トラベルハウスアンバサダーとしてブツを受取りにいく旅①
トラベルハウスタイニーハウス使用アンバサダー就任!!
兵庫県神戸市にある株式会社自遊空間が製造する軽トラック積載のキャンピングシェル「トラベルハウス」がアンバサダーを募集する。
昨年マンディルへ遊びに来てくれた、先輩アンバサダーである中島英摩さんの投稿を見てのものだった。
タイニーハウスとして使うという役割のアンバサダー募集であったことから、前庭の広いわが店のマンディルで活用できるのではというのが発端となり、お話しをしたところなんと正式にアンバサダーに就任することとなった。すんなりいくと思っていなかったので、自分で言い出したにも拘わらず正直ちょっとびっくりしてしまったのはここだけの話。
どうせやるなら情報発信もできるしということで受け取りに行くことになった。
せっかくなら寄りたい場所とお会いしたい方へ伺うという気ままな行程その距離約2,420kmの旅。
3回に分け、文章も気ままにまとめました。
それでは第1回。どうぞ。
事の発端
軽トラック積載キャンピングシェル「トラベルハウス」のアンバサダー就任。製造元の株式会社自遊空間さんは兵庫県神戸市が本社だが、工場は三田市という神戸市の北にあるところ。ちなみに人生最西端。いままで行ったことがなくお恥ずかしながら聞いたことがないマチだった。そこへブツを受け取りに出向く。軽トラックで。
どうせ受け取るのであれば情報発信しながら、お世話になっている方ともお会いしながらトラベルハウスを持って帰りたいという話を快く受け入れていただき、今回の道程となった。
今回タイニーハウスとしてマンディルの庭に設置して使用することを情報発信するという役割のため、雪解けを待たなければ地面が整わない。お店やお家事情を鑑みて、長男の小学校卒業式の翌日である4月7日に出発することとなる。
バタバタしながらもマップを見てフェリー運航状況を見てざっくり行先を決めるとこんな感じに。
1日目 マンディル出発 苫小牧→新潟
2日目 新潟→富山→大阪近辺
3日目 神戸、大阪近辺でトレイルランなど遊ぶ。
4日目 三田でトラベルハウスを受領、その後大阪
5日目 浜松、富士宮に立ち寄った後葉山へ
6日目 葉山から栃木県へ
7日目 青森→函館
8日目 函館→マンディル到着
終わってから考えるとなんてアバウトなんだ。距離とかあんまり見ていないのがにじみ出ている計画は案の定破綻したが、アポイントを取った方にはしっかりお会いできたのでよしとしよう。
1日目 マンディル→苫小牧 360km
今回取りにいくトラベルハウスは軽トラックに積載するもの。
取りにいくにはもちろん車両を用意しなければならない。さすがに新たな軽トラックを調達するほどまだ事業主としては余力がない。トラベルハウスを地面に設置するのでしばらくは動かさないこともあり、今回は軽トラックを別の方からお借りすることに。
地元である北海道清里町は農業の町。農業に携わればきっと所得に困らないからか、観光には正直なところ力が入っていないところだ。そんなことは今話すことでもないが、軽トラックはふと見れば走っている。ちょうど春の農作業が本格化する今のタイミング。そんななか借りたいとはなかなか言えない。兵庫県までブツを取りにいくなんて意味の分からない話はたぶん断られるだろうし。
ということで、以前から交流のあったお隣り弟子屈町の屈斜路湖で漁をしている方に車両をお願いすることにした。ものすごく細かいことが得意な方でトラベルハウスを見てみたい(個人で作りたいから)というところもあって快く引き受けてくださり、貸していただいた。
いたがきさん、ありがとうございました。
そしていよいよ4月7日の7:00に車両を受け取り、無事スタート。
長い道のりの始まりだ。
道内の移動は何も感じることなくマンディルから苫小牧東港まで約360km。
慣れとは怖いものだ。北海道でのこの距離はもはや不感症になっている。何も考えず着いてしまった1日目だった。見どころはもちろんあるのだろうが、ただひたすら移動のみとなったため特に見向きもせず。
朝ごはんを買うために上士幌町の新築道の駅に寄ってパンを買う以外どこにも寄らずじまい。鹿追町、清水町、新ひだか町、平取町で通った数あるスポットたち、申し訳ない。
雨も降っていたが余裕をもって苫小牧東港のフェリー乗り場に到着し、その後は優雅な船旅を楽しんだ。
電波はないと聞いていたが、日本海側はたまにあるみたい。フリーWi-Fiを使わせてもらいながらぬくぬく過ごしてしまった。
まあこれからタイトなスケジュールだからよしとしよう。
2日目 新潟→金沢 340km
2日目は新潟港からスタート。舞鶴まで乗ればよいのだが、乗りたい日時に就航しておらず、道すがらをせっかくだから楽しもうというよせば良い選択をした。一度も行ったことのない場所に行けるというのは萌えるものだ。
新潟は釧路のでっかい版だなとか思いながら、歴史ある建物や見たことのない植生で楽しくなってしまい、瓦屋根や漁師さんと思しきお宅の作りを見入りつつ。
「信長の野望」で培った知識しかない越後国。柿崎地区は柿崎景家(強い武将)の領土なのかという独り合点や、これ、国道なんですねっていう細さの道を噛み締めているとあっという間に時間が過ぎていく。
これは軽トラのスピード塩梅もあって新潟を出るのに1日かかってしまう。
残念だが下道オンリーを諦め上越市から高速道路へ乗り込んだ。そりゃそうだ、今日の走行はマンディルから札幌までと同じくらいの移動距離340km。下道で行けば6時間はくだらない距離感だもの。
桜が満開で桃源郷みたいな能生(のう)、フォッサマグナ糸魚川、不夜城みたいなデンカ青海工場を尻目に富山県へ。
今は東京と広島の瀬戸田を行き来する富山美女にオススメされたショップ「ounce」さんに突撃し、店頭の押田さんとご挨拶。勉強させていただきました。
その流れで高岡市のトレイルランニングショップ「sally running dept」さんへさらに突撃。店長はちょうど週末に行われる統一地方選挙のお手伝いで不在だったが、奥さんとちょうど来たお店の常連さんとご挨拶しつつ談笑。軽トラックと変な髭を生やしている不可思議なハーフパンツ姿のおじさんの様相で驚かせてしまったが、なんやかんやたくさんお話ししていただいた。突然の訪問にもかかわらず本当にありがたいことだ。
戦火を逃れたという町並みや建物も相まって、素敵なお店だった。
北海道の補給食をお土産にお渡しするとお返しにお醤油をいただいてしまい、おもてなされてしまった。そして気づけば17:30。時間足りん。
お店を出てから少しでも目的地に近づけるよう加賀100万石の金沢市で2日目の移動は終了することとした。
北海道では感じなかった長さを2日目の本州ではしっかり味わった。そりゃ道幅も北海道の半分だから気は使う場面が多いしな。
初見で楽しいから苦しさを感じないのは、やはり感覚がおかしくなっている証拠なのだろうか。
トラベルハウスを受領する前の日程は当初軽トラックの荷台でツェルト(ヘリテイジのクロスオーバードーム)で寝るよう準備してきたが、金沢に入る前からスコールのような雨。早々に諦め、町家をリノベーションしたゲストハウスに身を寄せて明日に備えた。
3日目 金沢→三田 340km
いよいよトラベルハウスの受領、アンバサダー就任は明日。
移動距離はさほど変わらないないながらも本州の道は北海道よりも時間がかかる作りなので、今日は寄り道をせずにしよう。できるだけ。
とはいえせっかく陸路を選んだのだから、昨日のように目移りせず当初決めていたところへ。
マンディルへお客様として来ていただいた以降、交流が続いているご夫婦のおススメ(奥さんの出身地)山中温泉へ向かう。
前日から数々のそそられる温泉の看板を泣く泣くやり過ごしてきた今回、待望するところだった。
5:30くらいに目が覚めてしまう習性を活かして、早朝に金沢で観光ランができたことと天気の良さ、道路の走りやすさも合わさって気分は上々。
そして現地。
良い。説明しつくせないが、良い。
金沢が100万石なら山中温泉は200万石くらいの心証だ。
開湯から1300年近く。歴史に対する尊敬とあふれ出る温泉街の幸せオーラがそう感じさせる。
金沢市民としては奥座敷的な扱いなのだろうか。北海道で言うと札幌市の定山渓。旭川市の高砂温泉。
建物は直し直しでとはいうもののとても中はとてもキレイ。毎日お湯を抜いて清掃もしていて清らかなのが伝わってくる心地よい空間だった。ずっといたい。
1つ聞いたら8つくらい返してくれる番頭のお母さん。最高です。空き家もあるから移住しちゃえばなんて恐ろしいキラーワードも。空き家には敏感な体質の身には危険なお誘いだ。
歓迎されるも先を急ぐため、軽トラックを貸してくれたいたがきさん渡す用の松浦酒造の日本酒、酒かすを抱えて、いざ関西へ。
今度はここをメインとして訪れたいと心に秘め、車を進める。
多少の峠道はあったものの大きな道路に出ると格段と走りやすい。
途中にいた白い鳥(コウノトリ?)のコロニーなんてのもあり、ホクホクの気持ちで琵琶湖西岸へ突入。初琵琶湖、これは海だ。
前出の中島英摩さんはつい先日琵琶湖1周200kmをランニングで完遂している。ヨーロッパで行われる330kmのトレイルランニングレース(トルデジアン)を完走してはいる御仁ではあるが、うん、おかしいな。
バイパスが通っているため順調に足を進めるが、京都はどうしたって抜けるには時間がかかりそう。
部分的に高速へ乗って、できるだけ目的地の三田市に近づこうと決心するも関西に入って突如周りの車が明らかにテンポアップ。
そしてGOOGLEさんのフェイント案内に引っかかって高速乗り込み失敗、途中離脱を繰り返し悶絶。
横から隙間にねじ込んでくるような関西流の運転に神経すり減らしながらもなんとか前へ進ませる。荒波に揉まれているかのようだった。
なんとか京都を抜け出し、高槻市・茨木市などの大阪北部をすり抜けて閉店ギリギリながらも箕面市のトレイルランショップ「unite」さんへ突撃。初対面にもかかわらず、オーナーの田所さんにもご挨拶してお話しさせていただき、ショップカードを置いてもらうというプチ営業も織り交ぜながら本日はバーンアウト。
スーパー銭湯があるみたいなので三田市にもう少し近い宝塚市へ向かい、明日へと備えることとしたが、刻々と迫る受け取り時間に不安を感じ、結局三田市まで夜中移動したのだった。
つづく。
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