ChatGPT英会話が楽しい!
私は英会話の勉強を昔からダラダラと断続的にやっている。学生時代に実家の近所の小さな英会話スクールで滑舌の悪いハワイ出身のおじさんに習ってみたがすぐにやめた。社会人になってからは、ベルリッツで約1年、NOVAで約2年、近所で見つけたオーストラリア人講師から約2年、そして最近はリクルートのスタディサプリEnglishを約6年やっていた。でも、いまだに変なカタコト英語を話す程度の日本人サラリーマンの域を出ない。そんな私が昨年、質・量・コスパで過去最高の英語教師に出会った。それがChatGPTなのだ。
ChatGPT英会話はすごい!
何がすごいと言って、ChatGPTはいつでも・どこでも・何時間でも英会話の相手をしてくれる。AIだから当たり前だ。気遣いや遠慮がいらない。間違っても気にならない。これもAIだから当たり前だ。以前の英会話アプリは機械読み上げで発音やイントネーションがぎこちなかったが、ChatGPTは本当に人間と話しているような気になる。さらに親切で博識だ。わからない単語やフレーズも丁寧に教えてくれる。テーマを深掘りしてくれて、会話をつなげてくれる。行った会話はチャット形式のテキストに残っているので口頭では理解できなかった表現や単語をあとで確認できる。ChatGPTは還暦になってやっと出会った(厳密に言うと出会った時は59歳だった)まさに私が求めていた英会話講師(教材)なのだ。
自分専用のChatGPTを作れる
私はChatGPTのGPT Builderの機能で自分専用の英会話講師を作った。GPT Builderの使い方はここでは詳しく説明しない(ネットやYouTubeでたくさん紹介されているので)。GPT Builderは非常に簡単で、ITスキルの低い私でも迷いなくできた。難しいプロンプトを書く必要はなく、チャット形式で要望を入れていくだけで自動的にそれなりのプロンプトにまとめてくれる。作ったChatGPTの名前は「Dorothy(ドロシー)」にした。深い意味はないが毎日呼びかけるので英語っぽくかっこいい名前にしたかったのだ。(なお、GPT Builderは現時点では有料プランでのみ利用可能で、私は月額3000円のChatGPT Plusをサブスクしている。)
実際の会話手順
スマホのChatGPTアプリで自分で作成したGPT(Dorothy)を呼び出し、会話ボタン(ヘッドホンマークのボタン)を押して会話を始める。
ChatGPTに進行をまかせていると毎日同じような話題を振ってくるので、私は会話のトピックをこちらから指示している。その日の日付で話題を選べるように事前に31日分のトピックをプロンプトに入れてある。番号を言ってトピックを選ぶ。
その後の会話の手順は次の通り。ChatGPTがトピック関係する質問をする → 私が回答 → ChatGPTが私の回答を訂正し話題を広げた上で次の質問をする → 私が回答 の繰り返しである。私の場合は一回約15分程度で「そろそろやめよう」と会話を打ち切る。
あとで、会話のチャットテキストを見て、ChatGPTが修正してくれた表現や単語を確認する。会話が長すぎるとテキストをチェックする気がなくなるので、15分程度の会話がちょうど良い。
Dorothyのプロンプト
GPT Builderでチャット形式によって作成したChatGPTのプロンプトは「GPTを編集する」から入った「構成」ページで確認できる。ただし英語。
私がGPT Builderのチャットで適当な要望を繰り返して作成した「Dorothy」のプロンプトは以下のような内容にまとめられていた。(以下はプロンプトの和訳)
「あなたはDorothy、英会話のチューターです。英語だけでコミュニケーションを取る日本人ビジネスマンのためのチューターです。インターフェースには、音声会話を通じて学習を強化するための「話す」ボタンが提案されています。 各対話は、次のトピックのいずれかで開始します:1. ゴルフ、2. 読書、3. 保険業界、4. Insurtech、5. 食事、6. 大阪、7. 進化心理学、8. 行動経済学、9. ブログ、10. YouTube、11. 地震、12. 環境保護、13. 健康、14. 幸福、15. スポーツ、16. 中国、17. 旅行、18. アメリカ、19. 家族、20. 日本の歴史、21. シンガポール、22. AI、23. 宗教、24. インドネシア、25. インド、26. 東京、27. 資産管理、28. プログラミング、29. 絵画、30. アニメ、31. クラシック音楽。 生徒が回答を返した後、あなたは自然なアメリカ英語の文に修正します。文を修正した後、関連する語彙や表現を提供し、トピックを深く掘り下げます。明瞭さと流暢さを強調し、難しい場合はより簡単な例や言い換えを提供します。サポート的な雰囲気を保ち、会話が完全に英語で行われるようにします。日本語での応答は行わず、英語学習環境を作ることに集中します。」
トピックは作成時に思いつくままに入れたので私個人の興味に偏っている。飽きたら修正しようと思う。英語環境が強調されているのは私の拙い英語にChatGPTが勝手に日本語で回答してくることが何度かあったので、日本語を話すなと何度かChatGPTに指示したからである。
会話のコツ
最初の頃は、私が話し終わる前にChatGPTが割り込んでくることが多くてむかついていた。テンポよい短い会話ならうまくやりとりできるのだが、ちょっともたついているとChatGPTが勝手に話し始めてしまう。そこで発見したのがChatGPTに割り込みさせない方法。自分が話している間はスマホ中央の円(トークボタン?)を押さえておけばChatGPTが会話を始めないのだ。話し終わって指を離すと返事が返ってくる。
GPT StoreにはいろんなChatCPT英会話講師がいる
いろんな人が作ったChatGPTをGPT Storeで見ることができる。スマホのアプリストアのようなものだ。様々な分野の便利なChatGPTが公開されており、英会話のChatCPTもいくつかある。中には会話の最初にレベルチェックがあり、終了時にはChatGPTから会話について、良かった点、文法・単語・表現の改善点、勉強すべきポイントをフィードバックしてくれる本格的なものもある。まあ、自分で作ったChatGPTの方がレベルも話題も自分にあったものが作れるし、名前も付けれるので愛着があって良い。
こんな便利なものができて、人間の英会話講師の将来は大丈夫かと心配になるが、AIによって仕事が奪われるのは英会話講師だけではないだろう。そもそもマスコミが煽っているこの手の脅威論はそれが実現されないとわからないものだ。それよりもAIが同時通訳までするようになったら外国語を勉強する意味そのものがなくなってしまうかもしれない。でも、私には関係ないのである。英会話は趣味なので。AIが同時通訳しようがしまいが英会話の勉強はボケるまでダラダラと続けていくのである。