![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/66409677/rectangle_large_type_2_94eb10a15277155f8e6080213c8d1a1d.png?width=1200)
<逃げるが勝ちだし恥じゃない!行くぜ信州!地元旅!!!>
私は仕事が好きだ。
やりたい仕事があって上京したし、好きなことを仕事にしたくて美ヶ原に来た。
仕事人間という名の社畜である。
(個人事業主だと営業時間は自由だし、24時間社畜し放題である。)
とは言え、たまに、たまーーーーーに、ご飯の用意をするくらいならご飯食べなくていいってくらい何もしたくないし、ネットも電話も世の中のほの暗いニュースからも、自分を切り離して引きこもりたいと思うことがある。
>心の洗濯じゃああああああああああああああああああああ<
なぁぁんて心の中で叫びながら、私はとある場所へ隠遁生活を送りに逃げるのだ。
常宿で別宅、あるいは心の実家と勝手に呼んでいる岳の湯温泉・雲渓荘(うんけいそう)に。
<逃げるが勝ちだし恥じゃない!行くぜ信州!地元旅!!!>
※タイトルがあまりにもアレだったので編集しました。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40142224/picture_pc_65d418a434a4beec66a9422feb7a4daf.jpg?width=1200)
岳の湯温泉雲渓荘は長野県上田市の南端、旧武石村(たけしむら)にある昔ながらの国民宿舎だ。
湧き出す温泉はアルカリ性単純温泉。長野県が認証している温泉表示認定制度で温泉の品質を承認された第1号の湯、らしい。
無色透明で無臭のぬるめのお湯で美肌効果が高いとのことだ。
1日に3回以上温泉に入るという暴挙に出たときは、向こう1週間は肌がうるつやだった。ハト麦化粧水+ニベアもびっくりである(なんのこっちゃ)。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40142244/picture_pc_f8b7b8a677a2000f9febe7b6f6c9ae39.jpg?width=1200)
岳の湯温泉は武石村中心部にある神社・子檀嶺(こまゆみね)神社と奥の院(雲渓荘から更に奥に進んだ山の上の別荘地内にある)に続く参道で、奥の院に参拝した人たちが入る休息所のような秘湯だったらしい。
秘湯ならでは、なのか、地域柄というべきか、雲渓荘にはwifiが通じない。
なんなら携帯の電波も圏外になるときもある。
地方局ならではで、テレビのチャンネルも首都圏と比べると少ない。
誰からも(物理的に)邪魔をされない、最高の「秘密の基地」なのだ。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40157905/picture_pc_b5efcc5550eb24f5ece4aa4bb3ab05f9.jpg?width=1200)
山に囲まれた渓流沿いに建つ雲渓荘は、どの部屋からも川の音が聞こえる。テレビもラジオもyoutubeも必要ない。川のせせらぎが最高の天然のBGMだ。
春は桜が咲き、夏は最高の避暑地で、秋は地元で採れた雑キノコに舌鼓を打ち、環境省の全国調査で本州で1番綺麗と評された星空は冬に見るのが特に最高だ。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40158115/picture_pc_5cbeddc6f1e0fe63c6ecbef4f5d84785.jpg?width=1200)
雲渓荘はスタイリッシュな宿ではない。
カタカナばかりのメニューや、○○風とか、料理長の気まぐれ○○とか、名前を聞いただけではどんな料理か分からないものは一切ない。
1本ン万円もするようなビンテージ物のお酒もなければ、コンシュルジュや女将がいるわけでもない。
出てくる料理は「おうちのごちそう」や「おうちのりょうり」で、働いているのは「じもとのひと」だ。
![雲渓荘ぶち入れ鍋プラン](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40159379/picture_pc_53326491f7104aae1c0dd947e88ff4d5.jpg?width=1200)
ある日の宿泊で、すき焼き会席コースを頼んだことがあった。
すき焼きの具材と鍋を前にしていざ食事、となってから気付いたのだが、私の郷里である大阪(関西)と関東ではすき焼きの作り方が違うのである。
私の知っているすき焼きは、具材を焼いてザラメを入れてタレを入れる方式なのだが、長野県は関東圏。ザラメはないし、大阪にはなかった「水」をどうしていいのか全く分からない。
さてどーしたもんかと笑っていたところに、配膳に来たおかーちゃんに聞いてみたら、一緒に笑いながらそれはもう華麗にすき焼き(関東版)の作り方を教えてくれた。
こういう、気兼ねなく一緒に笑い合っちゃえるところが、私が雲渓荘を心の実家と勝手に呼んでる所以だ。
スタッフはみんな気さくで、聞かなくても最寄りスポットや散歩コース、今の見所やオススメポイントを話してくれる。
教える、のではなく、おしゃべりをしてくれる。
気持ち的には、法事で集まった、すごく久しぶりに会った親戚のおじさん、おばさんである。
![雲渓流荘内部3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40159436/picture_pc_a8bd965c1f246f66adcafc1dd280addf.jpg?width=1200)
碇シンジは逃げることを否定して、その結果、いろいろとパーンして続編はまだですか?な状態に自らを追い込んだけども、私は逃げて逃げて逃げまくる。雲渓荘の畳の間で某北海道の白樺土産によく似た長野銘菓を食べながら、甘やかしぷち隠遁生活を送るのだ。肉を切らせて骨を断つ的な。逃げて勝ったら勝ち逃げである。そんでもって明日から頑張るのだ。
(感覚的には明日からダイエット頑張る、と言いながら好きなものをバリモシャ食べるのと一緒)
![雪原1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40160629/picture_pc_cc89e03be6d0b90055e3a278989e67e6.jpg?width=1200)
自宅から10分圏内、なんなら歩いて行けちゃうくらいの場所に、自分をぐでんぐでんに甘やかせる場所があることということの幸せ。
(いや、歩いてはさすがに行けないけども。こう、心の距離的に。)
私はパーンしそうになったら雲渓荘という名の別宅兼常宿兼実家に逃げ込むのだ。
ダッシュで逃げ帰省する日を、いつも私は、楽しみにしている。
![画像8](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40160829/picture_pc_071eeb2df04931f369dcf3d4376af690.png?width=1200)
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