経営戦略ワークショップ~福島編~
こんにちは。堀内猛志です。
今回は、福島で行ったワークショップについて紹介します。
前回の高知編は以下よりご確認ください。
なぜ実施したのか?
プレワークショップの実施目的は高知編に掲載しました。
今回の福島は前回の高知とは違い、東日本大震災によって引き起こされた原発事故による風評被害の問題、また、国からの補助金や助成金によって複雑化する問題、これらを踏まえて自分たちは何ができるかを考えるという論点がありました。
社会課題、地域課題に取り組むことを方針としているMIGIUDEにとって、福島が抱える問題を理解することは非常に重要だと考えて実施しました。
何を実施したのか?
今回のプレワークショップにご協力いただいたのは、福島にある葛尾村を活性化することを目的とする「葛力創造舎」様です。
今回のMBAホルダー側は下記の5人で参加しました。
■すえおか兄さん:22年WBS卒/大手広告代理店D社
■こじけんさん:23年WBS卒/大手広告代理店H社
■まほさん:23年WBS卒/大手通信企業K社
■いぐちさん:23年WBS卒/会計事務所経営
■堀内:23年WBS卒/株式会社シンシア・ハート&株式会社SEEFY代表
今回は問題が複雑なため、事前のインプットで仮説立てすることでバイアスがかかるかもしれないので現地の声をちゃんと聴いてから考えることにしました。
どのように行ったのか?
ここからはトリップのタイムライン通りに紹介させていただきます。前回同様、空気感を伝えたいので日記風に展開していきます。
7時半に新宿ロータリーを出発。
前日の大雨が嘘のような青空です。
福島に入ってから高速道路で自動車をほとんど見なくなりました。転々と一軒家がありますがほとんど空き家、そして写真のような放射線量を示す電光掲示板が所々にあります。
11時30分に葛尾村に到着。
毎月2回、我々のような県外からの人材を受け入れているとのことで、宿泊する部屋や台所があります。どぶろくを作る申請もされているとのこと。ステキな場所です!
まずはフィールドワークをしようと考えていたところ、なんと当日は葛尾村100周年記念のお祭りがあり、葛尾村にある企業が全て集まっているとのこと!
ランチをし、お土産を買い、村民の方の空気感を味わうことができました。こういう現地現物の空気感を感じるのがフィールドワークの醍醐味ですね。
さて、ziccaに戻ってディスカッションのスタートです。
下枝さんから葛力創造舎の取組みや、葛尾村の状況や課題についてインプットをいただきました。
■震災前の人口(1500人)に対して補助金が出ているので、現在の居住人口(200人)では十分すぎる金額であり、現状維持で生きることができてしまう。
■家屋を潰すことに補助金が出たために、村外に避難した人のほとんどが自分の家を潰してしまい、避難した人が戻る場所がないだけではなく、空き家がなくなったので、新しい住民を受け入れる住居が不足している。
■葛尾村にある法人に対して出る補助金を使い、登記上の業態は残したまま村外にて他業態の事業を開始する人もいて、葛尾村にある事業が廃れるし、新しい事業が生まれない。
復興するためにあるはずの補助金が問題を複雑化している現状を知りました。また、人口の80%が高齢者であり、その人たち一人一人にインタビューをしたところ、彼らは現状維持を望み、人口を増やすことやそれによって村の雰囲気が変わることは望んでいないという世代間格差の存在も知りました。都会に疲れ、田舎で暮らすことを望んでくる新住人もいなくないそうですが、やはり、既存村民とのコミュニケーションは簡単ではないとのことでした。
ディスカッションをしている途中で色んな人が訪れてきました。
ziccaの戸は開けっ放しなので近所の人から通りすがりの人まで気楽に入ってきます。自分が子どもの頃の田舎の風景を思い出しました。
公的な目線、住民の目線、など様々な観点を一気に知れたのは非常に良い機会でした。高知と違い、定めたゴールに向かって一直線に議論することは叶わないと判断し、フィールドワークでしかできないインプットに努めることにしました。議論はオンラインでもできますが、情報収集は現場で直接当事者からヒアリングしないと理解できないことが多いです。机上やネットでは絶対にわからない情報を得ることができて非常に有意義でした。
地域ごとに根深い課題があることは重々承知していましたが、葛尾村のそれはさらに深い課題があり、このnoteだけで到底書ききれない重さと深さがあります。葛力創造舎さんと協力しながら持続的な協力ができるようなスキームを作っていきたいと思います。
実は私は次の日に外せない予定があったために一人で岐路につきました。キャンプファイヤーをしたかったので後ろ髪を引かれる思いでしたが、たった1日でも濃密なインプットと出会いがあったので満足です。
新幹線の出発時間までの間、郡山駅で福島の名物料理を堪能しました。
日本酒がグラス1杯390円~という驚きの安さだったので飲み比べを堪能できました。
葛尾村だけではなく、福島へのショートトリップには助成金が出ます。何とか関係人口を増やしたいという痛烈な想いを感じます。協力したい、まずは自分も知るところから始めたいという方は、以下のサイトからお申し込みください。
今回の旅でも数々の方からのご協力をいただきました。この場を借りた御礼を申し上げます。ありがとうございました!