主人公は顧客であって、あなたではない
ビジネス書籍や、セミナーなどで、「ビジネスをやっている人の心構え」についての話は聞かれた方も多いかと思いますが、細部については若干異なるものの、根底はほぼ全て同じ原理・原則に基づいています。その中の一つとして「顧客を理解すること」の重要性が述べられているのですが、それを忘れてしまう人がいるとも言います。これはなぜなのでしょうか。
間違った例としてよく挙げられるのは、「自分が主人公になっている」という状態です。これは、「自分が扱っている商品がいかに優れているか」ばかりに目が行ってしまい、言わば「自分が主人公になっている」ことに気づかずセールスを行っている可能性が高いです。そして「優れた製品だから売れるに違いない」という勘違いをしています。言い換えれば視点が自分本位になって、顧客の悩みとその解決に必要なモノを理解していない事になります。これではいくら商品が「厳選された材料を使用している」「最先端の技術を応用した」とか謳っていても売れないでしょう。
顧客を理解することは、「顧客の現状・悩み」と「顧客が得たい未来」を理解することから始まります。しかも、それは「顧客自身がよく分かっていない」ことすらあります。そこで、よく顧客の話を聞いて現状と理想の未来をよく確認し、現状の具体的な問題点と解決策を提示すること、そのための手段を提供することが必要であり、そこで初めて商品の出番です。
最近読んだ書籍に、スター・ウォーズを例えにした話がありました。主人公(ルーク)は顧客であり、主人公を導く役割(ヨーダ)が自身であると。そして「フォース」が商品ということです(私自身スター・ウォーズにはあまり詳しくないのですが)。あるいは、ドラゴンクエストのようなRPGでは、勇者がラスボスの魔王を倒すというストーリーだったりします。勇者が魔王を倒すというミッションを達成するには、武器を手に入れたりして自身が強くなるだけでなく、時に仲間の力も借り、魔王の弱点を突くようなアイテムを入手し、最後に魔王の居場所を突き止め辿り着く必要があります。顧客という勇者が「現状=魔王に蹂躙され人々が苦しむ世界」を終わらせ「未来=魔王を倒した後の平和な世界」をもたらす、というストーリーを完結させるためのサポートをするのがあなた自身で、助けるためのアイテムや情報という「商品」ということです。
例えが多少大袈裟になりましたが、ここでの主人公は顧客=勇者であり、「勇者が倒すべき魔王とは何者か?」を特定し、「魔王を倒すための手段」を提供しサポートするのがあなたの役割です。
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