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松村和子1/松村和子 (‘80)

松村和子1/松村和子 (‘80)
個人的に愛聴している一枚。当時、長い髪に和服をアレンジした衣装で三味線を弾きながら熱唱する姿には度肝を抜かれた。何よりも歌唱力が桁外れであった。やはり民謡などの音楽を経験した方は根本的に違う何かがあるのだろう。
彼女の音楽は「演歌」と捉えられていると思うが、アルバムを通して聴くと、アレンジや三味線、尺八といった和楽器の使い方や、ベースのフレーズなどはロックである。

彼女のデビュー曲であり、大ヒットにもなった「帰ってこいよ」を良く聴いていただければ、そのロック風味がわかる。TVではオーケストラをバックにして、曲の間奏を短くしていることもあり、歌謡曲っぽい雰囲気になっているが、このアルバムを聴くと以下の点が非常に興味深かった。

①三味線のフレーズのリズムが、ドラムのハイハットのリズムとシンクロしている。
②三味線はフレットレスなので、グリッサンドをした時の音程の上がり具合がスライドギターに近い。
③ベースのリズムが16拍子になっており、サビ前などでウラ拍を感じるフレーズがある。

裏ジャケット
この当時18才
歌詞カード

40年経った近年、三味線を肩から下げたかつてのスタイルでの映像を観たが、当時のままのキーでの歌唱は素晴らしいの一言に尽きる。
ある意味、ボニー・レイットの演歌盤という捉え方もできるかもしれない。

ちなみにDiscogsでのカテゴリーはSoul / Funkとも記載されている。

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