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イ・ラ・ファミリア/ノリ (‘06)
Y La Familia … Ya Tu Sabe / N.O.R.E. (‘06)
今回は‘00年代半ばに起こったレゲトンのブームのきっかけになった一枚、ノリ(ノリエガ)のイ・ラ・ファミリアを紹介させていただこう。
レゲトンというカテゴリーをご存知ではない方にざっくり説明させていただくと、’90年代にスペイン語によるダンスホール・レゲエがプエルトリコで発展したのがレゲトンであり、基本になるのはトレシージョというリズムである。
レゲトンのリズムは、サルサの元になったソンのリズム〜3−2(2−3)のクラーベと同様に、3−3−2のトレシージョが基本になっている。そこに四つ打ちのバスドラが加わり、それが独特のノリになっている。さらにスペイン語によるラップが加わりレゲトンになった。
ちなみにSpotifyプレミアム会員の広告BGMのリズムがレゲトンである。
本作はそんなレゲトン初期を代表する一枚であり、ノリエガ(のちにノリに改名)をはじめ、ダディ・ヤンキーやニーナ・スカイなどの名を知らしめるきっかけとなった作品である。ノリエガはニューヨークのクイーンズ出身のラッパーであり、母親がプエルトリコ人であったため、かねてから自身のルーツに興味を持っていた。そんな経緯もあり、レゲトンがアメリカでヒットする基盤にもつながった。また本作にもフューチャリングされているダディ・ヤンキーの「ガソリーナ」も大ヒットとなり、ますますレゲトンが注目される一因となった。
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当初はCDを所有していたが、後に中古店でアナログ盤を発見し購入に至った。今となっては20年近く前のブームでもあるが、アメリカのブラックやヒスパニックの音楽の一断面としての意味合いは強い。
世界的ヒットとなった「オイェ・ミ・カント」をどうぞ。
ダディ・ヤンキー「ガソリーナ」のPV。
「オイェ・ミ・カント」の歌詞にある「Boricua, Morena, Dominicano, Colonbiano, Boricua, Morena, Cubano, Mexicano」のBoricua〜ボリクァはプエルトリコ人、Morena〜モレナは褐色肌の女性の意である。
Spotifyのプレビューはこちら。
おまけとしてファニア・オール・スターズのボビー・ヴァレンティンの「ソイ・ボリクァ」をどうぞ。
ズッケロの「バイラ・モレナ」もついでに。
クラシックロックとラップのファンの方には、なかなか相容れない部分でもあるが、音楽の背景やルーツを辿っていくと、いろいろな部分の共通点が見えてくるのが興味深い。
同じスペイン語のラテン・ポップとして有名なリッキー・マーティンの「リヴィン・ア・ヴィダ・ロカ」は、郷ひろみによって「ゴールドフィンガー99」として近所のおばちゃんにまで浸透した。郷ひろみファンのおばちゃんが、’60年代のニューヨーク・サルサに到達するのも時間の問題である。