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「面」「奥」って何?【舞台用語を覚えよう②】

今日は「舞台用語を覚えよう!」シリーズ第2弾!
【「面・奥」って何?】です

「面」はメンではなく「ツラ」と読みます。

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第1段の「上手・下手」が舞台の左右を表したのに対し、
「面・奥」は舞台の前後を表します。


英語圏では
舞台面を「Down Stage(ダウンステージ)」
舞台奥を「Up Stage(アップステージ)」といいます。

これは、ヨーロッパ諸国の舞台は八百屋舞台といわれる
「舞台奥を高くして傾斜をつけた舞台」が主流だったことに由来します。

客席側が傾斜の下なのでダウンステージ。
舞台の奥にいくほど傾斜を登らなければならないのでアップステージ
ということですね。

パリオペラ座のガルニエ宮やローザンヌ国際バレエコンクールでおなじみのボーリュ劇場も傾斜の舞台です。

「キャッツ」や「マンマミーア」、「ビリーエリオット」など、
ミュージカル作品でもよく傾斜舞台が使われています。

フランスやイタリアの田舎の劇場には、こうした傾斜舞台が今でもかなり残っているそうです。



傾斜舞台には、
・奥行き(立体)感が出てお客様からも見やすい
・後方へのジャンプが跳びやすい
・ジャンプが高く見える

などの利点がありますが、
パフォーマンスする俳優としては疲労も倍増し平衡感覚も崩れるのでとても大変な舞台です。

僕も、傾斜舞台での本番が続いたあとは「フラットな床で踊れない」という現象がよく起こりました。

舞台ではターンがキレイに回れるのに、レッスンにいくと回れない…みたいな。

普段以上に身体のメンテナンスをしなければならない。

また、傾斜舞台は普段と違う身体の支え方をしなければならないので、
立っているだけで筋肉がパンパンになります。

ヒールを履く女性なんかはもっと大変です。

立っているだけで疲弊し、身体のバランスまで崩す八百屋舞台
パフォーマーの皆さん凄い!!


「舞台面・舞台奥」

この言葉も、「上手・下手」と同様に、舞台上で役者がどこを向いているかによって
「もっと前に出てー」とか「あと1歩後ろ」といった指示が「何に対して」か分かりにくいためにできた言葉です。

普段の「前後左右」とは全く違う舞台ならではの表現。

しっかり覚えて、舞台稽古で
「どゆこと?」とならないようにしておきましょうね!

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北村毅
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