【辞めてもらいたい人に気持ちよく辞めてもらう】ことを徹底する
こんにちは。堀内猛志です。
前回のnoteでは、「【どんな規模でも採用基準を妥協しない】ことを徹底する」ということについて書きました。
前回のnoteでも触れましたが、人間である以上、採用時点で100%人材を見極めるのは不可能です。入社後に実は違っていたとわかるケースもあるでしょう。問題は、こちら(経営側)がこの人は違う、と思っても、従業員(対象者)が同じ感覚を持ってくれず、辞めてくれない場合です。
今回のnoteでは、「退職して欲しいのに退職してくれない人を退職させる方法」について解説します。
組織にいてはいけない人材とは?
入社時点でズレている人材を入社させてしまうのは論外として、入社後に徐々にズレていくという事象が起きることも忘れてはいけません。そう、組織も人材も成長しますので、長年にわたってずっとフィットし続けるというのは土台難しい話なのです。
私の経験上、様々なパターンがあり、ズレているからと言って必ずしもすぐに退職してもらう必要がない場合もあります。以下は、ズレ人材マトリクスです。
今回はこのマトリクスに沿って解説していきます。
①-a 「スーパーマン」
「スーパーマン」とは以下のような人材です。
ポテンシャル採用を行っている企業ではよく起きる現象です。採用時点では能力が開発されておらず、ポテンシャルを買って採用した結果、想像以上に成長してしまうパターンです。本人も採用される時点では自分のポテンシャルを測り切れていないために起こる事象です。企業としては嬉しい悲鳴でもあります。なぜなら絶対に中途採用では採れない人材がマーケットバリューよりも低い報酬で獲得でき、カルチャーフィットまでしてくれているからです。新卒採用でしか起こりえない現象です。
ただし、問題はこのような人材に用意できるポジションがベンチャー企業には多くないということです。突き抜けたスーパーマンであれば経営の一角を任せても良いでしょう。しかし、スキルは抜群でも視座が上がっていない人材に経営ポジションまで任せるのは難しく、管理職を任せることに落ち着くことが多いです。この時に起きる問題は2つです。
本人のスキルにあった自由と権限の箱を用意できない
スーパーマンは放っておいても主体的に動けるため、どんどん成果を出してくれます。だからこそどんどん自由と権限を与え、本人のスキルサイズにあった箱を用意した方がいいのですが、その決断が遅れてしまい、本人につまらなさや経営側の器の小ささを感じさせてしまいます。そこをカバーするために必要なのが上司なのですが、ここで問題2に繋がります。スーパーマンを育てられる上司がいない
そもそもベンチャー企業ではミドルマネジメント人材が不足していることが多いため、スーパーマンが育ってしまった時に一番困るのがこの問題です。スーパーマンは今後経営人材にまで育つポテンシャルがあるので、本来は経営者が自ら育てる必要があるのですが、直接マネジメントをしている暇がないという経営者も多いでしょう。結果、スーパーマンよりも人材レベルが低い上司が見ることになり、それが原因で退職に繋がることも往々にしてあります。
上記を踏まえて、スーパーマンの対処法は以下の通りです。
スーパーマンの対処方法は極論で考えるしかありません。経営者が腹を括り、自分の後継者として自分で育てきるか、それができないなら中途半端なことをせずに退職してもらうか、どちらかです。
経験上、この間をとろうとする経営者が多いです。ただし、スーパーマンはそんな都合よく小さな箱に収まってくれませんし、自分にとって尊敬できない上司の下で大人しくしていることもありません。それができるならその人材はスーパーマンではありません。
退職してもらう決断は辛いと思います。ここまでせっかく育てたわけですし。しかし、フィットしていない人材は組織を壊す劇薬にもなります。一人を優遇したために、チームが壊れるということはよくある話です。それであればスーパーマン一人に去ってもらう方が全体最適の観点では絶対に良いです。
前職のネオキャリアでも、企業として人材サービス業しか事業を持っていない時代に生まれたスーパーマンを当てはめるポジションがなく、去ってもらったケースはたくさんありました。しかし、企業が成長し、新たなポジションが生まれる中で、そういうスーパーマンが何人もアルムナイで戻ってきてくれました。この経験からも、変に引き留めるより、思い切って去っていただくという決断は大事だと思いました。ただし、スーパーマンに向けた退職後のアルムナイ対応は非常に重要となります。こちらについては別のnoteで解説します。
①-b 「縁の下の力持ち」
「縁の下の力持ち」とは以下のような人材です。
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