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社員エンゲージメントを大切にする理由

前回 note「キングダムに学ぶ人事論」で、会社に集ってくれた社員にどうあって欲しいのか(=願い)について、以下の内容を書きました。

“ 会社の掲げるVISIONやゴールを社員全員が理解し、自らが持つ強みや才能を自主的、積極的に発揮することでチームやクライアントに貢献している状態。社員一人ひとりが自らが取り組む仕事に誇りを持ち、その道程や成果を通じて、自らの成長や貢献を実感している状態 ”

これは社員エンゲージメントという概念に基づいています。今回のnoteではこの社員エンゲージメントについて書いてみようと思います。

社員エンゲージメントとは何か?

社員エンゲージメントは最近の人事領域で最も注目されるテーマの一つです。同テーマについて詳しく書かれた書籍「組織の未来はエンゲージメントで決まる」(新居佳英/松林博文著、英治出版、2018)によると、社員エンゲージメントとは次のような定義になります。

“ 従業員の一人ひとりが企業の掲げる戦略、目標を適切に理解し、自発的に自分の力を発揮する貢献意欲 ”

社員エンゲージメントは、社員がどれだけ会社や職場に満足しているかを定量化した社員満足度や、仕事に取り組む意欲を表すモチベーション、会社に対する帰属意識や愛社精神を表すロイヤルティとは、似ていますが異なる概念のものです。また、社員エンゲージメントは組織の様々なパフォーマンスに影響を及ぼすことが科学的に検証されています。

社員エンゲージメントと企業業績の関係

社員エンゲージメントと企業業績について、興味深いデータがあります。

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これらのデータから、社員エンゲージメントが高まれば収益性も生産性も顧客満足度も高まることが分かります。また、事故発生率や欠勤率、離職率に対してもポジティブな影響を及ぼすことが分かります。

DATUM STUDIOでは、毎月の全社定例会で売上、営業利益と共に可視化した社員エンゲージメントのポイント推移を発表、共有しています。それは社員エンゲージメントを非常に重要な経営指標と位置づけているからです。

社員エンゲージメントを可視化する

Supershipグループでは一昨年から社員エンゲージメントの可視化ツールとして、Atrae社が提供するwevoxを導入しています。とても良くできたツールであるため、DATUM STUDIOでも今年の3月に導入しました。

wevoxは社員エンゲージメントに影響を及ぼす9つのキードライバーとそれを構成する26の因子について、部門別に時系列でスコアの推移をみることができます。9つのキードライバーは以下の通りです。

1)職務:職務に対して満足度を感じているか
2)自己成長:仕事を通して自分が成長できていると感じているか
3)健康:仕事の中で過度なストレスや疲労を感じていないか
4)支援:上司や仕事仲間から適正な支援を受けられているか
5)人間関係:上司や仕事仲間と良好な関係を築けているか
6)承認:周囲の社員から認められていると感じているか
7)理念戦略:会社の理念、戦略、事業に対して納得、共感しているか
8)組織風土:組織風土が社員にとってよい状態か
9)環境:社員を取り巻く環境に満足しているか

Supershipグループではwevoxによるサーベイを月1回の頻度で実施しています。そしてサーベイ結果をBP(ビジネスパートナー)と呼ばれる人事担当から事業部門のマネージャーにフィードバックし、今後の対策などについて主体的な意見交換を行っています。

可視化することの素晴らしさは、チームのコンディションに対するマネージャーの意識を顕著に向上させる点にあります。今までチームマネジメントにさほど興味を示さなかったマネージャーが、可視化された数値を元にメンバーとのコミュニケーションの有り様について討議をはじめたりします。あるいは、業務アサインや目標設定、進捗確認など、それぞれのタイミングでメンバーが何に困っているのか、何を欲しているのかを注意深く観察するようになります。マネージャーの意識と行動変容はチームのコンディションやパフォーマンスにポジティブな影響を及ぼします。

ダイエットのコツは体重計に乗ること

ここに面白いデータがあります。マネージャーは自チームのエンゲージメントスコアをツール上で確認することができるのですが、ツールへのアクセス回数とエンゲージメントスコアの向上率(改善率)には強い相関関係があります。

以前、騎手の武豊さんが「ダイエットのコツは毎朝体重計に乗ることだ」とコメントされていました。毎朝、定期的に体重を確認することで、今日はランチの量を減らそうとか、帰り道は一駅前で降りて歩いて帰ろうとか、行動が変わるという話です。これと同じで、マネージャーの意識が可視化された社員エンゲージメントに向くとことで、自然と彼らの言動に変化が現れ、そのことがチームの有り様やコンディションに良い影響を及ぼします。これはとても興味深い発見でした。

さいごに

事業会社は永続的に収益をしっかりと出せる「強い会社」でなければなりません。同時に、社員一人ひとりが貢献実感と成長実感にあふれ、活き活きとして働ける「いい会社」でなければ、本質的な存在意義はないでしょう。

共に働く仲間の力を借りながら、DATUM STUDIOを「強くて、いい会社」にしていきたいです。まだまだ道のりは長いですが、必ず到達できるように、日々を大切に、丁寧に歩んでいきたいと思います。


Carpe diem. Seize the day, boys. 
Make your lives extraordinary.

文中のデータは「組織の未来はエンゲージメントで決まる」(新居佳英/松林博文著、英治出版、2018)より引用しました


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