第33号『安全運転の真髄 ― ベテランドライバーが教える『アクセルで曲がる』驚きの技術論』
2014年8月1日配信(発行部数 377部)
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発行人の「車の修理屋たけしくん」です。
自動車の本来の性能を引き出す調律師です。
明らかに調子がおかしいのに「こんなものです」で片付けられていませんか?
適切に整備された車はとても調子がよく、一般的に考えられているよりずっと長寿命なんですよ。
僕はあなたにクルマを、そしてモノを大切にして欲しいと思っています。
プロの整備士の目線で役立つ情報を配信しようと思います。
さて、今回は第33号
『安全運転の真髄 ― ベテランドライバーが教える『アクセルで曲がる』驚きの技術論』
です。
「ハンドルで曲がるな!アクセルで曲がれ!」
25年前、自動車運転を指導してくださる先輩の思いがけない言葉に戸惑いました。
もちろん自動車は、ハンドルを切らないと向きが変わりません。
しかし、そのハンドル操作は曲がるきっかけに過ぎず、カーブを曲がり終わるまではアクセル操作でタイヤのグリップ力をコントロールします。
一般に 『荷重移動』 と呼ばれていますね。
上手なドライバーになればなるほどカーブを曲がっているときにアクセルを踏んでいる時間が長く、「アクセルで曲がる」と表現される所以です。
上手なドライバーは、タイヤが持つ高い能力を十分に引き出します。
カーブの手前、制動で発生したエネルギーをタイヤを路面に押さえつける力とし、ハンドルとアクセル操作でその力を効率よく残す技術。
「アンダーステア」と間違って表現される単にカーブを曲がり切れずに走行ラインが外側に膨らんでいく運転の場合、アクセルを踏み込むことができず、ハンドルと不十分なタイヤのグリップ力に頼ります。
また、「オーバーステア」と間違って表現される単にスピンに陥りそうになる運転も然りで、アクセルを緩めてしまい、進行方向修正のためのハンドル操作に意識をとられてしまいます。
制動はカーブを安全に曲がる速度まで落とすというより、タイヤの持つ本来のグリップ力を引き出すためのエネルギー変換。
それに、適切なハンドル操作、アクセル操作などの精緻な技巧が加わり、一連の滑らかな走行を実現できます。
これらは駆動方式に無関係で、前輪駆動、後輪駆動、四輪駆動、どれも基本は同じです。
安全運転技術は一朝一夕にはならず、基本の上に延々と繰り返す鍛錬が必要です。
非常に容易に装着される、ハイグリップタイヤ、硬いコイルスプリングに硬いスタビライザ、遊びの少ないサスペンションアーム、小径ステアリングなどは、全てドライバーの操作に対して自動車の動きが過敏です。
過敏さゆえ、動きがシャープに感じ、運転がうまくなったと錯覚しがちです。
上級ドライバーだからこそ使いこなせる極端な装備を基本を知らないドライバーが一般公道で使うのは大変危険。
不恰好だからとプルークボーゲンを軽視し、高価な用具を装備してパラレルに移行してはならないのです。
《第33号「安全運転の真髄 ― ベテランドライバーが教える『アクセルで曲がる』驚きの技術論」おわり》
それでは、次号をお楽しみに。最後までお読み頂きありがとうございました。
◆たけしくんコメント◆
ラリー初心者の頃は、とにかく「フロント荷重」を先輩方から指導されました。
一番最初の練習は、
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