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個人事業主になる

金貸し、情報屋、ガス屋、木こり、役人。

これが今まで主に経験してきた職歴だ。
お世話になった会社を説明するとかなり時間を要するので、簡略化するとこうなる。

それが勤め人を卒業し、4月から個人事業主となる。

「なんでまたこんなコロナ禍の時期に」「安定した仕事をしているのに」「勇気ある決断だ」などといろいろなお言葉を頂戴したが、流れとしてはこうだ。

・趣味の登山・自転車・ランニングを生かしたものを仕事にできないか
・最後の仕事は任期付きでいずれまた違う仕事を探さなければならない
・勤め人の木こりではなく個人でやれないか
・地元の景色がきれいで友人を呼んで遊んでみると感嘆の声が上がる
・この何気ない日常をほかの人にも味わってもらいたい
・住んでいるところは空き家がたくさんあり、古い建物が好きな人間として 
 はもったいないと常々思っていた
・今年壊そうとしている建物があり、使わせてもらえないか聞いてみたら関
 係者が快諾してくれた
・仕事、趣味問わず自分の経験してきたこと、これまでお話ししてきた人た
 ちの考えややり方などを自分に落とし込んでいけばやっていけるのでは

簡潔に書いてみると短絡的に見える。が、偽らざる流れや気持ちである。

器用貧乏。
それなりに仕事をこなし、趣味のスポーツ(サッカー・登山・自転車・ランニング)もさして突出したところまではいかない自分はまさにビタビタに当てはまる言葉だ。

一番長かった職歴の情報屋も人に言わせれば「ただ見聞きしているだけ」「人のいやなところに手を突っ込む仕事」「つぶしのきかない仕事」などあまり良いことを言われなかったこともあったが、その後別の仕事をするようになって「大局を見て俯瞰し物事を客観的に判断する」ことがどんな業務にも役立つことが分かった。今自分は何をすればよいのか考え、実践することで様々な仕事をそれなりのクオリティでできたんだと思う。

この考えを持たずその後の木こりをやっていたら、体力に身を任せるだけで玉砕し、今この世にいなかったかもしれない。大きな声では言えないが何度か戦慄がよぎる体験や事故まがいの経験もした。
大げさに聞こえるかもしれないが、少し間違えれば死ぬことだって珍しくない「命を張った仕事」をしてきたことで、与えられている時間がいかに貴重なものかとも改めて知り、1日1日を大事にすることができるようになった。職人の魂にも触れることができた。

ここ数年はホテル運営の社長やガレット職人、そのホテルに出入りする各業界の方、久しくお会いしていなかった小中学校時代の先輩社長、とある企業のトレイルランニング社長ほか山遊びの人々、サイクルツーリズムに燃える関係者、ガイド、クラフト作家、林業以外の1次産業者、プロアスリート、これまで見たことのなかった事業を手掛けるの方などなど、たくましく生きるたくさんの面々に偶然にもお会いすることができた。
その力強い生きざまが、今回の決断に大きく影響を及ぼしている。

いま何をすべきか常に考え、優先順位を整理して取り組めば、個人事業主としてこれから何度も迎える重要な決断を良い方向へ向かわせることができるのではと思う。
器用貧乏を逆手にとって全方位で戦ってみる。

名将イビチャ・オシムが言っていた「考えながら走る」とは、まさにこれからの自分に当てはまる。

すでに課題とやることが山積みで悶絶しているが、今まで培った経験、そしてこれまでに出会ってたくましく生きている方々を参考にし、逆に理解しがたい考えの輩を反面教師としてこれから生きていこう。
学ぶ心も生涯忘れずに、パンクせぬよう時には現実逃避をして。

思いのたけを書いていくと超大作になりそうなので、初回は徒然なるままに。


2021年7月、アウトドアショップと宿を開業します。それと同時に木こりを含む各種作業や事務業務などを請け負います。
楽しみながら家族も無事養えるよう人生を組み立てていきます。

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