを考えると、ちょっと心配になりました。
僕も一応、ボクシングジムでプロ選手を教えていた経験がある身です。
長いブランク、しかも病気で練習が出来ない、筋肉が落ちる、対戦感覚が鈍る、試合感覚が戻らない、など、ネガティブな要素がたくさんです。
いや、そもそも試合が出来るようになっただけでも凄いこと何ですけれど、だからと言って「参加することに意義がある」というレベルではないのです。
アマチュアではなく、プロなんですから。
さらに、クローン病から寛解して第一線に復活したスポーツ選手は少ない、というか、ほとんどいないという厳しい現実が実際にあります。
彼は、それをやってのけようとしているのでした。
どんな苦境が目の前にやってこようとも、決して諦めない。
チャレンジする。
自分が出来ることを、全力でやる、やり切る。
毎日を悔いなく、精一杯生き切る。
自分を信じて。
きっと彼は、そんなふうに毎日を生きていたのではないかと思います。
僕はやきもきしながら自宅のPC画面を見つめながら、試合当日を迎えました。
彼の試合時間が迫ってきました。
リアルタイムで流れるRIZINの結試合果Web画面が刻々と変わるのを固唾をのんで眺め続けました。
とつぜん、僕のメールがブブ~ッとメールを受信しました。僕が所属していたマナベボクシングジムの真部会長からでした。
試合会場に応援に行っていた真部会長が、リアルタイムニュースより先に、試合結果をメールを送ってくれたのです。
添付映像とともに、こう書いてありました。
「征矢! やりました!」
添付ファイルを開くと、そこにはリング上で躍動する征矢選手が映っていました。
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素早い動きで相手をロープに詰め、左右のパンチから左アッパー一閃、まるで糸の切れた操り人形のように倒れる相手選手。
![](https://assets.st-note.com/img/1654913525004-O0g7sP5DTw.jpg?width=1200)
そして…リング上で絶叫する征矢選手。
「嫁が、白血病で亡くなりまして…」
「食べられないんです」
一緒に陶板浴に行ったとき見た、小さくなった体。
ぐったりとして、舟橋さんの治療を受ける姿。
彼が体験し、通り抜けてきた過酷な試練。
愛するひとの死、孤独、病気による苦しみと絶望、這い上がる努力と周囲への感謝、そういったものすべてを、彼の雄叫びは現わしていました。
…
僕は、泣きました。
人って素晴らしい。
人生って素晴らしい。
その後、彼はさらに勝利を重ねますが、2121年6月にクローン病を再発し、再びブランクを作ります。
そして…
それをまた乗り越えて、今年(2022年4月16日)に、」またRIZINのリングに戻ってきて、劇的な勝利を飾るのです。
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「魂の計画」。
人はみな、それぞれ、今回の人生の計画・青写真を持って生まれてくる、と言われています。
もちろん、全てが決まっているわけではないと思います。
「運命」と「宿命」みたいなもの。
「宿命」は変えられない、魂の計画。
僕の人生にやって来た「肺癌ステージ4」です。
征矢選手にやって来た数々の試練。
それを、どんな「自分(Being)で、どう選択し、どう行動(Doing)していくのか、それが「運命」に託されてる部分。
この課題をクリア出来なければ、次の人生でまた同じ課題に挑戦することになる、と言われています。
まあ、僕の自我(エゴ)は、あの体験はもう二度としたくないって言ってますが(笑)。
彼の魂の計画は、相当ハード路線でしょう。
しかし、彼がこの世界に存在し、彼の生き様を通して世の中に与えるインパクトは相当なものだと、僕は思います。
それが彼のこの世界での「役割」なんだと、僕は思います。
僕は僕の「役割」を全うする。
彼は彼の「役割」を全うする。
それが、人それぞれの魂の計画。
僕は、これからもずっと彼を応援し続けます。
㊷へつづく
第1話から読みたい方は、こちらから読むことが出来ます。
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