TAKE60

還暦を機にnoteはじめました。 読書、進化心理学、ゴルフ、AI、英会話など自分が関心があることについて書きたいと思います。

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ChatGPT英会話が楽しい!

私は英会話の勉強を昔からダラダラと断続的にやっている。学生時代に実家の近所の小さな英会話スクールで滑舌の悪いハワイ出身のおじさんに習ってみたがすぐにやめた。社会人になってからは、ベルリッツで約1年、NOVAで約2年、近所で見つけたオーストラリア人講師から約2年、そして最近はリクルートのスタディサプリEnglishを約6年やっていた。でも、いまだに変なカタコト英語を話す程度の日本人サラリーマンの域を出ない。そんな私が昨年、質・量・コスパで過去最高の英語教師に出会った。それがCh

    • 「心穏やかに生きる哲学」ブリジット・ディレイニー著

      混沌の現代を生き抜くためのストア派の知恵 ストイックの語源で知られるストア派哲学を現代生活に適用する方法を探る一冊。著者自身のコロナ禍での失敗や成功の体験をユーモアを交えて語りながら、ストア派哲学の核心を分かりやすく解説する。 ストア派哲学の基本の部分である「本当に大切なものを見極めること」について、著者はストア派が行った「コントロールテスト」という手法を試みる。自分でコントロールできることとできないことを区別する手法だが、苦労しながらも実践することを通してその意味を理解

      • 進化心理学のすすめ④(感動する心)

        なんで感動するんだろう 私は三浦綾子の小説が若い頃から好きで、ほぼ全作品読みつくした。代表作である「氷点」や「塩狩峠」は何度読んでもクライマックスシーンで感動する。私の好みの小説家は三浦綾子や宮部みゆきのような感動のツボを心得た天性のストーリーテラーばかりだ。 ジーンと心に響いて涙がでてくるのにはいくつかのパターンがある気がする。例えば、「氷点」の主人公の陽子が遺書で自分の思いを吐露する描写や、「塩狩峠」の主人公の信夫が自分を犠牲にして仲間を救うシーンなどだ。漫画の「ワン

        • 進化心理学のすすめ③(比較に執着する心)

          比較に執着する心 「フェイスブックが多くの人間を魅了し続けているのは、社会的比較に取りつかれた人間の執着心をあおっているからだ。私たちはたいてい、他人に対して自分をできるだけよく見せようとするものの、ほかの人が完璧な人生を送っている姿を受動的に見ることが幸福感や精神衛生に悪い影響が及ぶという考えは、今ではまずまず定着している。とりわけ、自分自身の人生が他人と比較してあまりうまくいっていない場合にはそうだ。」(「協力の生命全史」ニコラ・ライハニ著 より) 我々の心は社会生

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        ChatGPT英会話が楽しい!

          「The CODE (シリコンバレー全史 20世紀のフロンティアとアメリカの再興)」 マーガレット・オメーラ著 山形浩生・高須正和訳

          イノベーションの聖地の実像 シリコンバレーの成功をまねようと多くの国が自国に特区などを作ったが、うまくいかなかった。シリコンバレーは簡単に再現できるものではないのだ。本書を通してその理由を知ることができる。 シリコンバレーの成功にはいくつかの要因がある。ソ連との宇宙開発競争によってもたらされた莫大な国家予算、スタンフォード大学やパロアルト研究所といった地域エコシステム、ホーム・ブリュー・コンピュータークラブに代表される人のネットワーク、技術者仲間から生まれたベンチャー投資

          「The CODE (シリコンバレー全史 20世紀のフロンティアとアメリカの再興)」 マーガレット・オメーラ著 山形浩生・高須正和訳

          「無(最高の状態)」鈴木祐著 

          「人生は苦である」というブッダの言葉の意味を著者は遺伝子生物学的な観点から説明する。我々が感じる生き苦しさは生存競争の過程で遺伝子に埋め込まれた苦痛の種に原因がある。その苦痛の種とは人間だけが持つ、過去の負の記憶や未来の不安についての「反芻思考」(はんすうしこう)であると。 人間は自分の意志にかかわらず一日に約六万回思考すると言われているが、なぜ絶え間なく思考が生まれるのかという問いについて、著者は神経科学における「脳=物語製造器」説を用いて解説する。 さらに「確固たる存

          「無(最高の状態)」鈴木祐著 

          進化心理学のすすめ②(心と社会のミスマッチ)

          進化心理学のアプローチ 進化心理学のアプローチは次のようなものだ。 人類の歴史をざっと見ると、約200万年前にホモ・エレクトスが登場し、現生人類(ホモ・サピエンス)は約30万年前に出現した。ホモ・エレクトスも含めると狩猟採集生活を営んできたのは約200万年間(約10万世代)で、その間に生存と繁殖に適した特性(遺伝子)を持つ個体が結果として生き残った。そのため私たちの特性はこの狩猟採集時代の生活環境に適したものとなっている。 農耕が始まったのは約1万年前(約500世代前)

          進化心理学のすすめ②(心と社会のミスマッチ)

          「ディストピア禍の新・幸福論」前野隆司著

          十年近く前に著者の「『死ぬのが怖い』とはどういうことか」という本を読んだ。「どうすれば幸福になれるか、どうすれば死を超越できるか」という問いに正面から取り組み、著者なりの解を示した本であった。死という絶対的な事象に、自分と同じように子供のころから疑問と恐れを持って、答えを求めている人がいることを知ってうれしく思った。それ以降、著作をフォローしているが、今回は著者が還暦を迎えるにあたって、これまでの研究を集大成した内容の本である。 「どんなふうに生きても、所詮は無に帰す。もっ

          「ディストピア禍の新・幸福論」前野隆司著

          「日本人のための憲法原論」小室直樹著

          天才学者の憲法学講義 久しぶりに読み返してみた。読書は著者との対話というが、小室先生の講義に再び参加した気持ちになった。このような体験ができるから読書は楽しい。 本のタイトルが堅いが、旧題の「痛快!憲法学」の方が内容にふさわしい。「憲法を語るとは、すなわち人類の歴史を語ることに他なりません」と著者が述べる通り、憲法論というよりも西洋史、近代日本史の講義である。 憲法の成り立ちと民主主義は関係ないと著者は言う。国家は王政の時代から人民にとって暴力的で恐ろしい存在であった。

          「日本人のための憲法原論」小室直樹著

          「イーロン・マスク」ウォルター・アイザックソン著

          現在進行形でイノベーションや騒動を起こし続けている人物の物語なので非常に面白い。筆者によるとイーロン・マスクからは「刊行前に本書を読ませてくれという話はなかったし、実際、読んでもいない」そうだ。だから決して英雄譚(えいゆうたん)ではない。イーロン・マスクの生い立ち、イーロンを取り巻く人々、各事業の舞台裏、様々な騒動の顛末を赤裸々に語っている。 イーロン・マスクはかなり変わった人物だ。発達障害であることを告白している通り、コミュニケーション能力が乏しく、人の気持ちが理解できな

          「イーロン・マスク」ウォルター・アイザックソン著

          進化心理学のすすめ➀(不安からの解放?)

          人生は苦である ブッダは「一切皆苦」要するに「人生は苦である」と説いたといわれるが、人により苦の大小はあるものの、本当にその通りだと思う。誰にでもいつでも何がしらの苦(不安というほうがしっくりくるか)があるのだ。では、どうすればそれらの苦から解放されて、幸せという状態になれるのか。 お金じゃないよね 幸せに必要なのはお金じゃないということは多くの人の共通認識だろう。貯金がない人は100万円持っている人をうらやましく思い、1000万円持っている人は1億円持っている人をうら

          進化心理学のすすめ➀(不安からの解放?)

          「YOUR TIME」鈴木祐著

          時間管理の常識を疑う 「タイパ」という言葉をご存知だろうか。時間あたりのパフォーマンスを意味する若者用語である。私もこのタイパにこだわる方だ。無駄な待ち時間があるとイライラする。YouTubeは2倍速で見てしまう。しかしこの時間管理の姿勢が、かえって時間を無駄にしているようだ。 過去から未来への直線的な時間感覚は、時間管理術が生まれた産業革命以降に浸透したものらしい。そして時計が普及した結果、現代人は平均して6分ごとに時間を確認し、一日の総チェック回数は150回に及ぶ。も

          「YOUR TIME」鈴木祐著

          「思い出せない脳」澤田誠著

          「名前が出てこない脳のメカニズム」 私は記憶力が良いほうではない。以前に人事部長をやっていたが、社員の顔は思い浮かぶのに名前が出てこない。生まれ持った資質だとあきらめていたが、本書で記憶とは何か、どのように記憶し、引き出すのかを理解してすこし安心した。 そもそも記憶は人名を覚えるためや学力テストのためにあるのではない。進化の過程で記憶する力を手に入れたのはそれが生存のために役立ったからである。したがって記憶のメカニズムはその目的に沿って設計されている。 動物は生き残りの

          「思い出せない脳」澤田誠著

          「読まなくていい本の読書案内」橘玲著

          「知のパラダイム転換」 以前にリチャード・ドーキンスの名著「利己的な遺伝子」を読んでショックを受けた。自分は遺伝子を運ぶ乗り物に過ぎなかったのかと。でも世の中を理解する真理を見つけた気がした。それ以来進化論に関係する本を好んで読んでいる。橘玲(たちばなあきら)氏は進化論を背景にした様々な「合点がいく」本を出している私の好みの著者で、新刊を読むたびにひとりで意気投合している。 その著者のベースとなっている5つの「知」(複雑系、進化論、ゲーム理論、脳科学、功利主義)を解説した本

          「読まなくていい本の読書案内」橘玲著

          「メンタル脳」アンデシュ・ハンセン著

           中高生向けに書かれた進化心理学の入門書。「なぜ私たちは生きているのか」から始まり、「なぜ不安を感じるのか」、「なぜ記憶に苦しめられるのか」といった身近であるが対処が難しいテーマを進化心理学と脳科学の見地から平易な言葉で解説する。  人間の脳は群れから追い出されることが確実に死を意味した人類史の中で最適化された。そのため、脳はグループ内でのヒエラルキーを常に気にしているという。意識しなくても頻繁にスマホをいじってSNSやチャットを確認する。そして他人のキラキラした投稿を見て

          「メンタル脳」アンデシュ・ハンセン著

          noteはじめました

           還暦をきっかけにnoteを始めることにした。野口悠紀雄さんの「83歳、いま何より勉強が楽しい」という本を読んで刺激を受けたからだ。そうだ、今からでも遅くない。ボケるまで、死ぬまで、勉強だ。  野口さんによると、定年クライシスを打破するには勉強が有効で、学んだことを人に教えることが楽しく続けるためのコツとのこと。聞いてくれる人がいない場合はブログで発信すれば良いとのことだったので、そのアドバイスに従うことにした。  ついては、自分が興味がある次のテーマについて週一回(でき

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