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いわきFC、岩渕選手はトリックスター?

  J3第34節、対Y.S.C.C.横浜。結果は、1-1(前半0-0)。勝ちきれなかったのは、横浜ディフェンスのGKを含めた好調さ、と、いつも通りに走って、シュート(19本)して、攻め立てたが、最後の幸運をもたらすほどには、何かが足りなかったようだ。横浜は、守る時は、最終ライン5枚とその前に4枚でブロックを作ってスペースを埋めた。従って、いわきは、遠藤や家泉のセンターバックが攻撃の起点となることが多くなり、ボランチの宮本が惜しいシュートを放つという展開に持ち込まれた。むろん有田にも多くのチャンスがあったが、この日は歓喜の瞬間をもたらすことはできなかった(得点王が確定し新人王の受賞が予想されるので、天狗になるなよの、警告だろうか?)。
 横浜とは、6月4日(土)三ッ沢で戦った。スコアは、6-0。結局、シーズン最多得点の試合となった。先制点は、前半43分。GKのキャッチミスのこぼれ球が岩渕弘人選手のもとへ。同選手は、ボレーシュートでネットを揺らした。岩渕選手は、後半3分にも、永井颯太選手とのワンツーから抜け出し、落ち着いて2点目を挙げた。14分には、ゴール前でシュートではなくパスを選択、有馬幸太郎選手の得点(いわきとして5点目)をアシスト。27分には、日高大選手がゴールライン手前で残したボールに素早く反応して、ハットトリックを完成させた。
 つまり、11月20日の最終戦、勝ちきれなかった原因の一つとして、岩渕選手の不在が関係したと思うのである。正確には、「岩渕的な(クレバーな)」選手がいなかったので、追加点がとうとう入らなかったのだろうと思う。いわきFCのクールな最新公式動画は言う「このチームには、スーパースターはいない。だから、一人一人が強くならなければならない。」確かに、スーパースターはいないが、トリックスターは「いる(存在すると必要であるの両方の意味)」。トリックスターとは、ここでは「一面的な定型に納まらない存在」と定義する。岩渕選手は、仙台大学時代、天皇杯予選、対いわきFC戦に途中出場、ゴールを決め、いわきFCに苦汁を飲ませたこともあった。敵にはしたくない存在である。振り返って、6月4日の1点目、5点目のアシスト、6点目などは、いかにも「抜け目ないプレー」と言える。岩渕選手は言う、「相手に考える暇を与えずに直ぐに始めることが大事」。だから、同選手の、スローインやFKのリスタートは素早い。実に油断のならない選手なのである。
 ところが、岩渕選手は、怪我で長期離脱(6か月)するのである。J2の開幕には、間に合わない。確かに、一人一人が強くなることが一番大切だが、そんな中でも「遊び心」を持つことも必要だろう。そういう意味で、「岩渕的な」選手が開幕戦まで間に合うのかが気になるところだ。第33節も岩渕不在で、追加点がなかなか入らない展開だったが、吉田智樹選手の「打ってみようかな」的なミドルが2点目を生み、結果、それが決勝点となった。第34節も追加点さえ入っていれば、勝ち点3は確保できていただろう。Trickstar, please show up!




 


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