UX勉強会/UXデザイン
顧客と接している企画、営業、サポートに集まっていただき、各フェーズの顧客体験(UX)を良くしていくために勉強会を実施しました。
顧客と接している人がUXの理解を深めることで、それぞれが担当しているフェーズで発生しているUX課題に気づきやすくすることが狙い。そうすることでより自然とUX改善に関する情報が集まりやすくなります。
今回のテーマは「UXへの感度を高める」
参加者が普段触れているであろう身近な事例を織り交ぜ、UXの種類やUI・UX・CXの関係性について学習を進めました。
1.UXとは
UXとは、ユーザーエクスペリエンス(User eXperience)の略称。
プロダクトやサービスを通じて得られる顧客体験のこと。
近年、価値に対する人々の認識に変化があり、
モノからコトへという考え方が一般化しつつあります。
市場に製品やサービス(モノ)があふれ、製品のみでの差別化が困難となり、従来の価値認識モデルも通用しにくくなっている状況があります。
そこで重要になってくるのが、顧客体験(コト)です。
[参考:「サービスデザインの手引書及び調査研究報告書」(経済産業省)]
2.生活の中にあるUX① 店舗
<店舗における顧客体験>
店舗側は商品を販売し、顧客は商品を選び購入する。
そこに+αで体験価値を提供し、他社との差別化を図れている事例です。
スターバックスコーヒー
商品自体も魅力的ですが、サードプレイスとなる「自分らしさを取り戻せる心地よい空間」を体験させてくれます。1996年に初上陸し、今ではスターバックスのない県はありません。ちなみにファーストプレイスとは自宅、セカンドプレイスは職場です。
ドン・キホーテ
店名を見るだけであの歌とあのペンギンが頭に浮かぶという方も多いのではないでしょうか。ドン・キホーテでは、隙間なく商品を並べる圧縮陳列という手法で、敢えてたくさんの商品を限られた空間に詰め込んでいます。迷路のような店内とインパクトのあるポップで宝探しのようなわくわく感を体験させてくれます。
3.生活の中にあるUX② 新技術
<新技術を組み合わせた顧客体験>
新しい技術を活かしたプロダクトで顧客に良い体験を与えている。または、顧客に良い体験を与えるために新しい技術が開発された事例です。
メガネ
生活の中に溶け込み過ぎていて、勉強会の参加者に言われて気づいた事例です。近視、乱視、老眼の方は、字を読むのにも、仕事をするのにも、運転をするのにも必要。メガネが無い生活は考えられないと思います。コンタクトレンズはメガネの煩わしさを更に改善したプロダクトと言えそうです。
OCR機能
A4の紙いっぱいに印刷された文字を一瞬でテキストデータに変換、クレジットカードにスマホのカメラをかざすだけでカード番号が自動入力されるなど、ユーザの手間を解消してくれてかなり便利な技術。
4.生活の中にあるUX③ 失敗例
<うまくいっていない例>
目的のための施策が裏目に出てしまい
結果的に当初の目的を果たせなくなってしまった事例です。
観光地の注意看板
目的:訪れたお客様にきれいな景観を楽しんでもらいたい。
施策:ゴミのポイ捨ては注意したいから色々なところに注意看板を立てる。
結果:乱立された看板が景観を悪くしてしまう。
スマートフォン
目的:手元に置いておきたくなるほど美しいスマートフォンにしたい。
施策:洗練されたフォルムとカラーバリエーション、厳選された素材を使用し、画面に使用しているガラスも高透明度・高硬度にこだわった。
結果:美し過ぎて傷つけたくないのでフィルムやカバーをつけられる
5.製品のUX
UI・UX・CXの関係性は図のようになっています。たまにUI・UXという表記を目にされることがあるかもしれませんが、良いUIであればUX全体が良くなるということではありません。構図を見ていただくと分かると思いますが、UIのUXは顧客に与える体験の一部でしかなく、製品全体の顧客体験がUXとなっています。
UIのUXには、利用者の見たい情報がすぐ見つかる、操作に迷わない、導線が自然で効率が良い、直感的に操作ができる、製品内のUIルールが整理されていて学習が進めやすいなど、ユーザビリティに関する内容が挙げられます。
7.製品のUX:Mail Dealerの場合
・メールを一元管理できるので蓄積・対応状況を把握しやすくなった。
・複数人で同じメールに重複対応してしまうことがなくなった。
・返信忘れが無いか何度も受信メールを確認するストレスから解放された。
上記のように、製品を利用することで業務効率が上がった、担当者のヒューマンエラーが減った、顧客の抱えていた課題や不安が解消されたなど、機能・性能であるユーティリティを含めた体験が製品のUXになります。
勉強会を実施して
UXという文字だけ見ると難しそうですが、実は身近なものなんですよ~という所からはじまり、様々な形のUXを共有させていただきました。
最初は座学形式で説明を進め「そんなの知ってるよ。」「なるほどね。」という反応がぽつぽつある程度でしたが、最後の説明を終えた頃にはUXへの理解が深まり、企画、営業、サポートそれぞれの情報を元に自然とブレストが始まっていました。UXが参加者の共通言語となり、部署を横串で刺す形で情報共有がしやすくなったのかなと感じています。