幻冬舎文庫「シェアハウスかざみどり」を読んで
幻冬舎文庫「シェアハウスかざみどり」
著者:名取佐和子
貴方は風見鶏の七不思議を御存知ですか。
幸せを呼ぶかもしれない、不思議な言い伝えです。色々な人や物を引き寄せ、はたまた目には見えないものも引き寄せてくれます。
詳しくは小説を読んで頂き、確かめて下さい。
管理人と3人の住人が住むベイリー邸と呼ばれる風見鶏が目印の古びた洋館に新しく1人の住人加わる所から物語が始まります。
各章、リレーの様にバトンを繋げ、最後の[終章]で全てが明かされます。
物語の中で実は全てある人物と繋がっていた事は読み進めていくと分かりますが、人の縁は巡り巡って自分自身の元に返って来るのだなとこの本を通じて書かれています。
人それぞれ悩みや忘れられない過去があります。でも、ちょっとした言葉掛けや人との出会い、ふとしたきっかけでもやもやを晴らしてくれるような心に響く物語です。
生きていると他人同士が干渉しないでいることは難しいですね。
誰がかそばに居てくれること、寄り添ってくれると思うと安心します。
号泣とまではいきませんでしたが、ホロリと涙する話に胸がじんわりと熱くなります。