【どんな規模でも採用基準を妥協しない】ことを徹底する
こんにちは。堀内猛志です。
前回のnoteでは、「【人事戦略は採用からスタートする】ことを徹底する」ということについて書きました。
どんな人でも口説き落とせるような戦闘力の高い採用担当がいない場合、勝てるところでは100%勝つ、どんな採用担当者でも80%は勝てるようにデザインする、という戦略を経営陣で考えて採用担当に渡してあげるのは大事なことです。
事業だったら戦略がない状態で任せるってことは絶対にしないはずなのに、こと採用になると戦略がない状態で任している人が多いんですよね。特にプロダクトや仕組みで勝てるほどの強みを持っていない企業ほど人材への依存度が高いはずです。ということは採用戦争で勝てないと事業でも苦労するのは目に見えているのになぜでしょうか。
私の感覚ではHRに詳しい、または興味のある経営者か否か、ということだと思います。HR系の企業出身者の経営者の場合、DAY0から人事戦略を考えていますが、そうじゃない経営者でHRに興味が薄い人ほど得意な人に任せようとしてしまいます。しかし、それは愚策です。
以前のnoteでもValue fitについて解説しましたが、創業期に細かい制度やルールを整えている暇はありません。だからこそ、1伝えれば10伝わるようなツーカーの価値観一致ができる人材求められます。『バカが増えるとルールが増える』と言われます。バカとは単に頭が悪い人だけを指しているのではなく、5Vがフィットしていない人のことを指します。つまり、10伝えても10伝わらないので、ルールや制度を整備することで伝えるしかないのです。創業期にそんな暇があるでしょうか。だからこそ人材採用にこだわることは、入社後のマネジメントコストを下げる意味でも非常に重要なのです。
1000人までは経営者が必ず採用面接を行う
仲間同士の関係性の定量化でわかりやすいのがダンバー数です。英国の人類学者ロビン・ダンバーは、1993年の研究で、人は150人以上とは意味のある人間関係を結べないことを理論づけました。しかし、これに異を唱える論文は多く出ていますし、私も毎年400名を超える新卒採用を行っていましたが、顔と名前、またはキャラクターを覚えることで内定者との関係を作ることはできたと思っています。つまり、何が言いたいかと言うと、従業員が何人になろうが、採用数がいくら増えようが、従業員、及び採用候補者のことを覚えようとする意志が重要だということです。
リクルートの創業者の江副氏も従業員2000人まで顔と名前を覚えることができたと著書で仰っていますし、日本電産(現ニデック)創業者の永守氏も、全世界に数万人いる従業員とできるだけ繋がる努力をされています。SBIホールディングスでは新卒採用の最終面接を北尾CEOと調整するために、半年以上前から1人15分の最終面接時間を北尾CEOの予定の中で確保しているそうです。その時間に調整できない学生は必然的に辞退扱いとなるそうですが、これも採用に拘る姿勢だと思います(※1)。
※1,最新情報は変わっている可能性もあります。
経営者が忙しいことは分かっています。特にベンチャー企業では経営者が現場で陣頭指揮をとることも少なくないでしょう。しかし、世界を代表するような経営者が採用に拘る中で、ベンチャーの経営者が忙しいから採用面接に出れないというのは経営者としての怠慢だと考えます。1000人というのはひとつの例えです。そこまでに経営者と同じ目線の役員や人事責任者を育てることができれば必ずしも1000人まで自分で面接を行う必要はないかもしれません。ただし、人事戦略を事業戦略と同じように考えることから目を背けないでいただきたいと思います。特に、「自分は人の顔を覚えるのが苦手だ」なんて理由は言語道断です。
人材不足が進む中で「人」という資源はどんどん希少性が増します。事業戦略と同じかそれ以上に人事戦略にこだわり、徹底する経営者が1人でも増えることを願っています。
スタートアップでは実際の業務を通じて見極める
私が言うまでもなく、採用に拘ることは当たり前だとわかっている経営者も多いでしょう。1000人までは最終面接は自分が出ると覚悟を決めている人だっているでしょう。ただ、私が様々な企業の経営者をサポートしてきて実感のは、見極めがちゃんとできない経営者が実は多いということです。
見極めポイントがズレやすい経営者は以下2つのタイプです。盲目的なタイプほど見極めポイントはズレやすいです。
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