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❖立場のある者の無自覚発言から溢れ出る有害性❖ まいに知・あらび基・おもいつ記(2022年1月3日)

(長さも中身もバラバラ、日々スマホメモに綴る単なる素材、支離滅裂もご容赦を) 

◆立場のある者の無自覚発言から溢れ出る有害性◆
昨日、今日と箱根駅伝が行われている。中高の部活動で取り上げられる指導者の行き過ぎた指導は、大学生のスポーツにおいても例外ではない。箱根駅伝では「男だろ」という発言が昨年、物議を醸した。この発言は駒澤大の大八木監督が前回大会で発したものだが、様々な分野でこういったパワハラ発言に関するニュース記事を見かけることが増えている。パワハラはパワーハラスメントの略称であり、ハラスメントと呼ばれる行為の代表的なものとしてよく知られている。

このよく話題にあがるハラスメントだが、ハラスメントは他者や社会にどれだけの悪影響を与えているのだろうか。

ハラスメントは端的に表現するならば「嫌がらせ」で、それは行為者に意識があるかどうかは関係がなく、本人にそのつもりがなくても、相手に苦痛を与える行為、相手を傷つける行為、相手に不利益を与える行為などは全てハラスメントになる。ハラスメントの種類は、社会的事象や人間関係の個別化・複雑化に伴い、種類は多く細かくなっている。例えば、 セクシャルハラスメント、モラルハラスメント、アルコールハラスメント、ジェンダーハラスメント、リストラハラスメント、エイジハラスメント、ワクチンハラスメントなど本当に多種多様である。

パワーハラスメントについて公民の事例で考えると、モンテスキューの三権分立が関わってくる。権力の抑制・均衡がなされなければ、健全な国家運営はなされない。司法権の独立は、その一つであるが、これは司法権が他の権力からの干渉を受けずに独立していなければならないだけでなく、裁判官の間での干渉を認めないものである。有名なものとして、大津事件や平賀書簡事件があり、どちらも裁判官の間での干渉について問題とされている。特に、平賀書簡事件では裁判所所長が別の裁判官に「大兄の人柄を信用した上での老婆心ですから、なにとぞ小生の意のあるところを素直にくみとって下さるようお願いいたします」という前置きをした手紙を渡しており、これは実質的に圧力を加えるものとして問題視された。

ハラスメントは「嫌がらせ」と和訳されるが、そもそもこの行為が成立する前提として、相手に対し行為者は相対的に優位であると考えられる。もし行為者が劣位であれば、行為に対する反撃がありうるので、行為を躊躇するだろう。その優位性に守られて、ハラスメント行為は実行に移されている。この優位性に加え、社会的な立場を持つ場合には、さらに有害性が高まる。立場がある者の何気ない一言が、何気ないでは済まされないことは先ほどの司法権の独立に関わる大津事件、平賀書簡事件などでも明らかである。

この考察から言えることは、立場がある者の発言は影響力が大きく、何気ない一言に見せかけた「脅し」の危険性があるということである。そんなつもりではなかったという弁解は通用しない。また、それほど軽く考えていたのなら、無責任極まりないし、自覚不足なので、その立場から退くべきなのである。先日、神奈川県、大和市の市長の発言に関するニュースが取り上げられた。ニュースは、市長の市職員へのパワハラ疑惑を巡り、市議会調査特別委員会がアンケートの調査結果を発表したというものである。そこでは、「言う通りにしないと船から下りてもらう」という降格・異動を示唆する発言が自由記述で回答されていた。これは船という比喩で誤魔化してはいるが、明らかな「脅し」である。人事院のパワーハラスメント防止ハンドブックによれば、「今後、どうなるか考えたほうがいい」などのような発言がパワハラ事例として扱われている。比喩や曖昧な表現を用いて、相手に不安や恐怖を与える手法は、本当に卑怯である。自分も職業柄、部活動や生徒指導に関わるので気をつけていきたい。
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