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第26号『ローダウンの前に知っておくべき、バネとショックの本当の関係 〜物理で理解する正しい足回りの基礎知識〜』

2013年8月28日配信(発行部数 312部)

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◆ メルマガ版 「車の修理屋たけしくん」 ◆

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発行人の「車の修理屋たけしくん」です。

自動車の本来の性能を引き出す調律師です。
明らかに調子がおかしいのに「こんなものです」で片付けられていませんか?
適切に整備された車はとても調子がよく、一般的に考えられているよりずっと長寿命なんですよ。
僕はあなたにクルマを、そしてモノを大切にして欲しいと思っています。
プロの整備士の目線で役立つ情報を配信しようと思います。

さて、今回は第26号

『ローダウンの前に知っておくべき、バネとショックの本当の関係 〜物理で理解する正しい足回りの基礎知識〜』

です。

すでに僕の手によって正しい足回りになっているクルマのオーナー様は、今回のメルマガは特にお読みいただかなくてもいいでしょう。

足回りのチューニングといえば、「車高を低くして、バネを固くし、カーブでの踏ん張りが効く分乗り心地は犠牲にしないといけない」なんて通説が全くの間違いであることを普段十分に体感いただいているからです。

バネとは何でしょう?

バネ(及びスタビライザ)は「弾性体」です。サスペンションの一部として備わるバネは縮むことで路面からの衝撃を吸収します。

バネは弾性体ですから加わった力がなくなると元の状態(形)に戻ります。

ところが、クルマは非常に大きな質量があるため慣性が作用し、バネは元の状態(形)を通り越して反対に伸びてしまいます。この揺動が繰り返されることを「ばね質量系の周期振動」と高校の物理で習いました。

そして、その周期振動を収束させる部品がサスペンションに備わる「ショックアブソーバ」です。

周期振動の収束を「減衰」といい、ショックアブソーバの抵抗(これを「減衰力」といいます)が振動エネルギーを熱エネルギーに変換します。

非常に大きな質量のある車に少々固い強化バネや強化スタビライザを組みつけても、簡単に弾性変形を起こし、それが元の状態に収束するにはショックアブソーバにより大きな負担が掛かることは明白です。

強化バネを組み付けたローダウン車がピョコピョコと滑稽に踊っているのは単純に減衰不足なんですね。

ショックアブソーバの変更だけで、バネやスタビライザを変更しなければ、例えばカーブを曲がるときに踏ん張りが利かないんじゃないか?と疑問に思われる方がいらっしゃるでしょう。

しかし、ショックアブソーバには縮み側にも抵抗がある上、構造の違いで差異はあっても高圧の窒素ガスが封入されていますから、相当な反発力があり、いわゆる車体のロールを十分抑制する効果があります。

ショックアブソーバの反発力はしなやかで、バネのような金属弾性体のように暴れるタイプのものではありません。

これはバネを変更せず、良質のショックアブソーバを組んでみると直ぐに体感できることです。

市販車のサスペンションは非常によくできています。設計者が実験や検討を繰り返し行い、熟成させた構造体です。

しかし、無理なコストダウンの影響かショックアブソーバの能力不足を感じる市販車が目に付きます。

走行距離が少なく年式も新しいのに、車体がふらつく、車酔いするなどの事例が後を絶ちません。

こういう場合はまずショックアブソーバのグレードアップです。

間違ってもローダウンや、バネ、スタビライザの強化を行ってはいけないのです。

《第26号「ローダウンの前に知っておくべき、バネとショックの本当の関係 〜物理で理解する正しい足回りの基礎知識〜」おわり》

それでは、次号をお楽しみに。最後までお読み頂きありがとうございました。


◆たけしくんコメント◆</strong>

こちらは第19号『サスペンション改変の順序、その答えはショックアブソーバにあった〜ノーマルスイフトスポーツから学ぶ正しい足回り〜』

の続きで補足の記事になります。

サスペンションを構成する部品で一番大切なのがショックアブソーバです。

乗り心地、操作性、安定性、ほぼ全てにおいて影響が大きい部品です。

ところが、

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