大手芸能事務所 苦難の時代
この春は、大物が大手芸能事務所を退所して、話題になりました。中居正広に始まり、米倉涼子や柴咲コウ・・・が続々と独立しました。
大手芸能事務所に属すメリットは、何か?
私は芸能界については門外漢ですが、芸能人が大手芸能事務所に属すメリットは、三つくらいに大別されると考えています。
1)人気者に仕立ててくれる
2)面白い仕掛けをプロデュースしてくれる
3)諸々のマネジメントをしてくれる
1)若手が、大物芸能人とのバーター等でキャスティングしてもらうことで、人気者になる機会が提供すること。
2)構成作家やクリエイター、テレビ局等のネットワークを基に、世の中で話題になるような仕掛けを引き起こす力があるということ。
3)芸能人向けマンションや税金対策等において、人気者であるが故の私生活のマネジメントのあれこれをお世話してもらえること。
大物芸能人は、なぜ、大手事務所を退所するのか?
この問いは、幾つかのパターンに分かれるのではないかと思います。
一つは、自分で自分がやりたいことをやるというパターン。今まで事務所のお蔭で色々させてもらったけど、事務所に対して、若手へのバーター等を含む経済的なリターンも十分に提供できた。自分がやりたいことが明確にあり、自分が培ったネットワークでそれらを実現できる中で、事務所に属す意味がない。中居正広や米倉涼子、柴咲コウ等が当てはまると思います。
もう一つは、自分の収入に対して、メリットの割が合わなくなったパターン。1)のお返しも完了したが、2)や3)の割に、自分と事務所の報酬割合はおかしいのではないか、と。こんな風に考える芸能人も十分いると思います。
SNSが、芸能人の独立を加速させる
上記の動きの根底にあるのが、SNSです。twitterに加え、Youtubeがこれだけ普及したことが大きいです。Youtubeへの芸能人の進出は目を見張るものがあります。緊急事態宣言で自粛があったことも影響し、あの人もこの人も。
twitterの拡散力に加え、Youtubeの表現力は、芸能人がファンと結びつき、エンゲージメントを高める・維持するには有効。これらが、非常に安価にできる時代になったのですから、芸能人の独立も加速します。
今は過渡期で、大手事務所から独立することで、一時的にテレビから出れなくなる期間がある人もいると思いますが、これだけ、Youtubeが花盛りになると、テレビの視聴人口は更に下がっていくので、Youtubeで人気がある芸能人は、テレビ局側がオファーするようになるのでしょう。
(おまけ)UUUMの所属Youtuberの退所続出について
同時期に、UUUMに所属していたYoutuberの退所も続出していますが、構造が少し違うと思います。UUUMに所属するYoutuberのメリットは、先の大手芸能事務所のメリットにある1)~3)の中で、ほぼ3)しかなかったのではないかと思います。2)の企業タイアップはウリにしていたと思いますが、広告収入の方が断然規模は大きいですし、2)に沢山取組むことは、Youtuber自身のブランドを傷つけかねないので、あまりできないでしょう。
今活躍しているYoutuberは、これまで自分の企画力と編集力で視聴者を獲得していったので、1)の恩恵を受けていないので、義理もない。2)はメリットだと思いますが、どの程度あるか?です。このメリットが大きくないと、収入の20%を獲るUUUMの介在価値を認識することは難しく、3)のマネジメントに対して、収入の20%を支払うことになるので、収入の額が大きいYoutuberは特に割が合わないと思います。
先日ヒカキンが、マツコ会議に出ていて、「Youtubeとテレビは全然違う。Youtubeは個人プレーだが、テレビはチームプレー。」みたいなことを言っていましたが、Youtubeのコンテンツに事務所が介在しにくいのに、Youtuberが収入の20%を事務所に支払い続けることは難しいと思います。Youtuber事務所は、自らの価値を再定義しないと、今後難しい立ち位置になるのではないかと思います。
おわりに
SNS時代の芸能人の姿かたちは少し変わっていくのでしょう。新しい地図が、ファッションや飲食店等をやっていますが、SNSによって、芸能とビジネスの垣根も今後取っ払われることになるでしょう。
そうした時、芸能人側のチーム体制も、これまでのクリエイティブ寄りのケーパビリティを持っている人だけでなく、よりビジネス寄りのケーパビリティを持っている人の必要性が高まるのではないかと思います。
と、書いていて、僕も参加したくなりました笑。興味を持たれた方はご連絡をお願い致します笑!
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