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株価は、いくらにするか?

先にエントリーした資本金と合わせて、決めるのが一株の価額(以下株価)です。株価を決めると、資本金÷株価の計算で発行済株式総数も決まります。このエントリーでは、株価は、いくらにするか、について考えたことを書いていきます。

Webで検索すると、一株5万円とか1万円、と記載されていることが多い

相場を知る意味で、まずWebを検索してみました。すると、1万円とか5万円の株価が出てきます。なぜ、この金額かというと、昔の会社法の名残、株数の算出しやすさ、将来の増資や譲渡時に合意が成立しやすいという理由からのようです。

昔の会社法の名残を気にしても意味がないですし、株数の算出のしやすさもスマホで計算すれば事足りるので、株式会社設立時の株価の意思決定においてはあまり重要ではないと言えると思います。しかし、時間軸を長く置いたときの増資や譲渡への影響は考えた方が良いと思います。

株価は、経営の良し悪しによって変わり得る数値

増資や譲渡の場合を考えるのですが、普通に考えると一定期間の事業経営をした上で増資や譲渡の機会が生じ、合意も成立するものだと思いますので、その一定の時間経過を前提に入れて考える必要があります。

一定の時間が経過した場合、会社設立時とは異なる財務状況になっているのが通常です。資本金だけがある状態から、バランスシートは変化し、大きくも小さくもなっているでしょう。仮に、事業が成長している場合を考えると、当該企業の企業価値は増加しています。

ここから少し算数になりますが、企業価値は、株主価値+負債価値、で表され、株主価値は、株価×発行済株式総数、で表されます。整理すると、[数式X] 企業価値=(株価×発行済株式総数)+負債価値、と表せます。

この数式の内、パラメータとして固定なのが発行済株式総数(増資をしていない前提)で、他のパラメータは可変で、経営によりその値は変わります。負債価値は算出時点のバランスシートの値になりますが、企業価値はDiscount Cash Flow(DCF)法などの価値算定手法により算出され、株価は数式Xの等式を解くことで算出されます。

結局、株価は経営の良し悪しによって変わる、ということです。

将来的な企業価値から逆算して株価を決めれば良い

株価を算定するときは、やはり増資や譲渡の時になりますが、会社設立時に株価を決めることを前提とすると、会社が順調で増資をするときのことをイメージすれば良いと思います。

その時、企業価値または株主価値はどの程度になっていて、または、どの程度にしたいと思っているか?その前提を置いたとき、今の資本金を踏まえると、どの程度の株価にしておくか?という順番で考えていきました。

簡易な計算として、企業価値を100億にしたい!とするならば、今資本金が100万円で株価が1万円だとすると、発行済株式総数を一定とすると、企業価値が100億になったとき株価は1億になっています(負債価値等は一旦無視)。さすがに株価が1億で増資は難しいので、その時には株式分割をして株価を低くすることが必要、ということになります。

勿論、企業価値が100億になるまでに、増資をしたり、株式分割をしていることの方が多いと思いますが、株式分割を何度もするのも面倒です。よって、企業価値を今の何倍にするか、という想定を予め置いて、株価を決めておけば良いのではないかと思います。

安い株価設定によるリスクは、コントロールできる

つまり、あくまで会社を成長させることを志向するならば、株価はかなり低い値に決めればよいのではないかと思います。

安い株価の設定については、webで調べてみると、多くの株主に株が分散され、場合により会社のコントロール権を失うリスクがあるという話が良く出るのですが、それは資本政策として、誰にどの程度の比率で株を持って頂くか、の話であり別の論点ではないかと思います。

勿論、株を持つ可能性のある人や会社が増えるとは思いますが、この話は基本非公開企業であることを前提としているので、コントロール権を失うことに直結させることは、論点が混ざっているように思うのでした。

おわりに

ということで、私は株価は抑えめに設定しました。勿論、将来増資などをするかどうかはわかりませんが、100%しない、とは今言い切ることはできません。そういった中将来の可能性を予め吸収できるならば、吸収しておけばよいと考えました。

この項目は、所謂ファイナンス領域のものなので、少しわかりにくいと思う人が多いと思います。私もめちゃめちゃファイナンス畑の人というわけではないので、どこまで理に適った考え方なのかはわかりませんが、参考にして頂けたらうれしいです!




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