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「5年後も、僕は生きています ㊽放射線治療の後遺症」
㊽放射線治療の後遺症
2020年の6月ころでしょうか、病院の定期診察に行った時です。
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担当の井上先生が少し心配そうに言いました。
「ガンの方は全く問題ないのですが、少し気になるところがあります」
「と、いいますと?」
「はい、これですね」
井上先生はそう言うと、数日前に撮影したCTとMRIの画像を画面に映しました。
「ここです」
井上先生が射した先に、僕の脳が写っていました。そして、僕でも分かるほど、脳のしわがなくなっていました。
「これは?」
「はい、脳外科にも知見を確認しましたが、腫瘍とか再発ではないとのことです。ここ、見てください」
井上先生は僕の脳腫瘍があった場所を指しました。
そこは脳腫瘍があった形にそって、白いマルの形に縁取りになっていました。
「これはかさぶたみたいなもので、気にしなくていいです。でも、この周囲を見てみると、灰色になっているところがありますね、このあたりです」
確かに白いマルの外側に灰色になっているところがあり、その部分は「脳のしわ」が無くなっていました。
「はあ、なるほど」
「なにか日常で気になったところとか、ありませんか? しびれるとか、ふらつくとか」
「いえ、特には…」
「これはあまり見たことがないケースなのですが…」
僕は心の中で苦笑しました。
ああ、また見たことがないケースか…
「で、これは何でしょう?」
「いろいろと検討した結果、放射線治療の副作用、放射線壊死として説明できます」
「放射線治療してから3年経っているんですが、それまで副作用がなかったにのに出ることってあるんですか?」
「ええ、ですから私たちも説明に困ったところもありまして…」
「そうですよね、普通副作用ってすぐに出ると思うんですが」
「ええ、通常はそうなんですが…」
いつもは歯切れのいい井上先生がめずらしく口ごもりました。
「ま、再発とかではないなら、問題ありませんね」
僕は井上先生が答える前に言いました。
「ええ、問題がないことはないのですが、まったく問題がないという訳ではではありませんので、脳の腫れを抑えるお薬、ステロイドを腫れを引かせる関係のお薬と一緒に処方します。よろしいですか?」
「ええ、もちろん大丈夫です、お願いします」
こうして脳の腫れとステロイド処方が始まったのでした。でも、これが今後ずっと、そう、今(2022年6月)ま続くことになるとは、この時は予想だにしていなかったのです。
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翌日からステロイドを飲み始めました。
前回、2017年6月の時もそうでしたが、ステロイドを飲むといわゆる「元気」になります。交感神経が活性化するからです。
まあいわゆる活発になるんですね。
ですから昼は元気いっぱいです。
しかし…
夜になると、逆に目がさえて眠りが浅くなりました。
それが約5か月ほど続いたでしょうか、2020年の11月の診察のときです。
「例の脳の腫れが大きくなっていますね…ステロイドを増やしましょう」
ということで、ストロイドが増量になりました。
そう、そのとたんです、全く眠れなくなってしまったのです。
布団に入っても、うとうとするでもなく、そのまま朝になってしまうのです。
それが1日とか2日だった問題ないのですが、ほとんど毎日、ほとんど眠れない。
でも、不思議と全く疲れないののです。
昼間は元気いっぱい。
夜も眠らず、目が冴えまくり。
そしてもう一つの大きな変化は、ステロイドの代表的な副作用、ムーンフェイスです。
顔がパンパンに膨れあがり、別人になってしまいました。
みんなから
「顔が変わった~」
と言われましたが、いちいち説明するのが面倒くさいので、笑って流しました。
しかし、眠ら\ない状態がずっとづづいていいはずありません。
年が明ける2021年ころになると、慢性的なダルさに襲われるようになりました。
日々の体調によって変わるのですが、だるい時は身体が鉛のように重くなりました。
あまりにだるい時はヒーラーの舟橋さんに治していただいたりしたのですが、しばらくするとまた元に戻る、という繰り返しでした。
脳の腫れも一進一退で、大きくなったり、小さくなったり…
これは…
なにか意味があるんじゃないか?
そう気づいたのは、昨年2021年の夏ころでした。
1年以上ステロイドを飲み続けても、あまり効果が見られなかったこともその要因の一つです。
なにを「気づけ」と、魂は言ってるんだろうか?
そう、全ては魂の計画。
予期せぬことが起きる、といことは、ここで何か「体験」して「学ぶ」ことがあるんじゃないだろうか?
魂はなにを伝えたくて、僕にこの体験を「用意」し「体験」させているのか?
そのころ、ちょうど住んでいたマンションから一軒家への引っ越しを計画していました。
引っ越しの理由はいくつかありましたが、一番の理由は犬を飼いたかったからです。
いまも一匹飼っていますが、このマンションでは一匹しか買うことが出来なかったため、もう一匹飼うために、一軒家へ引っ越そうと思いついたわけです。
そして、その新しい家をどこにするか、その間取りは?
信頼できる不動産屋さんを見つけなきゃ。
あてはありました。
その不動産屋さんとは…引退した僕のボクシングの教え子、長嶺選手です。
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彼は引退後、不動産屋さんに転職して活躍をしていました。
彼はボクサー時代と同じように、一生懸命、誠実に対応してくれました。
やはり頼れるのは、信頼できる友人です。
ネットでよさそうな家が見つかると、あたまの中で「あそこにあれを置こう、ここはこうしよう」と想像がもうもうと膨らみます。
そしてヒーラーの舟橋さんに連絡して、僕との相性を観て頂きます。
「基本的に70%以下は止めたほうがいいですね~」
とのアドバイスに従うと、ほとんどがその基準に達しません。
中には「あっ、ここがいい。キレイだし、駅近だし、築浅だし」みたいな物件は必ずと言っていいほど問題がありました(窓から人の顔が見える、とか、霊障たくさんある、とか)。
そしてその数少ない物件を見学に行こうと思って、長嶺君に連絡を入れると、不思議なことにそのほとんどが
「先週、契約が決まってしまいました」
「物件の掲載がなくなってしまました」
つまり、いいなと思った物件はことごとく売れてしまって、見学にすらあまり行けない、という状態になってしまいました。
「こんなことって、あまりないんですけど…」
長嶺君も困惑気味に言いました。
一方、僕の住んでいたマンションの販売の方はというと、情報をネットに掲載してもらってしばらくして買い手が決まりました。
あとは僕が引っ越しする先、新しい家を決める番です。
しかし、先程も書いたように、いい家が中々見つかりません。
僕がこのマンションを退去する日は決まりましたが、入居先が決まらないのです。
日にちだけ刻々と過ぎていきました。
焦っても、いい物件は出てきません。
そしてある日、いい物件を2件同時に発見したのです。
相性、適合率が75%と84%の物件でした。
僕はさっそく長嶺君に連絡をいれました。
さっそく彼と一緒に物件を見に行きました。
すると、相性が低い方が「いい感じ」なのです。
しかも、相性の高い方の物件は、その売却担当者の方いわく
「実は申し込みの方がいらっしゃって、後はローンが通るかの状態なんです」
とのことでした。
ああ、これは75へ行けってことだな~
ということで、この75の物件に決めました。
この75の相手の方は高齢の一人暮らしの女性で、ここを売却して友人の近くに引っ越ししたいとお話されていました。
契約は順調に問題なく進み、契約書の取り交わしの日になりました。
その当日のことです。
「いや~こんなこと初めてです。聞いたこともありません」
という事態が、起こったのです。
㊾へ続く
第1話から読みたい方は、こちらから読むことが出来ます。
肺ガンステージ4からの生還体験記です。
とりあえず、ベストセラーになりました。
新刊です。
「読んだら人生が激変する」とご紹介頂けるほど、ご推薦いただいて感謝しかありません。10分ほどの画像です。よろしければ見てくださいね。
いわぶちゆういちさんの「ぶちの気ままライブ」出演させて頂きました。「さとりをひらいた犬」を書き始めたきっかけ、書いていた時の想い、感じたこと、その体験などを中心にお話させていただきました。よろしければ、ご覧くださいね。