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ベースの日

今日、11月11日はベースの日である。15才からベースを始めたので、もう45年以上経ってしまった。ここ数年はスタジオやライブで演奏することはなくなったが、数年前まで息子がDTMで作る曲にアナログでベースを弾いたりした。

最初のベースはグレコのRB700(リッケンバッカー4001モデル)で、本家のリッケンバッカー4003Sを購入するまで10年間弾いた。その本家の4003Sをメイン機として20年ほど愛用した後は、最初に購入したグレコをリファインして弾いてきた。

「どんなベースを弾いてるのか?」という質問に「リッケンバッカー」だと答えると、必ずと言っていいくらい「ポール・マッカートニー好きですか?」と言われる。残念ながら全く影響は受けていない。多くのベースプレイヤーに素晴らしさは感じるが、コピーしようと思ったことはほとんどない。そのかわり好きなトーンや雰囲気はある。なので「好きなプレイヤー」というより、「好きな雰囲気」が重要だと考えている。

私はオリジナル曲を演奏しているバンドに期間限定とかで加入することが多く、自分たちのバンド以外に友人や後輩のバンドでも演奏した。彼らのオリジナル曲の感じや雰囲気を教えてもらい、それに合わせてベースラインを考えるというのが常だった。そしてテイクを重ねるうちに少しずつ変化して、最終的にバンドサウンドとしてまとめるという流れだった。10代から20代はそんな感じだった。今でも聴く音楽が雑食なのは、この時の経験に起因している。

リッケンバッカーのプレイヤーで気になるのは、スピッツの田村明浩である。彼はPVでもいろいろなベースを弾いており、’70年代のフェンダー・テレキャスターベース、モズライトなどの変り種もあるが、結構リッケンバッカーの出番は多く、トーンとフレーズにリッケンバッカーっぽい雰囲気がよく出ている。

「愛のしるし」〜リッケンバッカー4000ファイヤーグロー。

「ホタル」〜こちらも同じ4000+ピック弾き。フィルインのトーンとフレーズが良い雰囲気。

「さわって・変わって」〜こちらはジェットグローの4003。

「魔法のコトバ」〜レアモデルの4005ファイヤーグロー。

「みなと」〜こちらもレアな8弦、4080〜モノクロなのでカラーは判別困難だが、ヘッドの感じからメイプルグローかと。

リッケンバッカーのカラーネームは変わっており、ファイヤーグロー(チェリー系のサンバースト)、ジェットグロー(ブラック)、メイプルグロー(ナチュラル・木目)がスタンダートで、時期によりモンテズマ・ブラウン(茶色)、オータムグロー(茶系のサンバースト)、ブルー・ボーイ(ジム・リーヴス特注カラーの復刻)などもある。またファイヤーグローも’70年代と近年では色調が異なり、昔の塗装はオレンジの色味が強い。私のグレコ(改)もラッカーでオレンジ系のファイヤーグロー+黄ばみを加えたクリアをトップに吹いて経年劣化を表現している。

私がベースについてずっと拘っているのは「居てもわからないのがベース、居なければわかるのがベース」ということである。びっくりするような演奏よりも、しっかりボトムを抑えた安定感のある演奏に魅力を感じる。「平凡の中の非凡」という感じだろうか。

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