不眠症

こう、幸せが続いた後は
漠然と不安に押し潰されて
今までどうやって夜を越えたか
分からなくなる、
つい先日までは最低でも
半分にしていた時計の針も
後5時間、
後4時間半
後4時間
もう誰も起きてはいない
まだ誰も起きてはくれない。
まだ許されてはいない
許されてはいけない。

誰かを助けなければ。
不眠症にしかできない事をしなければ
体が丈夫なうちに、救える人を救わなければ、

いつか、君が教えてくれた
外傷と違って心の傷の治療は
誰にでもできると言葉を胸に留めて、


眠れないなら私のところへ来てください
朝まで話をしましょう。


もう誰にもこんな夜は必要はない。